ライター : 椛嶋 貴子

管理栄養士

離乳食の献立を立てるときのポイント

ポイント

  1. さまざまな食材をバランスよく取り入れる
  2. 素材の味を味わえるように
  3. シンプルなメニューを組み合わせる
離乳食作りのポイントは、さまざまな食材をバランスよく取り入れること。とはいえ、離乳食を始めて間もない赤ちゃんは少量ずつしか食べられないので、1回の食事でいろんな食材を使うのはとても大変です。バランスは1週間ごとに考えればよいので、長いスパンでバランスを考えてあげましょう。

また、離乳食は素材の味を味わえるように風味付け程度の薄味にしたり、味付けがシンプルなメニューを取り入れたりしていきます。シンプルなメニューを組み合わせることで食材のバランスも考えやすくなります。(※1,2,3)

【生後7~8カ月ごろ】離乳食中期の献立の立て方

離乳食中期の献立を考えるときのポイント・注意点

ポイント・注意点

  1. 初めての食材は少量から試す
  2. 口の発達に合った食材を選ぶ
  3. 味付けは風味付け程度に
  4. 舌でつぶせる硬さ・形状で
離乳食中期ごろは、離乳食初期に引き続き初めての食材にたくさん出会う時期です。初めての食材は体調が良いときに、少量から試してあげましょう

また、離乳食中期ごろは舌と上あごですりつぶして食べる時期なので、きのこやごぼうなどの硬い食材は避けて赤ちゃんが食べやすい食材を選ぶようにしてくださいね。舌でつぶせる硬さ・形状にするようにしましょう。

砂糖やしょうゆ、塩、みそといった調味料を使い始めてもよいですが、ほんの少しずつ風味付け程度にします。素材の味を味わえるように調味します。(※2,3,4,5,6)

一日分の献立例

献立例1献立例2
一食目にんじんと白身魚のおかゆ
キャベツのみそ汁
全がゆ
ブロッコリーのスープ
大根とささみの煮物
二食目全がゆ
ほうれん草のすまし汁
かぶと豆腐の煮物
白身魚とかぼちゃの煮込みうどん

(※3,5,6,7)
主食は全がゆに加え、くたくたに煮て刻んだうどんやパンがゆも取り入れていきましょう。汁物はかつおだしや野菜スープにほんの少しだけ調味料を加えて作ります。野菜やたんぱく質のおかずはだしでしっかりと煮てやわらかくするのがポイント。薄味に仕上げることで素材の味がしっかりと味わえますよ。

主食・汁物・おかずを各種そろえると手間がかかってしまうので、煮込みうどんやまぜごはんのようなメニューも取り入れていきましょう。

【生後9~11カ月ごろ】離乳食後期の献立の立て方

離乳食後期の献立を考えるときのポイント・注意点

ポイント・注意点

  1. 手づかみ食べができるメニューを取り入れる
  2. 鉄分をしっかり補給する
  3. 歯茎でつぶせる硬さ・形状で
離乳食後期ごろになると、手づかみ食べをし始める赤ちゃんもいます。手づかみ食べを始めたら、手で食べやすいメニューを取り入れていきましょう。硬さや形状は歯茎でつぶせる程度にします。

赤ちゃんは鉄を蓄えて生まれてきますが、生後6か月ごろから減少し始めて生後9か月ごろには鉄欠乏になりやすくなります。そのため、鉄分を補給できるような献立を積極的に取り入れましょう。(※3,8)

一日分の献立例

献立例1献立例2
一食目(朝)フレンチトースト
にんじんのスープ
こふきいも
鮭の混ぜ込み軟飯
かぶのみそ汁
にんじん煮物
二食目(昼)鶏そぼろ軟飯
ほうれん草のみそ汁
大根の煮物
鶏そぼろ煮込みうどん
さつまいもの甘煮
三食目(夜)軟飯
豆腐のすまし汁
カレイの煮つけ
焼きかぼちゃ
お好み焼き
かぼちゃのスープ
バナナ
(※5,7,9,10)
離乳食中期以前に比べると食べられる食材の幅が広がり、いろんな食材を楽しむことができます。

手づかみで食べやすいフレンチトーストやお好み焼きのほかに、蒸しパンやパンケーキもおすすめです。詰め込んで食べてしまうとのどに詰まらせる危険があるので、赤ちゃんの成長発達に合わせたものを作ってあげるようにしましょう。

また、食べているときは詰め込まないように見守ってあげてくださいね。手づかみ食べが始まったら、なるべくたくさんさせてあげましょう。(※3,11)

【生後12~18カ月ごろ】離乳食完了期の献立の立て方

離乳食完了期の献立を考えるときのポイント・注意点

ポイント・注意点

  1. 歯茎で噛める硬さ・形状で
  2. 欲しがる様子があればスプーンを持たせてあげる
  3. かじり取りの練習ができるメニューを取り入れる
離乳食完了期はいろんな食材を食べられるようになります。また、歯ぐきで噛めるような形状や硬さにしていきます。スプーンを持って自分で食べたがる様子が見られたら、持たせてあげましょう。

また、前歯が生えそろったころからかじり取りの練習もしていきます。前歯で噛みちぎってひとくち量を食べられるような料理を取り入れてみましょう。スティック状に切ったパンや煮野菜、ハンバーグなどのメニューがおすすめです。(※3,12,13)
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