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ナポリタンの発祥・横浜「ザ・カフェ」に聞く、誕生秘話とおいしく作るコツ
「ケチャップで味付けした洋食屋のメニュー」というイメージがあるナポリタン。ところが、発祥とされる「コーヒーハウス ザ・カフェ」のそれは、まったくの別ものなんです。これを知ったら、きっとナポリタンの概念が変わってしまうはず。
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ナポリタンの発祥、横浜「ホテルニューグランド」
横浜にあるホテルニューグランドは、1927年開業の歴史あるホテル。関東大震災後、大きなダメージを受けた横浜復興のため、外国人向けのホテルとして造られました。
ホテルニューグランドが、ナポリタン発祥のお店。ほかにも「シーフードドリア」、「プリン・ア・ラ・モード」が生まれたのもこのホテルなんです。
ホテルニューグランド広報担当・横山さんと、提供店舗であるコーヒーハウス「ザ・カフェ」6代目料理長の長谷(ながたに)さんに、ナポリタンの誕生秘話とレシピについて伺いました。
ホテルニューグランド広報担当・横山さんと、提供店舗であるコーヒーハウス「ザ・カフェ」6代目料理長の長谷(ながたに)さんに、ナポリタンの誕生秘話とレシピについて伺いました。
「スパゲッティ ナポリタン」は、なぜ誕生した?
開業当時、パリの3つ星レストランからシェフを呼び寄せたそう。それが、スイス人シェフのサリー・ワイル氏で、ホテルニューグランドの初代総料理長を務めました。
料理の技術や味はもちろんのこと、「アラカルト」のシステムや「調理人の衛生概念」を根付かせ、日本に西洋料理を広めた人物と言われています。「シーフードドリア」を生み出したのも、ワイル氏です。
そんなサリー・ワイル氏の弟子が、二代目総料理長の入江茂忠シェフ。第二次世界大戦後、ホテルはGHQに接収(※)され高級将校の宿舎として利用されており、その際に軍用食として大量にパスタとケチャップが持ち込まれました。
※接収……国や軍隊などの権力機関が、個人の所有物を強制的に取り上げること
料理の技術や味はもちろんのこと、「アラカルト」のシステムや「調理人の衛生概念」を根付かせ、日本に西洋料理を広めた人物と言われています。「シーフードドリア」を生み出したのも、ワイル氏です。
そんなサリー・ワイル氏の弟子が、二代目総料理長の入江茂忠シェフ。第二次世界大戦後、ホテルはGHQに接収(※)され高級将校の宿舎として利用されており、その際に軍用食として大量にパスタとケチャップが持ち込まれました。
※接収……国や軍隊などの権力機関が、個人の所有物を強制的に取り上げること
将校たちがパスタにケチャップをかけて食べていることを知った入江シェフが、「このパスタを、ホテルの料理としてふさわしい形で提供できないか」と考案したものが、「スパゲッティ ナポリタン」なのです。
発祥店のナポリタンは、ケチャップを使わない!?
「ナポリタンといえばケチャップを使うのが一般的かと思いますが、当店では違うんですよ」(横山さん)
ケチャップは完成された調味料なので、それだけで味が決まってしまいます。手間暇かけて作り上げるホテルらしいひと皿に、そして栄養価の高いメニューにするため、入江シェフは生のトマトやトマトペーストを使ったそう。
「ザ・カフェ」では、当時のレシピを忠実に守り続けています。
ケチャップは完成された調味料なので、それだけで味が決まってしまいます。手間暇かけて作り上げるホテルらしいひと皿に、そして栄養価の高いメニューにするため、入江シェフは生のトマトやトマトペーストを使ったそう。
「ザ・カフェ」では、当時のレシピを忠実に守り続けています。
ナポリタンが、愛されグルメになったワケ
「ナポリタン」という名は、戦前からフランス料理のメインに添えられていた「スパゲッチーナポリテイン」という料理にヒントを得た説が有力だそう。
また、日本でナポリタンが広まったのは、ケチャップが普及したからだと言います。
「同店のナポリタンソースは、とても手間暇かけてお作りしているため、ご家庭ではなかなか再現できないかと思います。ナポリタンが国民食として人気になったのは、パスタやケチャップが家庭に普及したからですね。そのおいしさと手軽さから、身近な料理として根付いたと言われています」(横山さん)
また、日本でナポリタンが広まったのは、ケチャップが普及したからだと言います。
「同店のナポリタンソースは、とても手間暇かけてお作りしているため、ご家庭ではなかなか再現できないかと思います。ナポリタンが国民食として人気になったのは、パスタやケチャップが家庭に普及したからですね。そのおいしさと手軽さから、身近な料理として根付いたと言われています」(横山さん)
ナポリタンを生み出したのは「ザ・カフェ」ですが、“ケチャップのナポリタン”を広めたのは横浜・野毛にある洋食店「センターグリル」。いまでもお互いに交流があり、尊重し合っているのだそうです。
発祥店のナポリタンの魅力と作り方
では、発祥店のナポリタンはどんなものなのか。ホテルニューグランドの料理に携わって33年、年間1万食以上作り続けている長谷シェフに伺いました。
―シェフにとって、ナポリタンはどのような料理ですか?
長谷さん(以下、長谷):いろいろな料理を作ってきましたが、33年変わらずに作り続けているのは「シーフードドリア」と「ナポリタン」だけ。先代から続いている味を変えずに作り続けなければいけないという意味でも、責任のある特別なメニューです。
ありがたいことに、お客様が「あの味が忘れられない」と求めてくださっています。だからこそ、歴史の重みと受け継ぐことの大切さを感じながら作っていますね。
―シェフにとって、ナポリタンはどのような料理ですか?
長谷さん(以下、長谷):いろいろな料理を作ってきましたが、33年変わらずに作り続けているのは「シーフードドリア」と「ナポリタン」だけ。先代から続いている味を変えずに作り続けなければいけないという意味でも、責任のある特別なメニューです。
ありがたいことに、お客様が「あの味が忘れられない」と求めてくださっています。だからこそ、歴史の重みと受け継ぐことの大切さを感じながら作っていますね。
―「スパゲッティ ナポリタン」は、どのように作られているのでしょう?
長谷:パスタ麺は前日にゆでて冷凍することで、もっちり感を出しています。ソースの核は、タマネギとフレッシュトマト・トマトの水煮・トマトペーストです。
タマネギとニンニクを焦がさないよう、アメ色になるまでオリーブオイルで炒めて甘みを引き出し、そこに数時間煮込んだトマトペースト、フレッシュトマト・トマトの水煮を合わせます。
具材は、ロースハムとマッシュルーム。最後にバターを入れて、香りとコクを加えています。
長谷:パスタ麺は前日にゆでて冷凍することで、もっちり感を出しています。ソースの核は、タマネギとフレッシュトマト・トマトの水煮・トマトペーストです。
タマネギとニンニクを焦がさないよう、アメ色になるまでオリーブオイルで炒めて甘みを引き出し、そこに数時間煮込んだトマトペースト、フレッシュトマト・トマトの水煮を合わせます。
具材は、ロースハムとマッシュルーム。最後にバターを入れて、香りとコクを加えています。
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