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タイ料理の先駆者『マンゴツリー』が提案する生米麺とは
タイ料理はすっかり日常の食のシーンに溶け込んでいる。その草分け的存在が『マンゴツリー』だ。
『マンゴツリー』はバンコク本店、ロンドン店に続いて、2002年に世界で3店舗目となる丸の内店がオープン。本格的なタイ料理が洗練されたスタイルで楽しめるとあって、たちまち人気店となった。
その後、タイ伝統の味を気軽に楽しめる『マンゴツリーカフェ』や『マンゴツリーキッチン』などが次々と首都圏でオープン。今ではすっかり日本のタイ料理シーンを牽引する存在だ。
その『マンゴツリー』で大人気メニューが、オリジナル生米麺「クイッティオ」を使った料理。同店では、スープ麺と、炒め麺「パッタイ」といったスタイルで提供。「こんなモチモチした食感は初めて!」「本場タイで食べた生麺が日本にもあるなんて!」といった声が続出。すっかりトリコになった人がリピーターとして通っているという。
東南アジアでは米麺は生を使うのが主流だが、日本では国内で生産されていないこともあり、アジア・エスニック料理店のほとんどで輸入された乾麺を使っている。新鮮で質の良い食材へのこだわりがある『マンゴツリー』では、これまで生のハーブ類や唐辛子を国内調達するといった取り組みを続けてきた。米麺も、乾麺とは味も食感も異なる生麺をなんとか提供できないかと考え、オリジナルの生米麺を作ることに思い至った。
生米麺「クイッティオ」の3つのおいしさの秘密
食べた人が驚く生米麺「クイッティオ」のおいしさには3つの理由がある。
一つ目は原料となる米だ。コシヒカリやササニシキなど日本にはおいしい米はたくさんあるが、実はこれらの米は米麺には向いていない。炊くと粘りが出ておいしくなる米は、アミロースと呼ばれる成分が低いのだが、タイなどで米麺に使われる長粒種米はアミロースが高く、炊くと粘りが少ないため麺にすると喉ごしのよい食感となる。そこで新潟県上越市の農家と協業して、長粒種米以上にアミロースが多く含まれた「越のかおり」を生産し、本場と同じ食感を持つ麺を実現した。
二つ目は本場と同じ製麺技術で作られていること。米麺は、注水しながら砕いた米で米汁を作り、その汁を蒸してシート状にして作るという日本にはない手法で作られる。これを実現するために、日本で唯一タイ製の製麺機を持つ工場に製造を依頼。試作を繰り返しながら、本場の麺にも負けないクオリティを持つ麺を作り上げた。
当初、日本に機械が1台しかなかったため、生産量もごくわずかだったが、独自にタイ式製麺機を開発・製造し生産ラインを増強。これにより生産量が飛躍的に増え、一部の系列店やイベントでしか提供できなかった生米麺が、今では『マンゴツリー』や『マンゴツリーカフェ』全店で味わえるようになった。
そして、最後のポイントはグルテンフリー。「クイッティオ」は麺のつなぎとして小麦ではなく、本場タイと同じく少量のデンプンを使用している。米100%ではザラザラした食感になるが、デンプンを使用することで、ツルっとしてモチモチした食感が実現。小麦アレルギーの人も安心して食べられるとあって、ホテルや中華料理店などタイ料理以外の業種からも注目を集めている。
名古屋や川崎にも新登場! 絶品、生米麺「クイッティオ」を味わってみよう
魅力いっぱいの生米麺は『マンゴツリー』および『マンゴツリーカフェ』のほぼすべての店で楽しめるが、2018年11月にオープンしたばかりの『マンゴツリーカフェ 名古屋ラシック』のメニューを例に紹介しよう。
『マンゴツリーカフェ 名古屋ラシック』は、中部地方では初店舗として名古屋一の繫華街、栄エリアにある『ラシック』8階にオープン。名古屋初出店にも関わらず、すでに知名度は抜群。オープンを待ちかねていた人たちで連日大盛況だ。
ファッションビルということもあり、女性も楽しめる人気メニューを少量ずつセットした「名古屋スペシャル」や、名古屋のあんかけスパゲティをイメージした「鶏のあんかけヌードル」(麺は小麦麺)などが用意されている。
生米麺を使ったメニューは「パッタイ」、スープ麺の「センレック ナーム」(写真上)、「センレック トムヤム」の3種類。「ナーム」は、鶏のうまみがきいたシンプルなスープで食べるヌードルで、辛いものが苦手な人にも食べやすい。米どころ新潟で作られた米を原料とした生米麺「クイッティオ」は、弾力のある食感だけでなく、麺そのものにもほんのり米の甘みが感じられ、あっさりスープとも好相性だ。
女性に人気だという「センレック トムヤム」(写真上)は、タイ料理を代表するスープ、トムヤムクンと生米麺を合わせた料理。トムヤムスープは、昨今のタイのトレンドだという牛乳仕立てでさっぱりとしており、辛みもまろやかだ。
生米麺「クイッティオ」は乾麺にはない魅力として、比較的麺がのびにくいという点がある。おしゃべりに夢中になっても、ツルツル、シコシコした歯ごたえが失われることはない。
2018年11月29日にオープンした『マンゴツリーデリ ラゾーナ川崎プラザ』ではデリとしてタイ料理を購入できる。「ガパオボウル」といった弁当類を販売する他、オリジナル生米麺を使ったパッタイやスープ麺のテイクアウトも可能だ。これまで業務用でしか販売してこなかった生米麺のみの販売も予定されているそうだ。
新潟県上越市の農家、タイ式製麺機で麺を作る提携製麺メーカー、そして『マンゴツリー』の3者が協業して生産している生米麺。少しでも日本の米の需要を活性化できたらという想いも込めて取り組まれている。
約4年前、生産を始めたばかりの頃は月産500kgほどだったが、今では月産10tの米麺を生産しているという。日本のエスニックヌードルもいよいよ生麺の時代が来るのかもしれない。
【メニュー】
▼『マンゴツリーカフェ 名古屋ラシック』
パッタイ 1,300円(ランチ1,150円)
センレック ナーム 970円
センレック トムヤム 1,200円(ランチ1,130円)
鶏のあんかけヌードル 1,050円
名古屋スペシャル 1,480円
▼『マンゴツリーデリ ラゾーナ川崎プラザ』
鶏のBBQグリル“ガイ ヤーン” 520円
豚のガパオボウル“ガパオ ムー” 800円
【オリジナル生米麺】海老のパッタイ“パッタイ クン” 900円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です
マンゴツリーカフェ 名古屋ラシック
上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。
マンゴツリーデリ ラゾーナ川崎プラザ
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