「Né」の施工を担当した大工さんが釣った天然鮎もひと皿に

Photo by macaroni

コースの魚料理のひとつとして登場したのは、天然の鮎。「今は天然の鮎はとても貴重で、これはNéを施工した大工さんが釣ってくださったものなんです」と布施シェフ。

地域との結びつきから生まれた特別なひと皿です。タイムの香りが際立つ鮮やかなオイルと赤紫蘇と米のチップスが爽やかに香り、濃厚なソースと調和することで、鮎のほろ苦さが一層引き立ち、奥深い味わいを堪能できました。

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枝豆の香りがふわりと広がるメインの鹿肉ソテー。臭みは一切なく、凝縮した旨みを心ゆくまで堪能できます。添えられた黒にんにく味噌を合わせれば、味わいに奥行きが生まれ、また違った魅力を堪能できます。

鹿肉に加え、鴨肉のコンフィなども登場し、この土地の食材が布施シェフの手によって、特別なひと皿へと生まれ変わっていました。

デザートは3種類、素材を活かしきる贅沢なひと皿

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ラストのデザートは3種類で、その中でも特に心を奪われたのが、とうもろこしのアイスにきゅうりとミントのオイルを合わせたひと皿。桃の皮のシロップ漬けをトッピングすることで、パリッとした食感と華やかな甘みが重なり合い、口いっぱいに広がります。

とうもろこし本来の濃厚な甘みを生かしたアイスは、ひんやりとなめらかに溶け、そこへミントの清涼感が重なることで、驚くほど完成度の高いひと皿に。計算され尽くしたバランスの良さ、ひと口食べるごとにため息がこぼれるほどでした。

最後はいろいろな果実のジャムとたんぽぽコーヒーで

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コースの最後を飾るのは、枝に見立てたプレッツェルと、果実が枝から実り落ちる様子を映し出す色とりどりのジャム。合わせていただくのは、シェフ自ら収穫したたんぽぽの根を焙煎して淹れる、香り高いたんぽぽコーヒーです。

ほどよい苦みとすっきりとした後味が心地よく、カフェインレスなのも嬉しいポイント。枯葉から始まり、実りへと至る……ひとつの物語を体験するようなコースを通して、ただおいしいだけではない “食べて感じる料理” を堪能できました。

美食のあとは、唯一無二の家具が彩るスイートルームで心安らぐ滞在を

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「Né」の滞在コンセプトは「根と土と」。建物には一切コンクリートが使用されておらず、新潟県産の土と木だけで構成されていますが、こだわりは建物だけにとどまりません。

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スイートルームには、この部屋のために作られた一点もののソファやベッド、そして職人の手から生まれた唯一無二の家具が置かれています。細部までこだわりが感じられ、思わず息をのむほどでした。

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部屋着には、新潟の伝統織物「亀田縞」を使用。見た目の美しさと心地よい肌ざわりで、滞在をより特別なものにしてくれます。フルコースの余韻を抱きながら、スイートルームで過ごす時間は、まさに非日常の癒しそのものでした。

ドリンクもお菓子も料金込みの嬉しいサービス。シェフ手作りのおつまみも

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冷蔵庫に入っているドリンクの種類も豊富で、なんとすべて宿泊料金に含まれているのですべて追加料金なしで楽しめます。新潟県産のジュースやアルコール、お菓子をはじめ、布施シェフが手作りしたジャーキーやドライトマトなどのおつまみもありますよ。

ここでしか体験できない心に残るひとときを

ひと皿ごとに驚きと感動がありながら、全体を通して一本の物語のようにまとまっているのが「Né」の魅力。洗練された美食でありながら、地域とのつながりを感じながらいただく料理は、どこか懐かしさや安らぎを感じさせてくれる味わいでした。

特別な日にはもちろん、心に残る体験を求める方に訪れていただきたい場所です。ディナーのみの利用も可能ですが、ぜひ宿泊と合わせて堪能してみてください。
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