ライター : 馬原 香織

料理家/料理教室主宰/調理師

みりん大さじ1を代用する場合の分量一覧

酒類を使用しての代用パターン

代用パターン分量例(みりん大さじ1分)
日本酒+砂糖日本酒 大1+砂糖 小1
料理酒+砂糖料理酒 大1+砂糖 小1
日本酒+はちみつ日本酒 大1+はちみつ 小1/2〜2/3
白ワイン+砂糖白ワイン 大1+砂糖 小1
白ワイン+はちみつ白ワイン 大1+はちみつ 小1/2〜2/3

酒以外を使用しての代用パターン

代用パターン分量(みりん大さじ1分)
めんつゆ(3倍濃縮)+砂糖めんつゆ 大1 + 砂糖 小1/2〜1
甘酒+砂糖甘酒 大1 + 砂糖 小1/2〜1
水+砂糖+酢水 大1 + 砂糖 小1 + 酢 小1/4

調理師が教える!みりんの代わりになるもの

日本酒+砂糖

みりんの成分であるアルコールを日本酒で代用し、砂糖を使って甘みを出すという作り方です。アルコール度数も本みりんとほぼ同等で、風味も近くなるので一番おすすめしたい代用方法です。

日本酒:砂糖=3:1の割合で使用していきます。
代用方法
(大さじ1杯)
日本酒 大さじ1+砂糖 小さじ1
特徴風味もみりんに近くなる
プロも利用する方法
みりんではなくあえて紹介した作り方を取り入れているプロの料理人もいます。みりんを使わないからといって、料理の味が落ちるということもなく、きっちりとした仕上がりになりますよ。

料理酒+砂糖

自宅に日本酒がないという人におすすめの代用は、料理酒を使う方法です。料理酒:砂糖=3:1弱の割合で使用されることが多いです。
代用方法
(大さじ1杯)
料理酒 大さじ1+砂糖 小さじ1
特徴自宅ある調味料なので代用しやすい
代用しやすい反面、注意したいのは料理酒には塩や酢などが入っているため、日本酒に比べて塩味が強くなります

日本酒とは味が異なるため、料理に使う塩を控えたり、砂糖の量を加減したりして調整しながら代用してくださいね。

日本酒+はちみつ

日本酒をお持ちで照り感をより出したい方におすすめなのが、はちみつを使う代用方法です。
代用方法
(大さじ1杯)
日本酒 大さじ1+はちみつ 小さじ1/2〜2/3
特徴甘さに角がなくマイルドになる
日本酒+砂糖と同じ3:1と覚えてもよいですが、はちみつは砂糖より1.2~1.3倍ほど糖度が高いので、やや少なめに加えるのがポイントです。

アルコールを日本酒で補い、はちみつで甘さを加えるという考え方は砂糖の場合と同様になります。

また、はちみつを使うとみりんの持つ「照り出し効果」がより強くなり、より完成度の高い仕上がりになります。甘さも角がなくマイルドになるのが特徴です。

白ワイン+砂糖

日本酒が手元にない場合は、アルコール度数が近い白ワインでも代用可能です。白ワインを使う際は、辛口すぎず、甘すぎず、クセの少ないまろやかなタイプを選びましょう。
代用方法
(大さじ1杯)
白ワイン 大さじ1+砂糖 小さじ1
特徴日本酒よりもさっぱりとした後味
白ワインにはぶどう由来の自然な甘みが含まれているため、砂糖の量はやや控えめにすると、みりんの甘さに近づきますよ。

また、ワイン特有の酸味が加わることで、日本酒よりもさっぱりとした後味になります。和風の煮物などでは風味に違いが出る場合もあるため、料理によって使い分けるのがおすすめです。

白ワイン+はちみつ

白ワイン+はちみつの組み合わせでも、みりんの代用が可能です。余っているはちみつがある場合は、自然な甘みと照りを加える調味料として活用できるため、使い切りにもおすすめです。
代用方法
(大さじ1杯)
白ワイン 大さじ1+はちみつ 小さじ1/2〜2/3
特徴砂糖よりもまろやかでコクのある味わい
ややさっぱりとした風味になる
白ワインにはぶどう由来の甘みと酸味があるため、砂糖ではなくはちみつを加えると、よりまろやかでコクのある味わいになりますよ

はちみつを使うことで、みりんに似た照りやマイルドな甘味が出やすくなりますが、白ワインの酸味が加わるため、ややさっぱりとした風味になるのが特徴。

和風煮物や甘辛ダレに使う場合は、味見しながら甘味を微調整するのがおすすめです。

酒類以外でみりんの代用をする方法

みりんの代用は酒類と甘みのある調味料でおこなうのが基本。しかし、酒類が手元にない場合もありますよね。そんなときは酒類を使わない代用方法を試してみましょう。ここでは酒類なしの代用アイデアをいくつか紹介します。

めんつゆ(3倍濃縮)+砂糖

めんつゆも、みりんの代用として活用できます。めんつゆは本来、だし汁にしょうゆ・みりん・砂糖などを加えて作られた調味料のため、コクや旨味を手軽に補いたいときに便利です。
代用方法
(大さじ1杯)
めんつゆ 大さじ1 + 砂糖 小さじ1/2〜1
特徴コクや旨味を手軽に補いたいときに便利
とくに煮物や丼ものでは、めんつゆだけでも十分に風味豊かに仕上がるため、忙しいときや調味料をそろえるのが難しいときに役立ちますよ。

