4. 同じアイテムをそろえる

Photo by 合田和弘

モノ選びが苦手という方は、まずはサイズ違いのものから減らしてみてはいかがでしょう。ボウルや菜箸などは一般的に大中小とサイズ違いのものが販売されてますが、結局同じものしか使わないことが多くないですか?

私はよく使うサイズ、商品でそろえています。そうすると収納しやすいですし、悩まずに買い足せるので考え方がシンプルになりますよ」

家族で協力し合える仕組み作りや引田さん自身が楽しく家事するためのアイデアは、常に“どうすればより良くなるかに向き合う”ことで生まれるんですね。続いて、キッチン以外でのこだわり(ライフスタイル術)を3つをお聞きしました。

ラクをしながら気持ちよく暮らす3つのポイント

5. 生活にあった動線づくりをする

Photo by 合田和弘

リノベーションは、事前に家事の動線を考えて取り組みました。掃除がしやすいように床にモノを置かなくて良いように考えたり、ラクに掃除ができるよう玄関はあえて段差をなくしたり。それによって、家事にも余白が生まれるんですよね」

毎日の生活の中で必ず気になる家事動線。 “不都合があれば考えて改善する” 引田さんの基本マインドがあれば、どんな環境でも適切に変えていけると思わせてくれます。

6. ながら掃除で家事を減らす

Photo by 合田和弘

毎日欠かさず掃除するのは、玄関です。玄関は神社でいう鳥居のようなところ。お客様が一番初めに見る場所でもあるので、丁寧に拭き上げます。そのほかは、ながら掃除がメイン。洗顔のときに洗面台もついでに洗ったり、洗濯機に入れる前のふきんで気になる汚れを拭いたりしていますよ。

リビングは気になったら私がその都度掃除機をかけて、週末に夫が家中しっかり掃除機をかけるようにしています。普段からちょっとした掃除を積み重ねていれば、年末の大掃除は必要ありません。食器棚は、新しい食器が増えたタイミングとか不定期に拭き掃除をするくらい。掃除にもメリハリは大切ですよ」

7. 空間を整える

Photo by 合田和弘

「掃除するということは、空間を整えるということ。そして空間を整えることこそ、ゆとりある暮らしにつながるんです。例えば、ハサミが使いたいときに片付いていないと探す時間がかかるでしょう。でも整っていれば、すぐに使える。生活のスピードが上がります。

自分自身も同じで、スケジュールが詰まっていたら受けたい仕事がきても受けられませんよね。空間を整えることで生まれるゆとりは、生活のすべてにつながっていると思います」

できることから実践。無理なく、シンプルに

Photo by 合田和弘

ガラス作家/イイノナホさんのオーダーメイドシャンデリア「Balloons」。引田さんお気に入りのインテリア。一番人の目に触れる玄関に設置したが、自身でもリビングのソファーから眺められるよう、ドアを十の字のガラス張りに
引田さんが長い時間をかけて見出した、心と暮らしに余裕を持つコツ。それは、シンプルに整えて、柔軟に考えを変えていくことだそうです。つい「絶対にこうしなきゃだめ」「こうあるべき」と自分にプレッシャーを与えがちですが、それこそがゆとりを失う大きな原因なのかもしれません。

最後に「焦ったりしんどいときは息が浅くなっているので、胸を張って大きく深呼吸すると良いですよ。空間と同じで、身体の中にも多くを溜めこまないようにすることが大切です」と教えてくださった引田さん。

ちょっと余裕がないなと思ったときは、まずは大きく深呼吸をして。ご紹介した内容をすべて取り入れようとせず、できるところから実践してみてみると良いかもしれませんね。
取材・文/鎌上織愛
撮影/合田和弘
※本記事の取材および撮影は2022年1月21日におこないました。撮影時のみ一時的にマスクを外していただきましたが、スタッフ一同、コロナウイルス感染予防の対策を十分に講じたうえで撮影に臨んでおります。
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