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地元・三重の魅力を一杯のかき氷に込めて
三重県発の人気ベーカリーブランド「513ベーカリー」を筆頭に様々な飲食店を運営する㈱コイサンズが展開する、夏季限定のかき氷専門店「513 iCE LAB(こいさんアイスラボ)」。そのサブテーマには「こいさん かき氷研究所」という名が添えられており、ただの甘味処とは一線を画すコンセプトが垣間見える。
店長を務めるのは、西潤さん。実は向かいにあるもつ鍋専門店「こいさん」の店長も兼任しており、夏は鍋業態が閑散期となるタイミングを活かして、この氷のラボを立ち上げた。
今回はこの暑い夏の暑気払いにぴったりなかき氷へのこだわりについてじっくり西さんにお伺いしていこう。
店長を務めるのは、西潤さん。実は向かいにあるもつ鍋専門店「こいさん」の店長も兼任しており、夏は鍋業態が閑散期となるタイミングを活かして、この氷のラボを立ち上げた。
今回はこの暑い夏の暑気払いにぴったりなかき氷へのこだわりについてじっくり西さんにお伺いしていこう。
アルバイトからスタートした“こいさん”との長い縁
西さんがこの店舗で働き始めたのは、なんと約17〜18年前。20代でアルバイトとして入社し、その後正社員、店長とキャリアを積み重ねてきた。
「もともと“こいさん”は60年の歴史があるお店で、改装したタイミングで社長が変わり、そのときに入ったんです」。以来、松阪市内の他店舗にも携わりつつ、かき氷事業の立ち上げにも関与してきた。
「もともと“こいさん”は60年の歴史があるお店で、改装したタイミングで社長が変わり、そのときに入ったんです」。以来、松阪市内の他店舗にも携わりつつ、かき氷事業の立ち上げにも関与してきた。
「必然だった」夏の新業態
夏になると客足が遠のくベーカリー業態と、もつ鍋専門店。そこに着目したのが、三重県内に展開する513ベーカリーや、チーズケーキ専門店「amigo」などを運営する㈱コイサンズの代表だった。今や全国的なかき氷ブームは周知の事実だが、西さんがかき氷事業に本格的に関わり始めたのは2016年―ブーム前夜のことである。
「社長に“かき氷やるぞ”って言われたのが始まりでした。そのときはまだ流行ってなかったんですよ。もつ鍋と同様にベーカリー部門も夏場がヒマなんです。パン屋ではできないから、もともと“こいさん”の駐車場にあった事務所を改装して『513 iCE LAB』にしたんです。」と語る西さん。
とはいえ、単なる売上補填のための新業態への挑戦ではない。513ベーカリーの「地産地消」の考え方をそのまま引き継ぎ、三重県の素材を使ったシロップ作りに取り組んだ。それから1〜2年後にはブームが本格化し、結果的にタイミングは大成功。「やってみよう」と自然体で受け入れた西さんの姿勢が、静かな熱意を物語る。
「社長に“かき氷やるぞ”って言われたのが始まりでした。そのときはまだ流行ってなかったんですよ。もつ鍋と同様にベーカリー部門も夏場がヒマなんです。パン屋ではできないから、もともと“こいさん”の駐車場にあった事務所を改装して『513 iCE LAB』にしたんです。」と語る西さん。
とはいえ、単なる売上補填のための新業態への挑戦ではない。513ベーカリーの「地産地消」の考え方をそのまま引き継ぎ、三重県の素材を使ったシロップ作りに取り組んだ。それから1〜2年後にはブームが本格化し、結果的にタイミングは大成功。「やってみよう」と自然体で受け入れた西さんの姿勢が、静かな熱意を物語る。
店舗づくりの舞台裏
現在の「513 iCE LAB」の建物は、もともとは廃業したガソリンスタンドの整備室。長らく「こいさん」の駐車場の一角で物置として使われていたが、それを改装し店舗に仕立てた。
