ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

監修者 : 竹内 弘久

杏林大学医学部付属病院 外科医

高血圧の原因や体への影響とは

高血圧は副腎や甲状腺の疾患によって起こる「二次性高血圧」と、生活習慣や遺伝が原因となる「本態性高血圧」のふたつに分けられます。この記事では、一般的な生活習慣が密接に関わっている本態性高血圧の原因や対策について解説します。(※1,2)

高血圧の原因

竹内先生:「本態性高血圧は食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや遺伝的体質などが組み合わさって起こります。なかでも、日本人にとって注意が必要なのは食塩の過剰摂取です。

人間の体内では、水分と塩分が一定の濃度に保たれています。食塩をとり過ぎると、一時的に高くなった塩分濃度を下げるために、体内に水分がため込まれます。すると心臓に送り込まれる血液量が増え、血管にかかる圧力が増し、血圧が上がってしまうのです」

体への影響

竹内先生:「高血圧の状態が続くと、脳の血管や心臓を取り巻く血管がもろくなったり、血管内が狭くなったりするような状態につながります。すると、血液の流れが悪くなり、血栓(血液の塊)ができやすくなります。

また、心臓は絶えず強い圧力で血液を送り出さなくてはならず、筋肉が厚くなります。その結果、心臓のポンプ機能が低下したり、心臓に障害が起きたりするおそれがあります」

高血圧の基準値

血圧の正常値は、診察室で測った場合の収縮期血圧(最高血圧)が120mmHg以下かつ拡張期血圧(最低血圧)が80mmHg以下です。自宅で測る場合は、これより5mmHg低い値が基準となります。

診察室で繰り返し測定し、収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上であった場合、高血圧と診断されます。なお、家庭での血圧測定も高血圧対策をするうえで大切です。(※1,2)

※高血圧の原因は様々です。不安な方は血圧値だけで自己判断せず、かかりつけの医師に相談するようにしてください。

血圧を上げる食べ物

干物

前述したように、食塩の摂り過ぎは高血圧の原因なので、塩分量の多い干物には注意が必要です。たとえばあじの干物100gあたりの塩分量は1.7g。高血圧の人が一日に摂ってよい塩分量の目安である、6g未満の1/4以上に相当する量です。

血圧が高い方は干物や塩魚ではなく、生の魚を選んで食べましょう。生のあじ100gあたりの塩分量は0.3gなので、干物と置き換えると1.4gの減塩になります。(※3,4)
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