ライター : 桑原恵美子

フードライター

秋田県生まれ。34歳で編集業界に入り、44歳でフリーライターデビュー。「日経クロストレンド」でトレンド系取材記事、「ぐるなびdressing」で料理店取材記事、「PETomorrow」(小学館)…もっとみる

植物だけで作ったスープカレーが話題、「ウィーアーザファーム 赤坂」

Photo by macaroni

こだわって育てられた野菜を手軽に食べたい……そんな悩みに寄り添ってくれる、オーガニックレストラン「WE ARE THE FARM(ウィーアーザファーム)」。自社運営の「在来農場」で栽培した野菜を生かした料理が、大人気の一軒です。

無農薬・無化学肥料、かつ露地栽培にこだわり、年間約200種類の固定種(昔ながらの伝統的な育種)を育てています。

そんなレストランが昼のみで始めた「スープカレー」が、じわじわ人気を集めています。

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1,320円(税込)
こちらが「固定種野菜のスープカレー」。なんと、肉を使わずに作られた“プラント(植物)ベース”のカレーなんです。

ちなみに、「ヴィーガン」が動物性のものを取り入れないライフスタイルを指すのに対して、「プラントベース」は植物性由来の食べ物を中心とした食事法を指します。

スープカレーはサラサラでとろみがない分、肉の濃厚な出汁が効いていないと、満足感がないように思えてしまうのですが……。

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その不安は、ふわっと鮮烈なスパイスの香りで吹き飛びました。スープだけをまず味わうと、最初は穏やかながら、じわじわと辛みが広がってきます。そして辛さの奥に感じられるのが、驚くほど濃厚なコクとうまみ、そしてまろやかさ

そんなスープをご飯に染みこませると、おいしさが倍増。もうスプーンが止まりません!

作っているのは、5年間ほぼ毎日スープカレーを食べる若手スタッフ

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このスープカレーを作っているのは、ホールスタッフとして働いていた弱冠23歳の花岡理子(りこ)さん(写真上・左)
「じつは、どういうお店か知らずにアルバイトに応募したんです(笑)」と話す理子さんは、“超”がつくほどのスープカレー好き。5年前に北海道旅行でスープカレーに出会って衝撃を受け、それ以来ほぼ毎日食べているというから驚き。

その噂を聞きつけたのが、同店オーナーで「在来農場」農場長を務める寺尾卓也さんと芙美さん夫妻(写真上・右と中央)。自社の野菜を使ったスープカレーをお店で出してみたら?と提案しました。

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メニュー開発で一番苦労したのが、やはりコクの出し方だったそう。

「ドロッと感がないと、みそ汁のようになってしまうんです。カレーならではのコクを感じさせるにはどうすればいいのか……うまみなのか、スパイス感なのか、試行錯誤しました」(寺尾卓也さん)

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詳しくは企業秘密とのことですが、ココナッツミルクやピーナッツバターなど植物の油分を使うことがポイントになったそう。またスパイス使いに関しても、プラントベース特有のコツが。

「お肉ベースのものと違い、プラントベースのスープに多種類のスパイスを使うと、雑味や苦みに変わることがあるんです。なので、カレーらしさを感じさせるスパイスのみに絞って使っています」(理子さん)

こだわりの野菜は、15種類以上トッピング!

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このスープカレーのもうひとつの魅力が、たくさんの自家栽培野菜がトッピングされていること。「在来農場」自慢の野菜を油で揚げることで、野菜本来の甘みや香り、食感が楽しめます。ざっと確認できただけでも、以下のような顔ぶれ。

ズッキーニ、スナップエンドウ、ベビーコーン、新玉ねぎ、紫キャベツ、カリフラワー、舞茸、ケール、パクチー、パクチーの根、トウモロコシのヒゲ、イタリアンパセリ、里芋

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適度な食感を残した揚げ具合がお見事な野菜たち。パクチーの根のフライや、ケールの茎のフリットなど、新たな出会いも楽しめます。

露地栽培の野菜のみを使っているので、一年中採れるケール以外はその時々で変わります。

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また、「お肉なしでも大満足」な理由のひとつが、この厚揚げ。甘辛いしょうゆベースのタレで煮込んでからカレーに染み込ませており、お肉に負けないうまみとボリューム感が楽しめます。

プラントベースは、「もっと野菜を食べるのもいいよ」という選択肢

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メニューには「チキンレッグスープカレー」や「角煮スープカレー」「豚しゃぶスープカレー」もあり、「固定野菜のスープカレー」にお肉のトッピングも可能。

ヴィーガンやベジタリアン向けのお店と違って、お肉が好きな人ともいっしょに食べられるのが嬉しいですね。

「私たちは決して『肉を食べるのをやめましょう』と言いたいわけではないんです。健康のために、1食でもいいから野菜だけの食事にするという選択肢があることを知って欲しいだけ」(寺尾芙美さん)

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スープカレーに込めた想いを記した、理子さんお手製のメニューブック
「環境に良い作り方をすると、野菜は自然においしくなるんです。環境にもいいし、人間も嬉しいのだから本当に幸せなことですよね。

世界中の人が環境に良い作り方をした野菜を食べて幸せになれば、そこから生まれるものがあると思うんです。このスープカレーが、そうしたことに気づくきっかけになれば嬉しいですね」(寺尾卓也さん)
店舗情報

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WE ARE THE FARM(ウィーアーザファーム) 2014年に1号店がオープンした、次世代型オーガニックレストラン。「身土不二」「一物全体」をテーマに、在来農場で育った本当の旬野菜のおいしさを提供しています。赤坂店を含め、都内に6店舗を展開
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