隠れファンが多い「ロシアパン」とロシアの関係って??
コンビニでも見かける“ロシアパン”は、いつの間にか私たちの身近なものになっています。古くからあるロシアパンですが、いったい日本にどのようにして定着してきたのか?ロシアとの関係は?そんなロシアパンのあれこれについて紹介します。
コンビニでよく見かける「ロシアパン」
「ロシアパン」とは、古くからロシアで食べられるパンを真似してつくられた菓子パンです。ロシアパンのかたちはコッペパンに似ていますが、コッペパンよりももう少し平たいかたちをしています。日本にある他のパンを比べてもとても大きく、ボリュームのあるパンです。食感はふわふわとしていて、生地自体がほのかに甘みのある味になっているのが特長です。トッピングにアイシングのシュガーがかかっているパンが一般的ですが、生地全体に黒糖を練り込んだパンなどさまざまなバリエーションがあります。
なぜロシア?名前の由来
ロシアパンは、「中村屋」から1909年(明治42年)に発売されたことが始まりです。本場ロシア人の職人によって作られたパンであり、当時から人気商品の1つでありました。ロシアの職人の名前はキルピデスといい、中村屋は1921年(大正10年)からロシアパンの製造・販売を本格的に開始します。1917年(大正6年)のロシア革命がきっかけに多くの職人がロシアをはなれ、キルピデスもその1人でした。
大正の日本では食文化も大きく変わりはじめ、和食が中心であったにも関わらず洋食が定着し、洋菓子が広がっていきました。その時代背景から、中村屋でもロシアパンの職人や洋菓子職人を雇い、業容を広げた結果、日本に広がりをみせたとされます。
さらに1923年(大正12年)に起こった関東大震災では、食べ物に困っている方に、パンを原価の値段で売り助けたことからも、安くてボリュームのあるロシアパンが知れわたり、徐々に人気を博してきたと考えられます。
大正の日本では食文化も大きく変わりはじめ、和食が中心であったにも関わらず洋食が定着し、洋菓子が広がっていきました。その時代背景から、中村屋でもロシアパンの職人や洋菓子職人を雇い、業容を広げた結果、日本に広がりをみせたとされます。
さらに1923年(大正12年)に起こった関東大震災では、食べ物に困っている方に、パンを原価の値段で売り助けたことからも、安くてボリュームのあるロシアパンが知れわたり、徐々に人気を博してきたと考えられます。
ロシアパンといえばヤマザキ
ロシアパンとして「山崎製パン(ヤマザキ)」は有名です。ヤマザキでは、創業当初の昭和23年からロシアパンを生産しています。ツヤのある生地に、真ん中にはマーガリンと砂糖がのっており丁度いい甘さから万人に愛されるパンです。ふわふわのしっとり感があり、その人気は今もなお続いています。
かつては大ロシアという商品も
1966年(昭和41年)には、ロシアパンよりさらに大きい「大ロシア」が大阪にて発売されました。大ロシアは幅25cm・長さ40cmに、重さ約450gという通常の菓子パンの約4.5倍の大きさです。ヤマザキの創業者である飯島藤十郎氏が自ら指示をして、「大ロシア」をつくり、爆発的に売れました。しかし、今では姿を見せることがなく根強いファンから「なぜなくなってしまったのか」とネット上で嘆く声も多くみられます。
カロリーの量はロシアゆずりの豪快さ
ロシアパンのカロリーは約540kcalであり、かなりカロリーの高いパンになります。大ロシアは、約1,264kcalと桁外れのカロリーです。ロシアではマヨネーズの消費量が世界一であることを示しているように、高カロリーのものが多く存在します。年間通して寒いロシアでは最低気温がマイナス20度を超える日もあり、カロリー消費が日本と比べ高いのです。こうした事も、高カロリーのものを食べる習慣の理由と考えられます。
ロシアにある代表的なロシアパン
ロシアの主食はパンです。ロシアはライ麦粉を原料としたパンであり、ここでは「黒パン」・「白パン」「イーストなし」と紹介しますが、他にもスタロドゥブスキーパンやボロディンスキーパンと多く種類があります。ロシアのパンは500年以上の歴史があり、ロシアとパンは切ってもきれない関係です。
白パン
ロシアの白パンは12世紀ごろから作られています。生地がしっかりと詰まっている少々固めのパンです。食感はベーグルと食パンの中間のような、しっとりの部分もありつつ口の水分がとられるようなボソボソ感もあります。昔はお金持ちしか食べることが出来ない白パンであり、市民が白パンを食べられるときは、大きな行事のみとされていました。今では一般的に食べられるようになった白パンです。その中でも「バトン」が有名であり、見た目はフランスパンのようなかたちをしています。
黒パン
黒パンの歴史は白パンより古く、ほぼライ麦を使用しているパンになります。特長としては、黒っぽいチョコレートのような色味に香ばしい香りある酸味の強いパンです。有名な黒パンとして「ボロジンスキー」があります。ボロジンスキーは地元の方から人気の黒パンです。朝から紅茶を飲みつつ、ボロジンスキーをかじるロシア流の食べ方をオススメします。
イーストなしのパン
イーストなしのパンは、修道院でつくられたのが始まりです。味は酸味がなく、ハーブが入っているため香りがいいパンです。固そうなイメージですが、麦芽と粉を混ぜ作られたパンは、長時間柔らかいことが特長です。ロシアでは、パンをそのまま食べるのではなく、「スープにつけて食べる」ことが一般的です。ロシアでは伝統料理の”ボルシチ”をはじめ、多くのスープの料理があります。パンのみで味を楽しむことはせず、スープにつけて食事を楽しむスタイルが多いです。
おわりに
いかがでしたか?ロシアパンは、ボリュームがある上に安くとても人気があります。パン本来の味を楽しめるというのは、ロシアの本場のパンに共通点していますね。「ロシアパン」もそのまま食べても美味しいですが、ロシアの習慣のようにスープにつけて食べる方法もぜひ試してみてください。