ライター : macaroni 編集部

監修者 : 龍 慶介

てしま農園 代表

教えてくれた人

てしま農園 代表 / 龍 慶介さん
自衛隊のパイロット、大手広告出版会社と異色の経歴を経て、10年前に農業の世界へ。“植物のプロとお客様をつなぐ”をコンセプトとした『てしまの苗屋』を立ち上げる。初心者の方に植物を育てることの楽しさを伝えたいと、苗の丁寧な育成はもちろん、購入される方への説明や相談にも積極的に対応。失敗しにくい苗の販売と育成に力を注いでいる。

植物への愛情たっぷりの龍さんに、9月のベランダ菜園におすすめの野菜&ハーブと基本的な知識やアドバイスをいただきました。

真夏の暑さが続く9月。ベランダ菜園でもしっかり暑さ対策を!

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龍さん:昔は「暑さ寒さも彼岸まで」といってお彼岸を過ぎるころには過ごしやすい気候になったものですが、近ごろは9月後半でも真夏のような暑さになる日もありますよね。

特にベランダで植物を育てる場合は、地面のコンクリートから鉢やプランターの底に熱が伝わり、土中の水分がお湯のようになってしまうことも。それにより苗が根腐れを起こすケースもあるので、9月にベランダ菜園をおこなう際は下記のような対策が効果的です。

・プランターと地面の間にスノコを敷き、熱伝導しにくくする
・日中に暑くなりすぎる場合は朝の水やりを控えめにし、14時以降に少しだけ水やりする
・すだれや遮光ネットなどを利用し、植物が日陰になる時間を作る

人が過ごせないほど暑い環境は、植物にとっても過ごしにくいもの。少しでも暑さを和らげる工夫をしてみましょう。9月は葉物野菜全般の植込みに向いているのですが、そのなかから特に育てやすい「九条ねぎ」と「ルッコラ 」についてご紹介します。

ベランダ菜園の9月のおすすめ野菜は「九条ねぎ」

九条ねぎって? 9月に植えるといい理由は?

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龍さん:九条ねぎといえば、京野菜というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。九条ねぎは、色が濃い太めのもの(黒種)や、枝分かれしやすい細めのもの(浅黄色種)など品種があります。どちらも京都の伝統的な野菜です。

風味が命のねぎですが、特に九条ねぎは風味が強く、抜きたて切りたてのワイルドな風味は、育ててこそ味わえるといえるでしょう。

九条ねぎに限らず、ねぎは刈り取りながら何度も収穫を楽しめます。暑さが少し和らいでくるこの時期に植えれば、寒くなって成長がゆっくりになる11〜12月までの間に、ある程度まで生育させることができますよ。

九条ねぎを上手く育てるコツは?

栽培に適した環境

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龍さん:前述したとおり、ベランダ菜園の場合はプランター(鉢)と地面の間に高さを出すため、スノコや木棚などで少しかさ上げしてあげると良いでしょう。基本的には日当たり、風通しの良い環境を好みますが、半日蔭でも十分育ちます。

植え付け方法

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龍さん:鉢植えでもプランター植えでも育成は可能ですが、横長の標準プランターのほうが育てやすいでしょう。ねぎはあまり深く根を張らないので、深さはそこまで必要ありません。

密集植え(届いた苗をそのまま植え替えること)もできますが、徐々に太くなることを考えると、少しほぐして5〜10本程度の束にして植え付けるとよいですね。

水のやり方

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龍さん:土の表面が乾いてから、たっぷりと水やりをします。植物は土が乾いていくときに根を伸ばすため、少し乾かし気味くらいで十分です。

初心者の方でもっともよくある失敗は、水のやりすぎ。"少し足りないくらい”を心がけると、ちょうどよいでしょう。
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