ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

食物繊維について

食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類が存在します。ここでは、それぞれどんな特性があるのか見ていきましょう。

水溶性食物繊維について

水に溶けてゼリー状になる食物繊維を「水溶性食物繊維」と言います。果物や海藻類に多く含まれている栄養素です。

水溶性食物繊維は、コレステロールやナトリウムの排出を促すほか、小腸において栄養素の吸収スピードをゆっくりにする作用があります。食後血糖値の急上昇を抑えるのに役立つため、食前に摂るのがおすすめです。(※1)

不溶性食物繊維について

水に溶けにくく、水分を吸収する性質がある食物繊維を「不溶性食物繊維」と言います。野菜や豆類、きのこなどに豊富です。

不溶性食物繊維の主な作用は、便の量を増やして大腸を刺激し、スムーズな排便を助けること。便秘気味の方は、積極的に摂りたい栄養素です。

不溶性食物繊維・水溶性食物繊維は性質が異なりますが、どちらも腸内の善玉菌のエサになります。腸内環境を整えるのに役立ちますよ。(※1)

食物繊維の上手な摂り方

水溶性・不溶性をバランスよく摂る

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は性質が異なるため、どちらもバランスよく摂ることが大切です。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を、1:2の割合で摂るのが理想的。

野菜には不溶性食物繊維が多く含まれているため、水溶性食物繊維が豊富な海藻や果物と組み合わせて摂りましょう。不溶性食物繊維を過剰に摂ると、便が固くなるおそれがあります。(※2)

野菜を加熱して食べる

食物繊維の摂取量を増やすには、野菜をたっぷり食べることが大切です。「健康日本21(第二次)」では、野菜を一日に350g以上摂ることが目標とされています。

野菜を無理なく摂るには、スープや煮物などにするのがおすすめ。キャベツやレタスなどの葉物野菜に火を通すと、カサが減って食べやすくなりますよ。(※3)
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