ライター : pomipomi

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給気口を閉じたままにしていない?

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部屋の壁や天井などに取り付けられている給気口。換気のために設置されているものなのですが、ちゃんと開けて使っていますか?

「寒いから」や「ゴキブリの通り道になると聞いたから」などと言って、閉じたままにしている人も少なくないようですが……。本記事ではUR賃貸住宅とMUJI HOUSEの公式サイトを参考に、給気口の役割や正しい扱い方を解説しますよ。

開けっ放しにしておくのが基本

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給気口の扱い方について、UR賃貸住宅の公式サイトには下記の通り記載されています。
冬は冷たい外気が、夏は熱い外気が入ってくるのが嫌で、何となく閉めているという人も多いかもしれませんが、給気口は、基本的には開けっ放しにしておくのが正しい使い方です。

出典: www.ur-net.go.jp

給気口は開けっ放しにしておくのが基本なのだそう。なぜ閉じてはいけないのか、給気口のそもそもの役割が気になるところです。

給気口の役割。シックハウス症候群の予防や結露防止にも

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給気口の役割について、UR賃貸住宅の公式サイトには下記の通り記載されています。
実はシックハウス症候群への対策が、換気設備の設置が義務付けられるきっかけでした。
シックハウス症候群とは、建材や家具の材質、日用品などが発する有機化合物が原因となって、頭痛やめまい、吐き気、のどの痛みなどが起こるものです。
建築物の気密性の向上とともに、こうした症状を訴える人が増えてきたことが問題視され、2003年(平成15年)の建築基準法改正で、住宅を含むすべての建築物を対象に、部屋の空気を強制的に換気する、24時間換気システムの設置が原則的に義務化されました。

出典: www.ur-net.go.jp

24時間換気システムには、暖房器具の使用で発生した、水蒸気や湿気を外に逃がす役割もあります。
水蒸気や湿気が室内にたまると、窓や扉が結露してしまい、カビが生えたり、建物の躯体が腐敗したりする原因になりますが、建物内の空気の入れ替えを常時行うことで、そうした状況を防ぎやすくなります。

出典: www.ur-net.go.jp

化学物質が私たちに与える影響、においやカビ、結露の発生は24時間待ったなしですから、部屋の空気は常に入れ替わっていることが大切。“定期的な換気”と称して、給気口をときどき開閉するのではなく、台風・吹雪などで雨や雪、風が極端に強まるとき以外は開けたままにして、換気システムを24時間稼働させるのが基本です。

出典: www.ur-net.go.jp

給気口は換気だけでなく、シックハウス症候群の予防や結露防止などの役割も果たしていたのですね。開けたままにしておくべき理由がよくわかりました。

給気口を閉じることによる弊害

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給気口を閉じたままにしておくと下記のような弊害が懸念されます。閉めっ放しにしている方は今すぐ開けたほうがいいかもしれません。

給気口を閉じることによる弊害

  1. シックハウス症候群の原因となる化学物質がたまりやすくなる
  2. 外から持ち込んだ花粉やPM2.5などがたまりやすくなる
  3. 結露やカビを発生させるリスクが高まる
  4. 空気がよどみ、部屋に生活臭がこもりやすくなる

寒いときや外の騒音が気になるときは閉じてもよい?

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開けっ放しがよいことは理解できましたが、給気口からの冷気がどうしても気になるときは閉じてもよいのでしょうか?寒いときの対処法について、UR賃貸住宅の公式サイトには下記の通り記載されています。
冬場など、外気温が低い場合は、つい閉めたくなるかもしれませんが、実は給気口による換気で奪われる熱は、思っているほどではありません。熱の多くは窓から逃げてしまっているため、床まである厚めのカーテンを掛けるなどして、窓の断熱対策をする方が効果的です。
ただ、給気口のすぐ前は冷気が直接入ってくるため、寒く感じることがあります。その場合は、家具の配置換えをして、ソファやデスクなど人が長時間いる場所を給気口から離すと良いでしょう。

出典: www.ur-net.go.jp

冷気が入ってきたとしても、やはり基本は開けたままにしたほうがよいようです。寒い場合はソファやデスクなどの置き場所を変えて、給気口の近くに人が長時間いる環境をなくしましょう。

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MUJI HOUSEの公式サイトには、外の騒音が気になるときや、排気ガス・花粉の侵入を防ぎたいときの対処法が下記のように記載されています。こちらも参考にしてみてくださいね。
音が気になる場合は、消音スリーブと呼ばれる商品が世の中に流通しておりますので試してみてもよいかもしれません。給気口に入れるスポンジ状の吸音材なのですが、ネット通販などでも比較的安価に購入ができ、取り付けも容易なので試しやすいものになります。給気口の直径にいくつか種類があるのでお気を付けください。

出典: house.muji.com

排気ガスや花粉の侵入が気になる方は、フィルター付きの給気口を選択するとよいでしょう。花粉対策を謳ったものなど、いろいろな商品があります。現状フィルターが付いていない、または付けられない給気口であれば、防虫網に不織布や市販のフィルターをかませてみるのもよいでしょう。使用していくうちにだんだん汚れてきますから、フィルターの定期的な清掃・交換をお忘れなく。

出典: house.muji.com

給気口を正しく使って暮らしをより快適に

給気口が設置されている理由や、開けておくことの意義を深く考えたことがなかった筆者。虫の侵入を防ぎたくて、安易に閉じたままにしてしまっていました。

閉じっ放しだとさまざまな弊害が起こり得ると知ったので、今後はちゃんと開けておこうと思います。みなさんも給気口を正しく使って、家の中をより快適な空間にしてくださいね。
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