「外観はそのままで、中だけ改装しました。内装は社長と設計士さんがメインで決めました。お店のキャラクターは同じようなタイミングでちょうど絵本作家さんと知り合って、描いてもらったんです。可愛らしいでしょ?」と西さん。
可愛いキャラクターとポップな世界観は、子ども連れのファミリー層からも好評で、まさに“見た目に映える”店づくりとなっている。
「外観はそのままで、中だけ改装しました。内装は社長と設計士さんがメインで決めました。お店のキャラクターは同じようなタイミングでちょうど絵本作家さんと知り合って、描いてもらったんです。可愛らしいでしょ?」と西さん。
可愛いキャラクターとポップな世界観は、子ども連れのファミリー層からも好評で、まさに“見た目に映える”店づくりとなっている。
三重に根ざしたブランド展開
「513 iCE LAB」は、ここだけにしかない特別な店舗かと思いきや、実は「513ベーカリー」の松阪川井町店、パンの駅四日市菰野店、アミーゴ津店でも一部かき氷を提供している。ただしメニューは店舗ごとに異なり、各店独自の商品があるのが特徴だ。
「全店舗で同じものを出しているわけではないですし、ここ“iCE LAB”だけでしか食べられない商品もあります」と西さん。そうした限定性もまた、リピーターを惹きつける魅力となっている。
「全店舗で同じものを出しているわけではないですし、ここ“iCE LAB”だけでしか食べられない商品もあります」と西さん。そうした限定性もまた、リピーターを惹きつける魅力となっている。
氷とシロップの「質」が命。専門店のこだわりとは
かき氷一本で勝負する「513 iCE LAB」では、氷の質とシロップに並々ならぬこだわりを持っている。「商品は氷だけ。だからこそ、氷の質とシロップにはとことんこだわり抜いています。」と西店長。
使用している氷は、三重県・津市美里町の湧き水を使い、72時間かけて凍らせた高純度の氷。「もともとは奈良県から氷を仕入れていたんですが、輸送コストの問題もあり、三重県内で同等の品質の氷屋さんが見つかったため、切り替えました。凍らせる時間が長いほど純度が上がり、ふわふわの食感が生まれるんです」と語る。
水の純度、凍結時間、加工技術。この3点にこだわった氷が、「513 iCE LAB」のふわっと口どける食感の秘密である。
使用している氷は、三重県・津市美里町の湧き水を使い、72時間かけて凍らせた高純度の氷。「もともとは奈良県から氷を仕入れていたんですが、輸送コストの問題もあり、三重県内で同等の品質の氷屋さんが見つかったため、切り替えました。凍らせる時間が長いほど純度が上がり、ふわふわの食感が生まれるんです」と語る。
水の純度、凍結時間、加工技術。この3点にこだわった氷が、「513 iCE LAB」のふわっと口どける食感の秘密である。
シロップは三重の恵みから。地産地消のこだわりをシロップに
かき氷に欠かせないもう一つの要素がシロップ。こちらも三重県の食材をベースに作られている。もともと「513ベーカリー」で展開していた地産地消の考え方をそのまま受け継ぎ、甘夏、ブルーベリーなど、三重の旬の果物を使用。中にはまるごとフルーツを半玉使ったメニューもあり、そのインパクトと贅沢さがSNS映えも後押ししている。
「パンで使っていた食材を、かき氷にも活用しようと考えたんです。シロップとして再構成すれば、三重の美味しさを違う形で届けられる。だから『地元の味』がこの店の原点なんです」と西店長は話す。
「果物は時期ごとに一番美味しいものをいただいてシロップにしています。1シーズン分を作ってそれを凍らせて、今の販売時期に合わせて使っています」と語る西さん。甘夏は熊野市、いちごは伊勢市「かおり野」、ブルーベリーは津市久居、抹茶は鈴鹿市と、各地の旬の恵みを活かしたラインナップとなっている。
「パンで使っていた食材を、かき氷にも活用しようと考えたんです。シロップとして再構成すれば、三重の美味しさを違う形で届けられる。だから『地元の味』がこの店の原点なんです」と西店長は話す。
