「湯がく」とは違うの?

湯がくは短時間でさっとゆでることや、熱湯にしばらく浸けておくことをいいます。野菜のアク抜きなど、下ごしらえの時に使う言葉で、中央部分がやわらかくなるまで煮る意味のゆでるとは違います。湯通しは、下ごしらとして、熱湯にさっと通したり、湯をかけたりすることです。

「湯がく」と「湯通し」は似ていますが、「湯がく」は主に野菜類などに使う言葉で、臭みや油気を抜くために肉や魚などを熱湯に通すことは「湯通し(霜降り)」と言います。「湯通し」と同じ意味の言葉には、「湯引き」や「湯洗い」があります。

油通しとは?

中華料理でよく見かける「油通し」という行程がありますが、どういったものなのでしょうか?その名の通り、素材を油で揚げることです。揚げると言っても、唐揚げのように数分程度ではなく数秒〜数十秒程度で十分です。温度も一般的な揚げ物よりは低めで、だいたい100度から140度位です。 それでは、油通しは何のためにするのでしょうか?どのような目的なのでしょうか?

1. 食感

これは特に野菜を調理する際に重要です。油通しをしないで炒めると、出てきた水分が鍋の底にたまり、軽くゆでられた状態になります。そのため野菜はクタッとしてしまい、独特の食感が失われてしまいます。

それに対して油通しをした場合、外部に出てきた水分は、100度を超える油の中に浸されることにより、瞬時に蒸発します。そのため油通しをした後に、鍋で食材を炒めた時にも、余分な水分が出てこず、野菜の食感が保たれるようになります。

2. 味

油で軽く揚げる事により、素材の持つ旨味や下味が外部に逃げることなく、調理することができます。タンパク質の凝固温度は一般的に60度ぐらいですが、たくさんの素材を炒めると、いち時的に鍋の温度は下がってしまい、肉の旨味が外部に逃げてしまうことになります。

油通しをして短時間でタンパク質を凝固させることで、肉の旨味を閉じ込める、というアイデアが生きています。

3. 見た目

油通しをすることにより艶が出て、見た目にも大変おいしそうな料理ができあります。 そのまま炒めるよりも、一手間必要になりますが、その一手間が料理をおいしく見せてくれる効果があります。

「湯通し」の意味を理解して料理上手!

今までなんとなく覚えていた知識が正確なものになることって嬉しいですし、人にも教えられたりもして、得した気分になりますよね!ぜひ、この記事を参考に、「湯通し」、「湯がく」、「ゆでる」の意味をきちんと覚えていってくださいね。意味を正しく理解することで、今までの料理よりも少しレベルアップした仕上がりになるかもしれません!
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