ライター : ☆ゴン

ケバブってなんの肉なの?

駅の近くや繁華街にお店があったり、ワゴン車で移動販売していたりと、最近見かけることが多いケバブ屋さん。お祭りのときに、屋台で販売していることもありますよね。そんなケバブがいま、若い人を中心に人気。

スパイシーな肉がおいしいと、評判店では行列ができるほどの盛況ぶりです。買ったことがなくても、大きな肉の塊りがぶら下がっているのを、カウンター越しに見たことがある人も多いはず。

あの大きな塊りはなんの肉で、どういう料理なのでしょうか?そんなことが気になるケバブの発祥についてや、代表的なメニューをいくつか紹介します。

ケバブはラム肉を使うトルコ料理!

ケバブの発祥は、西アジアと東ヨーロッパにまたがる、トルコとその周辺地域です。ケバブとは本来、肉や魚、野菜をローストする料理全般を指す言葉。しかし肉のローストが圧倒的に多いため、いまでは肉料理の代名詞になっています。

肉の種類は昔は羊肉(マトンやラム肉)がメインでしたが、いまは牛肉や鶏肉も使用。とくに日本ではクセのある羊肉よりも、牛肉や鶏肉のケバブが好まれる傾向があります。

豚肉を使わない理由

日本では牛肉や鶏肉と並んで、豚肉がよく食べられています。豚肉は価格がリーズナブルでおいしく、広く普及している食材。なのにケバブで豚肉がないのは、どうしてでしょうか。トルコ料理のケバブで豚肉を使わないのは、宗教上の理由が関係しているのです。

中東地域に位置するトルコは、国民の99%がイスラム教徒。イスラムの教義「コーラン」では、豚は不浄の動物とされ、食べることを固く禁じています。そういう理由から、トルコをはじめイスラム教徒が多い国では、豚肉が料理に使われることがないのです。

大きな肉の塊りの正体とは...

厨房にある大きな肉の塊りは、ぶら下がっているように見えますが、正確には下に受け皿がある太い串に刺した状態です。そして塊りは、肉のひとつの部位丸ごとではなく、味付けした薄切り肉、またはブロック状の肉を一段ずつ重ねて積み上げたもの。

そのため肉のどこを切っても、いつもスパイシーでおいしい香りが漂い、思わずお店の前で足を止めてしまいます。

ドネルケバブについて

すでに紹介した大きな肉の塊りを、ドネルケバブと呼びます。ドネルとはトルコ語で「回転する」という意味で、その名のとおり肉の塊りを回転させながら、縦型グリルで焼くさまは壮観。このグリルはトルコの伝統的な調理器具で、19世紀末にはすでにあったとされます。

使用する部位や調味料はお店ごとに違いますが、焼くときはコクが増すように、肉の間や上部に牛脂をはさむことが多いとのこと。

レストランでは皿で提供されますが、持ち帰りにはバゲットやピデというパンではさむか、トルティーヤに似た生地で巻きます。日本ではほとんどの場合、テイクアウトが一般的ですね。

シシケバブについて

シシケバブはトルコ料理の代名詞ともいえる、伝統ある料理で、シシとは「串」という意味。本場ではおもに羊肉が使われ、最近では牛肉や鶏肉も使用されるそうです。

日本では肉と野菜を交互に刺したものが多いですが、トルコのレストランではそれぞれを別の串で焼くのが一般的。このシシケバブが、中東や東欧などにある串料理の原点だとする説もあります。

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