「果物は時期ごとに一番美味しいものをいただいてシロップにしています。1シーズン分を作ってそれを凍らせて、今の販売時期に合わせて使っています」と語る西さん。甘夏は熊野市、いちごは伊勢市「かおり野」、ブルーベリーは津市久居、抹茶は鈴鹿市と、各地の旬の恵みを活かしたラインナップとなっている。
味だけでなく、“賞味期限30秒”の儚さを演出
この「みえ氷」、こだわっているのは味だけではない。そのふわふわの氷は純度の高い72時間凍結氷によって実現され、さらにメニューにある「賞味期限30秒」という文言が、訪れる人々の心をつかむ。
「トッピングも基本的にはしていません。すぐに溶けてしまうから。だからこそ、お客さまには早めに食べていただくようご案内しています」と西さん。氷そのものの美味しさと潔さを伝える、シンプルでいて芯のあるスタンスだ。
「トッピングも基本的にはしていません。すぐに溶けてしまうから。だからこそ、お客さまには早めに食べていただくようご案内しています」と西さん。氷そのものの美味しさと潔さを伝える、シンプルでいて芯のあるスタンスだ。
“ふわふわ”を生み出す二大氷機メーカーを併用
味と同じくらい大事なのが「氷の削り方」だと語る西さん。現在店舗では、かき氷界で有名な「スワン」と「初雪」という2つの日本製機械を導入している。
「初年度はスワンでしたが、他店で初雪を使っているところが多かったので、どうしても初雪も入れたかった」。現在は両方を使い分け、それぞれの特性を活かした氷の提供を実現している。
「もちろんどちらでもふわふわには削れるので、お客さんが食べて違いに気づくかというと微妙ですが、かき氷好きの方たちは気にされますね」と語る。機械選びひとつにも、目に見えないこだわりが詰まっている。
「初年度はスワンでしたが、他店で初雪を使っているところが多かったので、どうしても初雪も入れたかった」。現在は両方を使い分け、それぞれの特性を活かした氷の提供を実現している。
「もちろんどちらでもふわふわには削れるので、お客さんが食べて違いに気づくかというと微妙ですが、かき氷好きの方たちは気にされますね」と語る。機械選びひとつにも、目に見えないこだわりが詰まっている。
地元の魅力を詰め込んだ、約15種類の個性派かき氷
「513 iCE LAB」では、常時15種類程度のかき氷メニューが揃う。定番メニューに加えて、営業期間中に新作を発表することもあり、リピーターを飽きさせない工夫が光る。
中でも「みえ氷」シリーズは、三重県の果物を使ったシロップを使用、特に人気が高いという。「いちごはお子さんに人気ですし、甘夏・ブルーベリーやヨーグルト系のさっぱりした味わいは、夏になるとよく出ます」と話す。
「甘夏やブルーベリーをシロップにして、三重の氷を使って作る。それが最初のコンセプトでした。あとはインスタ映えするような見た目も重視しましたね」と西さんは語る。
中でも「みえ氷」シリーズは、三重県の果物を使ったシロップを使用、特に人気が高いという。「いちごはお子さんに人気ですし、甘夏・ブルーベリーやヨーグルト系のさっぱりした味わいは、夏になるとよく出ます」と話す。
「甘夏やブルーベリーをシロップにして、三重の氷を使って作る。それが最初のコンセプトでした。あとはインスタ映えするような見た目も重視しましたね」と西さんは語る。
毎年進化する“ラボ”としての魅力
「定番メニューはもちろんありますが、期間中に新作を出したりアレンジを加えたりしています。毎年新作を3つほど加え、年ごとに内容が少しずつ変わっていく形ですね」と西店長。その企画は西さん自身が担っている。
「その年の流行りや、お客様の傾向を見ながら企画を考え、本社に提案しています。そこからOKが出れば進めるという形ですね」と語る。流行を敏感にキャッチしながらも、自店舗の客層に合うかどうかを見極める観察力と提案力が求められる。
