ライター : macaroni トレンド

「古米はおいしくない」が変わる!カレーはむしろ古米がいい?

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近年、物価の高騰や自然災害・天候不順による不作の影響で、古米や備蓄米への関心が高まっています。古米は新米に比べて割安で手に入る一方で、「パサパサしていておいしくない」「独特の匂いが気になる」といった声も多く、“仕方なく食べるもの”というイメージを持たれがちです。

しかし、それは大きな誤解。株式会社カレー総合研究所 代表取締役・井上 岳久さん(以下、井上さん)によると、料理によっては、新米よりも古米のほうがおいしく感じられることもあるのだそう。

本記事では、古米をおいしく食べるためのカレーの選び方や食べ方について、専門家の知見をもとに実践しながら詳しくレビューしていきます。

教えてくれた人

株式会社カレー総合研究所 代表取締役・カレー大學学長 井上岳久さん
カレー業界を牽引する業界の第一人者。カレーの文化や歴史、栄養学、地域的特色、レトルトカレーなどカレー全般に精通している。

全国のカレー店に幅広い人脈を構築し、商品開発も定評があり、1000以上ものレシピを開発。年間テレビなどメディア出演は100以上で著書は多数。

カレーの本場インドでは “古米のほうが高価”

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—— 古米とカレーが相性が良いと言われていますが、それはなぜなのでしょうか?

井上さん 古米は新米に比べて水分が少なくパサパサしていると言われていますが、むしろそのパサつきがカレーとはよく合うんです。実際に、日本では新米に対してプレミアム感がありますが、カレーの本場インドでは古ければ古いほどお米の価値が上がります。

カレーに合わせるなら、もちもちしている新米よりも水分が抜けている古米の方が本場の味に近づきます。お米の水分が足りないだけカレーの水分を吸収するので、おいしく食べられるんです。

その1. 粘度の低いサラサラしたカレーを選ぶ

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——なるほど、理にかなっていますね。カレーにもいろいろな種類がありますが、古米に合わせるならどんなカレーがおすすめですか?

井上さん 古米に合わせるなら、粘度の低い“さらさら系”のカレーがおすすめですね。インドカレーは地域によってスタイルがことなりますが、たとえば南インドではお米が主食で、シャバシャバしたカレーが多いんです。そういった文化にならって、古米と合わせる場合もスープカレーのようなサラサラしたカレーを選ぶと、本場の味に近づくと思います。

もちろん、合わないというわけではありませんが、日本で一般的に食べられているルウを使った、とろみのあるカレーは日本米に合わせて作られているので、古米よりも新米のほうがよりおいしく食べられると思いますよ。

実際に合わせてみると?

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さらっとしたカレーの旨みやスパイシーさがお米にしっかり馴染み、お店で食べるような本格的な味わいです。新米だともちもち感が強いのでお米が主役になることも多いですが、古米と合わせるとカレーが主役に。カレー本来のおいしさをしっかり感じられますよ。

今年のトレンドと言われている「ネオ・カシミール」もサラサラとしているため、相性抜群。激辛カレー好きの方はカシミールカレーと合わせるのもおすすめです。

その2. ごはんと別々ではなく一緒に食べる

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——サラサラしたカレーが合うということですが、食べ方のポイントはありますか?

井上さん ごはんと別々に口に運ぶのではなく、混ぜたりのせたりして、カレーとごはんを一体で味わうスタイルがおすすめです。こうすることでカレーの水分がごはんによく染み込み、古米特有の匂いも気にならなくなるはずです。

ごはんの上にのせて食べるキーマカレーや、混ぜて楽しむドライカレーのように、一緒に味わえるタイプのカレーは特に相性が良いですよ。

※本記事は個人の感想に基づいたもので、感じ方には個人差があります。

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