ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

「ビーツ」とは

鮮やかな赤紫色の皮や断面が特徴的なビーツ。名前を聞いたことがあっても、具体的にどんな野菜か知らないという方も多いのでは?

ビーツの原産地は地中海沿岸原産で、日本には江戸時代初期ごろに伝来しました。国内では埼玉県や長野県などで栽培されており、旬は6月、7月、11月です。

味はほんのりと甘く、非加熱だと土の風味を感じる場合も。世界三大スープのひとつであるボルシチに使われるのが有名ですが、サラダやスムージーにしても楽しめます。それでは、ビーツに豊富な栄養について詳しく見ていきましょう。

ビーツの栄養と効果効能

むくみ対策に役立つ「カリウム」

ビーツ100gあたりには、カリウムが460mg含まれています。カリウムはナトリウムと作用し合い、細胞の水分を維持するはたらきがあるミネラルです。

さらに、カリウムにはナトリウム(塩分)の排出を促す作用があり、血圧の維持に役立ちます。また、塩分の摂り過ぎによるむくみが気になる方におすすめの栄養素です。(※1,2,3)

貧血対策に欠かせない「鉄」

ビーツ100gあたりには、鉄が0.4mg含まれています。鉄は赤血球中のヘモグロビンに多く存在しており、不足すると貧血につながるおそれが。頭痛や疲労感などの貧血症状を感じやすい方は、しっかり摂取しましょう。

ビーツのような野菜に含まれる鉄は、肉や魚に含まれる鉄より吸収率が低いです。鉄の吸収を促すビタミンCや、動物性たんぱく質と組み合わせると効率よく摂れます。(※1,4)

老化を抑制する「ポリフェノール」

ビーツの赤い色素であるベタシアニンは、ポリフェノールの一種。高い抗酸化作用があり、活性酸素の産出を抑えてくれます。

加齢やストレスなどによって活性酸素が増えると、細胞が傷ついてしみやシワのような老化現象につながるおそれが。ポリフェノールが豊富なビーツを摂って、老化対策に役立てましょう。(※5,6)

腸内環境を整える「食物繊維」「ラフィノース」

ビーツ100gあたりには不溶性食物繊維が2.0g、水溶性食物繊維が0.7g含まれています。不溶性食物繊維は便の量を増やし、水溶性食物繊維は便をやわらかくします。

また、ビーツには、オリゴ糖の一種であるラフィノースが含まれています。オリゴ糖や食物繊維は善玉菌を増やすはたらきがあるため、ビーツは腸内環境を整えたい方にぴったりの野菜です。(※1,7,8)
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