ただの“夏季限定の甘味屋”ではない。そこには、地元食材へのこだわりと、毎年進化を重ねる“ラボ(研究所)”としての姿勢がある。
「その年の流行りや、お客様の傾向を見ながら企画を考え、本社に提案しています。そこからOKが出れば進めるという形ですね」と語る。流行を敏感にキャッチしながらも、自店舗の客層に合うかどうかを見極める観察力と提案力が求められる。
ただの“夏季限定の甘味屋”ではない。そこには、地元食材へのこだわりと、毎年進化を重ねる“ラボ(研究所)”としての姿勢がある。
年齢・地域問わずお客さんはひっきりなし
特に夏休みの時期には、親子連れのファミリー層や学生を中心に幅広い世代が訪れる。近年では、県外ナンバーの車で訪れる観光客や、年配のご夫婦の来店も増えているという。「初年度からファミリー層が中心でしたが、最近は高齢層のお客様も多くなってきました。特に今年はその傾向が顕著ですね」とのこと。
また、「かき氷が大きくて食べられない方や、小さいお子さん、おじいちゃんおばあちゃん用にソフトクリームも用意しています。ファミリーで来られる方が多いので、そういうニーズにも対応できるようにしていますのでお気軽にお越しください」と西さんは笑いながら紹介してくれた。
また、「かき氷が大きくて食べられない方や、小さいお子さん、おじいちゃんおばあちゃん用にソフトクリームも用意しています。ファミリーで来られる方が多いので、そういうニーズにも対応できるようにしていますのでお気軽にお越しください」と西さんは笑いながら紹介してくれた。
来店の前には“暑さ対策”を忘れずに
「何か一言お願いします」との問いかけに、西さんは少し戸惑いながらも、次のように語った。「とにかく暑さ対策をして来てください。業務用の扇風機や打ち水などの対策はしてますが、初めて来たお客様はみなさん驚かれます。基本的に冷暖房はなくて…」。
暑さの中で食べるふわふわのかき氷。それもまたこの店ならではの醍醐味であり、体感温度とのコントラストが、より一層の美味しさを引き立てている。まさしく“海の家”に来るような感覚で楽しめるこだわりかき氷は、今後も県内外に三重の果物とかき氷の魅力を広げていくことだろう。
暑さの中で食べるふわふわのかき氷。それもまたこの店ならではの醍醐味であり、体感温度とのコントラストが、より一層の美味しさを引き立てている。まさしく“海の家”に来るような感覚で楽しめるこだわりかき氷は、今後も県内外に三重の果物とかき氷の魅力を広げていくことだろう。
513 ICE LAB (こいさん かき氷研究所)
〒515-0038
三重県松阪市挽木町385−20
金曜日
10:00〜17:00
月曜日
10:00〜17:00
火曜日
10:00〜17:00
水曜日
10:00〜17:00
木曜日
10:00〜17:00
金曜日
10:00〜17:00
土曜日
10:00〜17:00
日曜日
10:00〜17:00
0598-21-6767
L.O.
16:30
その他
※電話番号はもつ鍋こいさんと共通です。
最寄駅
松阪駅から徒歩15分、車で5分
支払方法
現金またはPayPay
平均予算
1000~1500円
駐車場
店前他21台
席数
カウンター4席、8名掛け長テーブル×2、4名掛け丸テーブル×3
営業期間
毎年6月末の土曜日から9月中旬の三連休あたりまで。(気候に準ずる)
注意事項
冷房がないので暑さ対策を万全に!
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※記事の内容は、公開時点の情報です。記事公開後、メニュー内容や価格、店舗情報に変更がある場合があります。来店の際は、事前に店舗にご確認いただくようお願いします。
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