代用する際は、適宜水で薄めてから、必要に応じて砂糖やしょうゆなどを加えて味を調整すると、みりんに近い甘さやコクを出すことができます

甘酒+砂糖

甘酒も、酒類を使わずにみりんを代用したい場合におすすめの調味料です。
代用方法
(大さじ1杯)
甘酒 大さじ1 + 砂糖 小さじ1/2〜1
特徴アルコールを含まない
やさしい味わいに仕上がる
甘酒を使用する場合は、米麹のものを利用するのがポイントです。原料である米麹由来の自然な甘みと発酵によるコクがあり、みりんに近い風味を出すことができます

甘酒自体に甘さがあるため、料理によって砂糖の量を調整してくださいね。アルコールを含まないため、離乳食やノンアルコール調理にも適しており、やさしい味わいに仕上がります。

水+砂糖+酢

水と砂糖、酢を組み合わせることで、みりんの代用が可能です。この方法は、みりんの特徴である「甘み」と「照り」をシンプルな材料で再現できる点が特徴。
代用方法
(大さじ1杯)
水 大さじ1 + 砂糖 小さじ1 + 酢 小さじ1/4
特徴みりんを切らしたときの応急的な対応として便利
風味の再現性はやや控えめ
酢は照りを出す作用がありますが、入れすぎると酸味が立ちすぎるため、加熱によって飛ばす前提で使うのがコツです。

家にあるもので手軽に代用できるため、みりんを切らしたときの応急的な対応として便利ですが、風味の再現性はやや控えめ。他の調味料があれば、甘酒やめんつゆで代用がおすすめです。

どれを使えばいい?みりんの代用の選び方早見表

みりんの代用方法はいろいろありますが、種類が多くて「結局どれを使えばいいの?」と迷ってしまう方も多いはず。

そこで今回は、ご自宅にある調味料から選べるように、みりん代用の早見表を作成しました。どれが最適か迷ったときは、ぜひこの表を参考にしてみてくださいね。
シーン代用例おすすめ度
ポイント
日本酒がある日本酒+砂糖★★★
基本の代用
風味が近い
日本酒がない
料理酒はある
料理酒+砂糖★★☆
塩分調整が必要
甘さにコクを出したい日本酒+はちみつ★★☆
マイルドな甘さ
酒がないめんつゆ+砂糖★★☆
一番手軽
ノンアルコールで作りたい甘酒+砂糖★★☆
離乳食にも
家にあるもので即席水+砂糖+酢★☆☆
応急処置向き

みりんの役割についても知っておこう

みりんとは?

みりんは、もち米・米麹・焼酎を原料に、約40~60日かけて熟成させて作られる甘みのある調味料です。

料理に照りやツヤ、コク、上品な甘みを加える目的で、煮物やタレによく使われます。アルコールを含むため、臭み消しや味の染み込みといった調理効果も期待できますよ。

本みりんとみりん風調味料の違い

スーパーで見かける「みりん」には、主に次の2種類があります。

本みりん

・伝統製法で作られる本格的なみりん
・アルコール度数は約14%
・自然な甘みと旨味、深いコクがある
・臭み消しや照り出しなど、調理効果も高い
・値段はやや高め

みりん風調味料

・本みりんの味を再現した人工的な調味料
・アルコール分は1%未満でほぼゼロ
・甘さは強めで、安価で手に入りやすい
・煮物などに使えるが、臭み取りや本格的なコクはやや劣る

それぞれ含まれているアルコール度数や効果などにも違いがあるため、目的にあわせて使用するのがおすすめですよ。

みりんの主な役割と効果

みりんは、甘みだけでなく調理中のさまざまな作用によって、料理をよりおいしく仕上げてくれる万能調味料です。ここでは、意外と知られていない3つのはたらきを紹介します。

自然な甘みとコクを加える

みりんの甘さは、米や焼酎をじっくり発酵・熟成して生まれる自然な甘み。
砂糖のような単純な甘さではなく、料理にまろやかに溶け込む甘みと深みのあるコクを与えてくれます。

しかし、甘みの強さだけでは砂糖に劣るため、みりん+砂糖の併用でバランスのよい味付けにするのがポイントです。(※1)

肉や魚の臭みを抑える

みりんには約14%のアルコールが含まれており、このアルコール成分が食材の臭みを和らげる働きをします。豚肉やモツ、青魚など、臭みの出やすい食材には特に効果的です。

一方で「みりん風調味料」にはアルコールがほとんど含まれないため、同じ効果は期待できません。(※1)

料理に照りとツヤを出す

みりんの糖分は加熱することで膜を作る作用があり、料理にきれいな照りやツヤを出します。

「ブリの照り焼き」や「照り焼きチキン」が、見た目にもおいしそうに仕上がるのはこの効果によるものです。(※1)

みりんは代用してもおいしく仕上がる

料理中に調味料が足りないと、「失敗しそう、おいしく作れなそう」という不安から、ブルーな気持ちになりますよね。しかし、代用法があることを頭の片隅に入れておけば、ひと安心です。

どんなレシピもまずは基本の作り方からマスターするのが大切ですが、ときには冒険して、いつもと違う調味料で新たなおいしさを発見してみるのもよいかもしれませんね。
【参考文献】
(参照日:2025.06.11)
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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