ライター : 川島 尚子

管理栄養士 / パティシエ

黒い点があるキャベツは食べられる?

キャベツはひと玉で購入すると中の葉まで確認することができない野菜です。使いはじめてから、内側の葉に黒い点があることに気がついたり、カットしたあとの切り口がところどころ黒くなったりと、食べていいのか心配になったことがあるかもしれません。

キャベツの黒い点は生理障害による場合と、保存状態による腐敗に分かれます。生理障害の場合は問題なく食べられるため、見極められるようにしましょう。(※1,2)

キャベツが黒くなる原因

キャベツの黒さの原因

  1. ごま症
  2. 内部黒変症状
  3. ポリフェノールによる変色
  4. 腐敗・カビ

ごま症

ごま症は、キャベツの葉の表面にごま状の黒い斑点が出る現象を指します。キャベツをはじめ、小松菜や白菜などのアブラナ科の野菜に見られます。

植物の栄養素のひとつである「窒素」が天候や気温の変化、肥料の過多などによって過剰になると起こると言われている現象です。品質や食味には問題がないため、食べられる状態と言えます。(※1,3,4)

内部黒変症状

内部黒変症状とは、キャベツの内側の水滴が凍ったあと、急速に解凍されることで黒いシミや斑点が現れる症状を指します。黒変症状が発生している部位からは病原菌は検出されないため、キャベツの病気ではありません。

冬に栽培されるキャベツでは、低温による凍害で外葉の壊死が発生することも。しかし、内部黒変症状の場合は外から見てもわかりづらく、出荷時に取り除くのがむずかしいという事情があります。(※2,5)

ポリフェノールによる変色

キャベツにはポリフェノールが含まれています。カットしたキャベツの切り口が黒く変色するのはポリフェノールの酸化が原因です。

また、低温の影響でポリフェノールのアントシアニン色素が中心部に変色として現れることもあります。いずれも問題なく食べられるため、褐変の部分が気になる場合はその部分だけ取りのぞくとよいでしょう。(※2,3)

腐敗・カビ

黒いキャベツのなかには食べられない状態のものもあります。食べられないものは、においや状態が普通のキャベツとは異なるのが特徴です。

腐敗している場合は酸っぱいにおい、不快なにおいがします。カビがはえている場合はカビが食品成分を分解したことによる異臭を感じます。

また、変色だけでなく黒い部分が溶けていたり、ぬめりや茶色い水が出たりした場合も腐敗がすすんでいるおそれが。このような状態のキャベツは食べずに廃棄してください。(※2,6)
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