ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

葉酸とは

葉酸とはビタミンの一種であり、ビタミンB群に属します。ほうれん草やモロヘイヤなど、野菜の葉に多く含まれることが名前の由来です。水に溶けやすく、熱に弱い性質をもっています。

葉酸は、赤血球の生成に関わることから「造血のビタミン」と呼ばれることがあります。妊娠を希望する女性や、妊婦の方が摂るべき栄養素というイメージがありますが、そうでない場合でも健康の維持に必要な栄養素です。(※1,2)

葉酸の効果効能

貧血対策

葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球の細胞の形成をサポートし、血液を作るはたらきがあります。葉酸が不足すると、「巨赤芽球性貧血」という悪性の貧血につながるおそれがあるため、注意が必要です。

貧血対策といえば鉄が思い浮かびますが、葉酸も重要な栄養素。不足しないよう、積極的に摂取しましょう。(※1,2,3)

妊娠期の女性・胎児の健康をサポート

葉酸はDNAやたんぱく質の合成を促す作用があり、細胞の産生や成熟に深く関わるため、胎児の正常な発育に欠かせません。

妊娠に気づかない時期に葉酸が不足していた場合、胎児の成長に影響するおそれがあります。妊娠を計画する前から、葉酸が豊富な食品やサプリメントを摂り入れることが大切です。(※1,2)

肌荒れ対策

葉酸は、細胞の再生を助ける作用があります。葉酸をはじめとする「ビタミンB群」が不足すると、肌荒れや口角炎といった皮膚・粘膜の炎症につながるおそれが。葉酸だけでなく、ほかのビタミンB群を摂ることで、効率よく対策できますよ。

また、葉酸が豊富な緑黄色野菜には、コラーゲン生成に関わる「ビタミンC」が豊富。肌荒れ対策に役立つ栄養素を一度に摂れます。(※1,4)

骨の質を保つ

葉酸は骨の質を保ち、丈夫な骨を維持するうえで大切な栄養素です。骨の質を高めるには、骨に含まれるコラーゲンの結合を保つ必要があります。しかし、血液中に「ホモシステイン」というアミノ酸が増えると、骨のコラーゲンが劣化するおそれが。

葉酸は血中のホモシスチンを「メチオニン」に変える作用があります。ホモシステインの増加を抑えることにより、骨質の維持につながりますよ。(※1,5)

気分の落ち込みを対策する

葉酸は、ストレス反応に関わる神経伝達物質である「カテコールアミン」の合成に必要な栄養素です。カテコールアミンが不足すると、気分の落ち込み(うつ症状)が強くなる可能性があります。

実際に葉酸が不足するとうつのリスクが高まり、葉酸の摂取量が多いほどうつの症状が和らぐことが研究により明らかとなっています。(※6,7)
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