ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

しりとりの最難関「る」

日本の伝統的な言葉遊びのひとつ、「しりとり」。人数さえ集まればどこでもできることや、「ん」で終わる言葉を言った人が負けという大まかなルールしかないため、手軽にできる遊びとして古くから日本人に親しまれています。 一生懸命その文字から始まる言葉を考えることから、脳にもよい刺激になるとして、医療関係者の間でも注目されているそうですよ。 ですが、当たった文字によってはなかなか言葉が出てこず、ボキャブラリーには自信がある人でもまったく言葉が出てこなかったという場合もありますよね。そんななか、最難関の文字ともいわれているのが「る」です。特に、食べ物に限定すると、すぐに何か思いつくという人はそうそういないのではないでしょうか。 そこで、しりとりで絶対勝ちたい人必見!今回は、しりとり最難関の「る」からはじまる食べ物についてご紹介します。

実はこんなにあった!「る」から始まる食べ物

今回は、聞いた事がありそうだけどなかなか思い出せない、「る」から始まる食べ物をたくさん集めてみました。これを全部覚えれば、しりとりに自信を持って臨めますよ。 それではさっそく見ていきましょう。

ルイベ

ルイベとは

まずは、北海道の郷土料理「ルイベ」です。何となく聞いたことはあるけれど、実際のところどういう料理なのか分からないという方も多いのではないでしょうか。 ルイベとは、魚介料理の一種で、冷凍保存して凍った魚のままの状態で味わう料理のことを言います。もともとはアイヌ料理の一種で、アイヌ語の「ル・イペ(融けた食べ物)」に由来すると言われているそうです。 「凍らせるだけなら家でもできるのでは?」と思われがちですが、ルイベの製造に推奨されている冷蔵庫はマイナス20℃以下の業務用のものとされています。一般的に家庭用のものはマイナス10℃前後にしかならず、これでは寄生虫は死滅しないため、自宅でのルイベ作りは控えてくださいね。

ルイベの食べ方

秋から初冬にかけて捕獲した鮭を雪に埋めて冷凍保存し、食べる際に凍ったまま刀で切り分け、火で炙って融けかけたところで塩をふりかけて食べていたようです。冷凍することで保存性が高まるだけでなく、寄生虫の発生も防げるとして、寒いアイヌでは重宝された保存方法でした。 さらに、冷凍したときに水分が抜けることで脂も落ち、魚介類独特の脂っぽさやニオイも落ちることから普及していった食べ方のようです。 北海道の郷土料理としては鮭がもっとも有名ですが、このほかにもニジマスやヒメマス、イカの沖漬けなどもあるようですよ。刺身のように薄く切り、わさび醤油で食べるのがおすすめです。

瑠璃煮(るりに)

あまり聞いたことがなく、「どこかの郷土料理?」と思う方もいるかもしれませんが、「瑠璃煮」とは、茄子の色(瑠璃色)を活かした煮方で、和食の伝統的な方法のひとつです。この製法で調理された茄子を「瑠璃煮茄子」と言い、「茄子の色煮」と表現することもあるそうですよ。 瑠璃色とは、紫色をおびた紺色のことを言い、瑠璃煮は茄子をミョウバン水に浸して下処理したり、短時間で煮上げて作ることが多いようです。ほかの食材ではなかなか出せないキレイな色合いですよね。

瑠璃煮の方法

1. 出汁に塩を少し加えて冷ます。
2. 茄子を2つ割りにして皮に包丁で目を入れていく。
3. ミョウバン水に塩を足して約1時間「色止め」をおこなう。
4. 薄く作った味噌汁の上澄み汁でさっと煮る。
5. 軽く水気を絞り、1の出汁につけて味をしみこませる。
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