温かい蕎麦はいつから?

もり蕎麦のクラシックスタイルは江戸時代に始まった「ぶっかけ」でしたが、これでは冬場は冷え冷えとするので、やがて温かいつゆを掛けるようになります。これは特に冷え性が多い女性に喜ばれ、やがて現在のような丼スタイルの「かけ蕎麦」に進化して、さらに天ぷら蕎麦のような種物のバリエーションの展開につながるのです。

都内の老舗お蕎麦屋さんをご紹介!

永坂更科 布屋太兵衛(ながさかさらしな ぬのやたへえ)

信州の布商人であった堀井清右衛門が、江戸時代に麻布永坂町で開いたお店が「永坂更科 布屋太兵衛」です。戦時期の混乱もあって本家の堀井家は1941年(昭和16年)に廃業し、1948年(昭和23年)に馬場繁太郎という人が「麻布永坂更科本店」を開業。堀井家は1984年(昭和59年)に「総本家 更科堀井」を開店して本家筋を再興しました。 更科(さらしな)とは、蕎麦の実の中心を使った真っ白な「御膳蕎麦」。香りはほのかですが強い甘みが特徴で、江戸時代には大名屋敷や寺院などの御用達だったそうです。江戸蕎麦は辛口のつゆが定番ですが、更科にはあま汁が用意されています。

大阪屋 砂場本店(おおさかや すなばほんてん)

砂場の店名は、大坂城築城の際に砂置き場の前にお店があったことに由来します。初代の女将が糀町7丁目砂場に養女として預けられ、明治5年に虎ノ門大坂屋砂場として現在の地に店を構えました。山岡鉄舟や勝海舟らにひいきにされ、家宝の書も残されています。

近年、大掛かりな耐震工事を終えて、以前の雰囲気そのままにリニューアルしました。季節の変わりそば、白子そば、あられ(小柱)そば、アスパラ豆腐などほかの店では味わえない魅惑的な逸品ぞろい。

おいしくてヘルシーな、お蕎麦を楽しみましょう!

いかがでしたか?お蕎麦の世界は長い伝統に支えられて、少しむずかしい点もありますが、知ってみれば豊かで楽しいな世界が広がっています。 最近では女性の打ち手の方や、ワインを提供するお店も増えつつあります。天ぷらに白ワインとか鴨肉に赤ワインか、相性のよいマリアージュも楽しめます。お蕎麦デートとか、女子会の場として活用してみるとよいかもしれませんよ。
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