ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

監修者 : 竹内 弘久

杏林大学医学部付属病院 外科医

つらい花粉症に、コーヒーが効果的!?

くしゃみや鼻水など、辛い花粉症状……。実は民間療法のひとつとして、カフェインを摂ることが挙げられます。カフェインは緑茶や紅茶などさまざまな飲み物に含まれますが、とくにコーヒーに豊富な成分です。カフェインを多く含むコーヒーは、花粉症対策にどのように役立つのでしょうか。(※1,2)

コーヒーが症状を和らげてくれる理由

ポイント

  1. コーヒーに含まれるカフェインやクロロゲン酸が作用
  2. とくに鼻炎症状に効果的
くしゃみや鼻水は、花粉を体外に出すために化学物質の「ヒスタミン」が分泌されることで起こる症状です。コーヒーに豊富なカフェインには、ヒスタミン放出前の段階を抑えるという抗アレルギー作用があります。

また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸を摂ると、くしゃみや鼻をかく回数を減らせることが動物実験で明らかになっています。このような成分が含まれるコーヒーは花粉症の鼻症状の対策に役立つと言えます。(※3,4,5)

飲み方を間違えると症状が悪化するおそれも

コーヒーを飲む際は、身体を冷やさないよう注意が必要。東洋医学の考え方では、身体の冷えが花粉症の症状の強さと関係していると言われているためです。

コーヒーは身体を冷やす「陰性食品」のひとつなので、温めて飲んでくださいね。また、陰性食品である白砂糖や豆乳、牛乳をコーヒーに入れるのは避けましょう。(※6,7)
竹内先生:
「花粉症の時期や花粉症にかかっているときに、果物や野菜を食べた後に口の中やのどのかゆみやヒリヒリ感が起こる(口腔アレルギー症候群)ことがあります。そのようなことを感じた方は、花粉症の時期にはりんご、もも、さくらんぼ、梨、プラム、いちご、キウイ、メロン、豆乳などを含んだ飲み物に十分注意してください。

花粉症の時期でない場合に飲んで大丈夫であったとしても、花粉症による体の免疫反応の影響で、これらの果物などを摂ることでアレルギーにつながることがあります。場合によっては命に関わるアレルギーを引き起こすこともあります」(※8,9)

花粉症対策への効果を活かす飲み方【Q&Aで解説】

Q. 一日に何杯飲むといい?

A. 一日に2~3杯が目安です。

コーヒー2~3杯分のカフェインを摂ると、抗アレルギー作用に関わるホルモンの量が増加すると言われています。

なお、カフェインを過剰摂取すると不眠や下痢などの症状が出るおそれがあるため、コーヒーの飲み過ぎに注意しましょう。妊婦は一日に2杯、成人は4杯までにとどめてくださいね。(※2,10)

Q. 朝昼晩、いつ飲むのがいい?

A. 睡眠を妨げないよう、朝~夕方に飲みましょう。

カフェインには覚醒作用があり、夕方以降にコーヒーを飲むと不眠につながることがあります。睡眠不足では免疫のバランスを崩しやすくなるため、花粉症の症状がひどくなるおそれが。

なお、コーヒーの抗アレルギー作用について調べた研究では、飲むタイミングによる違いは明らかになっていません。(※4,5,10,11,12)

Q. ホットとアイス、どちらでも同じ効果が得られる?

A. 身体を冷やさないよう、ホットがおすすめです。

身体の冷えが花粉症の症状の悪化につながると考えられているため、アイスコーヒーは避けましょう。また、コーヒーは身体を冷やす食品なので、身体を温める作用がある黒砂糖やシナモン、しょうがなどを加えて対策するとよいですよ。(※6,7,13)
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