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海苔のあるなしは関係ない?
今では、もりそばとざるそばの唯一の違いと言っても過言ではない海苔ですが、もともとは海苔のあるなしは関係ないのでしょうか。
先ほど、明治時代のざるそばともりそばには圧倒的な違いがあるとお伝えしましたが、当時は高級品であるざるそばをより華やかに見せるため、ざるそばにだけ海苔をトッピングしていたそうです。
ですが、今ではざるそばのためだけのつゆを作るそば屋がほとんどなくなってしまったことから、その違いは海苔だけになってしまいました。しかし、必ずしも海苔が乗っているものがざるそば、乗っていないものがもりそばというわけではなさそうですね。
せいろそばとかけそばは?
もりそばとざるそばの違いについてご説明しましたが、もうひとつ気になるのが「せいろそば」と「かけそば」ではないでしょうか。
江戸時代に一回一回そばをつゆにつけて食べるのが億劫と感じるせっかちさんが急増して「ぶっかけそば」や「かけそば」という呼び方が普及したことはお伝えしました。
そのあと、幕末に今ではそばの器としてすっかりなじみ深いせいろが登場し、現在では「ざるそば」「もりそば」、そして「せいろそば」の3種類が冷たいおそばの呼び名として一般的になっています。
ちなみに、「かけそば」は現在では、具がない(もしくは天かすや薬味程度)温かいおそばを意味することが多いようですが、こちらもお店や地域によって異なるようです。
先にご紹介した3種類の冷たいおそばの呼び名も、どれで呼ぶかはお店次第なのだとか。ざるそばでも、のりがない場合もあれば、ざるに盛られているのに「せいろそば」と呼ぶこともあるのだそうです。
どうやらメニュー名だけでおそばを判断するのは難しいようですね。現代ではあまり明確な違いはなくなってしまったので、わからない場合はお店の人に聞いてみるのがよいかもしれません。
歴史的背景を知ればより一層おいしくなる!
もりそばとざるそばの違い、いかがでしたか。
昔は明確な違いがあった二種類のおそば。簡単にまとめると、元々冷たいつゆをつけて食べるそばを「もり」と呼び、そこから器に高く盛られているものを「もりそば」としていました。一方、竹ざるに盛るという当時では高級感のあるものを「ざるそば」と呼んでいたようです。
現在では、海苔以外あまり明確な違いはなくなってしまった両者ですが、このような歴史的背景を知ったうえでいただくおそばはより一層おいしく感じられそうですね。
日本の食べ物には、このような歴史的背景や、あまり一般的には知られていないうんちくのある食べ物がたくさんあります。さまざまな歴史やエピソードがあってなり立っている今の日本の食文化。ありがたくいただきたいですね。
▼全国にはたくさんのそばがある!
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