ライター : 桑原恵美子

フードライター

中野富士見町で異彩を放つ「小薇(シャウウェイ)点心」【編集部員が気になる店 #5】

Photo by emikokuwahara

お店があるのは、丸の内線の中野富士見町駅から徒歩1分のところ。駅前の橋を渡ると、すぐ前方にティファ二―ブルーが印象的な外観が見える立地の良さです。

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ちなみに看板の絵を描き、ロゴをデザインしたのは、このお店のオーナーシェフである小薇(シャウ・ウェイ)さんのお嬢さん。美大志望の高校生だそうですが、才能と母への愛を感じますね。

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店内に入りまず驚くのは、お店の約半分を占める広いオープンキッチン。フロアには4人掛けテーブルと6人掛けテーブルが各1卓。こぢんまりしているけれど高級感があり、どこか女性らしさを感じる設えです。

いま求められているのは、本当においしい家庭料理

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お店のオーナーシェフは、中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区出身の料理研究家・小薇さん。上海東方放送で人気アナウンサーだったという経歴も納得の、華やかな美しさです。来日後、語学教室の生徒にふるまった家庭料理が評判に。請われて料理教室を開くことになり、思いがけず料理の道に入りました。

新宿御苑前にあった中国料理店「Rose Shanghai Tokyo(ローズ シャンハイ トーキョー)」のオーナーシェフとして腕を振るったのち、会員制の中国料理サロンにて、マニアックな中国料理を提供していました。そんな小薇さんの料理観を大きく変えたのが、新型コロナウイルス(COVID-19)。

Photo by macaroni

「マニアックな料理を作ることも楽しかったのですが、今求められているのは、むしろ自宅でも食べられるクオリティの高い家庭料理だと感じたんです。もともと得意な点心を、ステイホーム期間でさらに磨きをかけるべく、連日研究を重ねました。」(小薇さん)

そして誕生したのが、中華まんシリーズ「小薇香包(シャウウェイ シャンパオ)」。テイクアウトを前提に冷凍販売しておりテイクアウト可能なので、家庭でお店と同じ味が楽しめる逸品です。

スープたっぷりなのに破れない理由は、小薇さんのみぞ知る!

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小薇さんがイメージしたのは、自分が幼い頃に大好きだった上海の屋台にある肉まん。中の餡は小籠包ばりに汁気たっぷりで、皮にも中のスープが染みだすほど。どれだけ皮にスープが染み出しているかが、餡の汁気の多さを知る目安だったそうです。

小薇さんはさらにそれを進化させ、中のスープが染みださない、特殊な皮を考案しました

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企業秘密の部分は見せていただけませんでしたが、包む姿を見て驚いたのは、中の餡の分量。「そんなに!?」と驚くほどの量を、包めるぎりぎりまで入れています。

また日本の肉まんの場合、ふわふわ食感にするために薄力粉を使っていますが、小薇さんのものは強力粉の割合が多いことが特徴。小麦特有の歯ごたえを味わう皮にしています。

爆汁を味わい尽くせ!食感豊かな肉まん

爆汁鮮肉香包(爆汁ポークまん)

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350円(税込)
せいろで蒸したての「爆汁ポークまん」をさっそくいただきました。皮はもちもちで、噛みしめるほどに小麦の甘さを感じます。

そして驚きの、たっぷり肉汁!まさに湧き出る泉のよう。これだけの量のスープが入っているのに、皮に少しも染みだしていないのが本当に不思議です……。

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もうひとつ驚いたのは、「これは肉まんというより、肉料理では?」と思ってしまうほどの肉のボリューム感。国産の黒豚肉を、挽かずに包丁で叩いて細かくしているそうで、この“肉感”を受け止めるには、歯ごたえある皮が必要であることを実感しました。

これまでの“肉まん観”がひっくり返るほどの衝撃的な味!そしてこれが1個、たった350円だなんて……!

動物性食材ゼロの「ヴィーガンまん」は、中国伝統の精進まん

旬野菜veganまん

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350円(税込)
お店では、「爆汁ポークまん」のほかに「クリーミーエビチリまん」「カスタードクリームまん」も販売していますが、注目は動物性食材を一切使わない「旬野菜vegan(ヴィーガン)まん」。

餡には、春菊・小松菜・チンゲンサイなどの葉野菜、干し椎茸、中国の精進料理で肉の代わりとされている押し豆腐を使用。うまみがありながらもさっぱりしています。
餡には、春菊、小松菜、チンゲンサイなど旬の国産葉野菜、干し椎茸、中国の精進料理で肉の代わりとされている押し豆腐を使用。肉が入っていないと思えないほどのうまみがあり、しかも野菜メインなのでさっぱり。クセになりそうな味わいです。

テイクアウトも、冷凍も、店内ランチ&ディナーも!

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「小薇香包(シャウウェイ シャンパオ)」シリーズは、店頭で冷凍した状態でも購入できるので、家庭で蒸したてが食べられます(保冷剤無料)。また、小薇さん手作りの上海家庭料理のテイクアウトも可能(メニューは店頭のボードほか、公式SNS参照)。テイクアウトできるご近所の方が、本当に羨ましい……!

ランチコースは3,180円(前菜3種盛り合わせほか8品)、ディナーは6,600円コースと11,000円コースがあります(どちらも税込・要予約)。
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