ライター : 松 宏彰(カレー細胞)

カレーキュレーター

埼玉・東京の名店が集結!マニアが惚れた、川越のおすすめカレー【カレー最前線 #19】

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

川越のシンボル・時の鐘
歴史ある街並みが魅力の小江戸・川越、最近ちょっと面白いことになってきているんです。

古い建物をリノベーションしたおしゃれなカフェが増え、「川越コーヒーフェスティバル」が開催されるほどの盛り上がりを見せています。

また、川越が誇るクラフトビール「COEDO(コエド)ビール」が飲める粋な飲み屋もあちこちに。名物スイーツも続々登場し、グルメ観光にぴったりの街になっています。

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

そしてさらに面白いのがカレー。埼玉や東京の名店と呼ばれるお店が次々と川越に集結、古都の風情にしっかり溶け込んでいるんです。街を歩きながら食べられるワンハンドタイプのカレーも登場。お休みの日に、川越で着物をレンタルしてカレー梯子をしてみませんか?

東京都内で本当におすすめのカレーまとめはこちら▼

1. 川越を代表する老舗カレー店「ぽか羅」

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

川越の名物カレーといえば、まず最初に挙がるのがこちら。国分寺で1986年創業、2012年に川越へと移転し、いまや川越を代表するカレー店となりました。

店内には国分寺時代からの調度品もあり、老舗の雰囲気抜群。壁には国分寺時代のお店の絵が飾られているのですが、実は国分寺店閉店の頃に常連だった、スタジオジブリの方が描いてくれたものだそうです。

こちらのカレーのコンセプトは、「インド(もしくはネパール)風」と「欧風」の融合。肉や野菜、スパイスなどの食材にこだわったカレーライス。実際メニューには、コフタ(インドの肉団子)がある一方でハンバーグカレーやマーボー豆腐カレーまで自由自在。要チェックです。

梅チキンカレー(小ライス/辛口)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

900円(税込)
創業時の味を守るチキンカレーに、梅干しを組み合わせたひと皿。いまでこそ「和」の要素をカレーに取り入れるお店も増えましたが、これはその先駆的存在といえます。

サラサラで少しとろみあるチキンカレーは、胃袋にスッと染み渡る癒しの味。そこに梅干しの酸味が加わるわけですが、どこかお茶漬けのような風合いもあって最高なんです。

辛さやライスの量は選択可。辛口といってもピリ辛程度なので、これくらいがちょうどいいかな。

チキンビリヤーニ

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1,000円(税込)
なんとお店には、最近流行りの「ビリヤーニ」まであるんです!しかも昔から……といっても、インド現地のビリヤニとはまったく異なる完全オリジナル。

日本の喫茶店ドライカレーにチキンカレーがたっぷりかかっているものなんです。マニアックな見方をすれば、ミャンマーのビリヤニ「ダンパウ」に似ていますが、たまたまでしょう。いわば川越式ビリヤニ

ドライカレー部分にはカシューナッツ、しめじ、パプリカ、ピーマン、玉ねぎが。上にかかったカレーには大振りなチキンがたっぷり。

お店の基本メニューであるチキンカレーとほぼ同等の作りながら、サラサラ仕立てのチキンカレーに対して、こちらは濃い目の仕上がりになっています。オーダーから少し時間がかかりますが、時折食べたくなる名作ですよ。
店舗情報

2. 大注目!週末のみの酒&カレー処「タベカレー」

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

毎週金・土・日のみ、カウンターメインの小さなイタリア料理店「Daily stand copoli(デイリースタンドコポリ)」を間借りし、旬の食材と地産の野菜を使ったインド料理的カレーを提供する、注目の間借りカレー店。

店主自身カレーをかなり食べ歩かれており、カレーファンのツボの押さえ方は抜群です。

また、(ランチ営業にもかかわらず)お酒とのペアリングにも力を入れており、「コエドビール」が生でいただけたり、店主の故郷・会津の貴重な日本酒が入荷されたりと、スパイス呑み勢にもありがたいお店となっています。

知名度はまだまだこれから。いまのうちにチェックしておくべし!

2種盛

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1,600円(税込)
その日のカレー2種に副菜がついたセットターリー。この日のカレーは「こがしキーマ+牡蠣カレー」、副菜は「じゃがいもとさつまいものサンバル」「大根のラッサム」でした。

オプションもなかなか面白くて、この日は「酒アテ!シュッキボルタ」(税込200円)と「黄金トウガラシアチャール」(税込100円)を追加してみました。

驚くことに、さつまいもも、大根も、さらに黄金トウガラシまで地元産とのこと。しかもラッサムの隠し味にも川越産ハバネロを使用。地産地消の取り組みが素晴らしいのです。

この店の定番にあたる「こがしキーマ」はパラっとしたスーパードライな食感と、モフッと濃厚な旨味が魅力的なひと品。埼玉が生んだ名作カレーとして名高い「negombo(ネゴンボ)33」のラムキーマカレー(後述)のレシピが基になっているそうです。

そのほか、素材の旨さが存分に生かされた牡蠣カレー、酒に合うシュッキボルタ(ベンガルで食される干し魚の佃煮のようなもの)、めちゃ辛い黄金トウガラシの旨味をナンプラーで引き出したアチャールなど、楽しい品々がたくさん。カウンター席なので、店主から料理の説明を聞くのも楽しいですよ。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