ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

外食、内食に続く「中食」とは

みなさんは、テレビや雑誌で「中食」という言葉を聞いたことがありますか?外で食事をする「外食」と自宅で食事する「内食」に加え、新たに生まれた食のかたち「中食」。 今日はそんな「中食」にスポットを当てて、詳しくご紹介していきます。

「中食」とは

「中食(なかしょく)」とは、外食と内食の中間地点にあたる食事を指します。 こう聞くとデパ地下やスーパーのお総菜コーナーでサラダや揚げ物などを買って、お家で食べるイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。確かにそれも「中食」に該当しますが、実は中食の定義はとても広いのです。 単にデパ地下のお惣菜やコンビニのお弁当などを買って家で食べるだけでなく、デリバリーのピザを注文して家で食べることも「中食」に該当します。最近では宅配サービスで楽しめるメニューも多岐にわたり、中食の幅はますます広まっています。さらに普段のおかずやお弁当に活用している冷凍食品も「中食」にあたるんですよ。 これらに共通するのは、「家庭以外で調理された食品を持ち帰り、家で食べる」ということ。忙しいけれどちょっぴりリッチな食事を楽しみたいという現代人の志向にマッチしたスタイルです。

中食のメリット

Photo by Snapmart

中食の良いところは、なにより調理の手間がかからないこと。人目を気にすることなく、自宅で好きなタイミング・好きな格好で食べられるのも気楽で良いですよね。さらにお惣菜やお弁当を買ってくるなら、ふつうの外食よりコストを抑えられます。 イチから手作りすると手がかかる料理も、上手に中食を使うことで簡単に楽しめ、ちょっぴりリッチな気分で食事を楽しめますよね。

急成長する「中食産業」規模

一昔前、家庭以外で食事をできるところといえばレストランや居酒屋など、食のバリエーションは限られていました。しかし、バブル崩壊とともにお金のかかる外食を控える傾向になり、少しでも安く・手間の少ない「中食」という文化が定着してきました。 2018年、おにぎりやお惣菜、お弁当などの「惣菜市場規模」は、10兆2,518億円にも登ります。お惣菜市場は9年連続で規模を広げていて、前年にはついに10兆円規模の大台に足を踏み入れました。 働く女性やひとり暮らしの増加など、わたしたちを取り巻く時代背景が変わったこともあり、デパ地下、スーパー、コンビニ、弁当屋を上手に活用する方も増加。冷凍食品もお店顔負けの味で勝負してきています。 こうした世の中の変化に伴い、各食品メーカーや流通各社も趣向を凝らした中食戦略を展開しています。今後も共働き家庭やひとり暮らしの若い人、高齢者が増えることでどんどん中食産業は進化していくのではないでしょうか。

コンビニ各社も中食に注目!

中食ブームを受けて、コンビニ各社のお惣菜も充実。各社ともそれぞれのPB(プライベートブランド)製品に力を入れています。特に首都圏を中心に、都会では少人数家族、単身世帯が増えています。そのような方たちをターゲットにし、品揃えを意識した製品が多く見受けられるようになりました。

セブンイレブン

セブンイレブンではお手頃価格のお惣菜から高級PBまで幅広い層に向けた中食製品を取り扱っています。「セブンプレミアム」と称して高級PBをいち早く取り組んだのはセブンイレブンなんですよ。 なかでも、"お店で食べるよう"と話題を呼んだ「金のシリーズ」は変わらぬ人気ぶり。特に「金のハンバーグステーキ」、「金のビーフカレー」、「金のボロネーゼ」は価格帯が高いにもかかわらず、飛ぶように売れています。 また、最近ではセブンミールという宅配サービスもあります。こちらはインターネットで受取日前日の午前10時半までに注文すれば店頭での受け取りや、自宅へ無料配送してもらえるサービスです。
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