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新潟新発田市にオーベルジュ「Né」が誕生
2025年10月1日(水)、新潟県新発田市にオーベルジュ「Né(ネ)」がグランドオープン。昨年11月にひと足早くバレルサウナ「sui(スイ)」がオープンしており、すでに予約が埋まるほどの人気ぶりです。
「Né」は、日本語で「根」、フランス語で「生まれた」という意味。新潟の豊かな自然、食物、技術、人々の思いが、時を超えて連なり続ける「Né」では余剰資金を抱え込まず、この土地へ還元することを公言しています。
全13品のアルコールペアリング付きコースを体験し、スイートルームの客室や料理、空間の魅力を取材しました。本記事では、「Né」の世界を詳しくご紹介します。
「Né」は、日本語で「根」、フランス語で「生まれた」という意味。新潟の豊かな自然、食物、技術、人々の思いが、時を超えて連なり続ける「Né」では余剰資金を抱え込まず、この土地へ還元することを公言しています。
全13品のアルコールペアリング付きコースを体験し、スイートルームの客室や料理、空間の魅力を取材しました。本記事では、「Né」の世界を詳しくご紹介します。
サウナ施設「sui」の詳細はこちら▼
「Né」の布施シェフは料理を手がけるため、新潟へ移住
「Né」のエグゼクティブシェフ・布施真氏は、日本で基礎を磨いたのち渡仏し、パリで名匠クリスチャン・コンスタン氏や三つ星シェフ、アントワーヌ・ヴェスターマン氏のもとで研鑽を積みました。
帰国後は都内のレストランで料理長を歴任し、レシピ監修やメディアにも携わるなど活動の幅を広げ、2019年には「IWAI OMOTESANDO」を開業し、多くの食通を魅了しています。
その後、代表・熊谷幹樹氏との出会いを機に、「Né」の料理を担うため新潟へ拠点を移しました。
帰国後は都内のレストランで料理長を歴任し、レシピ監修やメディアにも携わるなど活動の幅を広げ、2019年には「IWAI OMOTESANDO」を開業し、多くの食通を魅了しています。
その後、代表・熊谷幹樹氏との出会いを機に、「Né」の料理を担うため新潟へ拠点を移しました。
土地を肌で感じる空間ではじまる、美食体験
これから食事を体験する「Né」のなかへ。広々としたテーブルや設置された椅子は、すべて新潟県のものだそう。
テーブルの中心には石と枯れ木があしらわれており、生まれたという意味を持つ「Né」を体現しています。
洗練されながらも、どこかほっと安らげる、まさに美食をいただくのにふさわしい空間。
テーブルの中心には石と枯れ木があしらわれており、生まれたという意味を持つ「Né」を体現しています。
洗練されながらも、どこかほっと安らげる、まさに美食をいただくのにふさわしい空間。
料理を通じて、この土地の美しさを形にしたい
布施シェフは「豊かな自然が失われつつある今、その恵みとともに育まれてきた食材や文化もまた姿を消そうとしています。だからこそ料理を通じて、この土地ならではの美しさを形にし、伝えていきたい」と語ります。
布施シェフが食材選びからレシピ、調理まで手がける料理は、ひと皿一皿に強い想いが込められています。
布施シェフが食材選びからレシピ、調理まで手がける料理は、ひと皿一皿に強い想いが込められています。
「Né」のコースには料理名はない。食べて感じる全13品ペアリング付きコース
何もない土地から芽吹いた「Né(ネ)」のはじまりを象徴するように、コースは枯葉を模したひと口からはじまります。時間をかけて色づいていく物語を、料理を通じて追体験していくような構成。
「はじめて新潟に来たのは冬で、あまりの食材の少なさに驚いたんです」と笑う布施シェフ。だからこそ「保存」という技術に可能性を見いだし、コース料理には発酵や乾燥といった工夫がされています。
このひと皿に添えられた2種のソースもまさにそう。右下は、近所の蕎麦屋さんが採った野鴨の胸肉をジャーキーにし、乳化させて仕上げた濃厚なソースで、左上は、乾燥させて戻したしじみを乳化させ、まるでマヨネーズのようなまろやかさを感じさせます。
乾燥させたパワーリーフや空芯菜の香りを引き立てるコクと、パリッとした食感。舌に広がる滋味深い余韻が、これから続く料理への期待を高めてくれます。
「はじめて新潟に来たのは冬で、あまりの食材の少なさに驚いたんです」と笑う布施シェフ。だからこそ「保存」という技術に可能性を見いだし、コース料理には発酵や乾燥といった工夫がされています。
このひと皿に添えられた2種のソースもまさにそう。右下は、近所の蕎麦屋さんが採った野鴨の胸肉をジャーキーにし、乳化させて仕上げた濃厚なソースで、左上は、乾燥させて戻したしじみを乳化させ、まるでマヨネーズのようなまろやかさを感じさせます。
乾燥させたパワーリーフや空芯菜の香りを引き立てるコクと、パリッとした食感。舌に広がる滋味深い余韻が、これから続く料理への期待を高めてくれます。
ひと皿目とは対照的に、2皿目は思わず息をのむほど色鮮やかなひと品。「手で持ってどうぞ」と布施シェフに促され、そのまま口に運ぶと、パリッとした軽やかな食感とともに、多彩な食材の風味や食感が一気に広がります。
野菜が何種類ものっているのに散らかることなく、見事にひとつの味わいとしてまとまっています。角形の小さなゼリーには、いちごやブルーベリー、あんず、ラズベリー、ぶどう、プラムなどの果実を使い、自家製のフルーツビネガーから仕立てられたもの。
ほどよい酸味とフルーティーな甘みが、全体をやさしく包み込んでいました。さらに食べ進めると、隠し玉のように現れる濃厚なペーストがあり、その正体は、猪の肉をベーコンにしてからジャム状に仕上げたという驚きのひと品。
力強い味わいながら野菜の持ち味をしっかり引き立てています。自然と笑みがこぼれる、遊び心に満ちた逸品でした。
野菜が何種類ものっているのに散らかることなく、見事にひとつの味わいとしてまとまっています。角形の小さなゼリーには、いちごやブルーベリー、あんず、ラズベリー、ぶどう、プラムなどの果実を使い、自家製のフルーツビネガーから仕立てられたもの。
ほどよい酸味とフルーティーな甘みが、全体をやさしく包み込んでいました。さらに食べ進めると、隠し玉のように現れる濃厚なペーストがあり、その正体は、猪の肉をベーコンにしてからジャム状に仕上げたという驚きのひと品。
力強い味わいながら野菜の持ち味をしっかり引き立てています。自然と笑みがこぼれる、遊び心に満ちた逸品でした。
養蜂家からいただいたという驚きの素材が繊細な料理へ
クリーミーでカリッとした食感、やさしく繊細な味わいの正体は、近所の養蜂家からいただいた蜂の幼虫をバターで揚げたもの。通常はニワトリの餌として使われるか捨てられてしまうというオスの幼虫が、ここでは見事にひと品の料理へと昇華しています。
皿の縁に添えられたしいたけと焦がしなすのピューレは、甘みとコクがあり、あっさりとした味わいのプリンと相性抜群。圧倒的な驚きと上品さを兼ね備えたひと皿でした。
皿の縁に添えられたしいたけと焦がしなすのピューレは、甘みとコクがあり、あっさりとした味わいのプリンと相性抜群。圧倒的な驚きと上品さを兼ね備えたひと皿でした。
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