ライター : 相羽 舞

管理栄養士

牡蠣の食べ過ぎによるデメリット・症状

牡蠣を食べ過ぎると

  1. めまいや頭痛を起こす
  2. 下痢や腹痛を起こす
  3. カロリー過多で太る
牡蠣にはミネラルの一種である「亜鉛」が豊富に含まれています。亜鉛を過剰摂取した場合、頭痛やめまい、下痢、吐き気などの症状がみられるおそれがあります。

また、牡蠣は油との相性が良いため、フライやオイル漬けにして食べるのも人気です。調理法によっては、食べ過ぎるとカロリーを必要以上に摂ることにつながり、太る原因になります。(※1,2,3)

牡蠣の食べ過ぎで痛風になる?

牡蠣の食べ過ぎだけが原因で痛風になるとは言い切れませんが、牡蠣はプリン体を比較的多く含むため、尿酸値が高い方は注意が必要です

プリン体は通常、肝臓で代謝されたのち尿酸となり排出されます。しかし尿酸が多い状態が続いて、結晶化した尿酸が関節に沈着し、炎症を起こすのが痛風です。尿酸が高いと言われている方は、日ごろからプリン体の多いものに偏らないよう注意しましょう。(※4,5,6)

一日に何個まで?牡蠣の食べ過ぎの目安

一日12個まで

大きめの牡蠣1個(20g)あたりに含まれる亜鉛の量は、2.8mg。18~74歳女性の一日の亜鉛の摂取上限量は35mgなので、大きめの牡蠣12個以上は食べ過ぎということになります。なお、30~64歳男性では一日あたり亜鉛45mgが上限量なので、16個までとなります。

また、成人女性の一日あたりの亜鉛の推奨量は8mgとされており、大きめの牡蠣3個で満たすことができますよ。亜鉛はいろいろな食品に含まれているので、牡蠣だけを食べ過ぎないようにしてくださいね。(※7,8,9)

プリン体の制限をしている場合

尿酸値が高くプリン体の制限がある場合、一日あたりのプリン体摂取の目安は400mg程度です。牡蠣100gあたりのプリン体量は184.5mg。そのため、プリン体だけで算出すると牡蠣を200g(大きめ10個)食べても問題ないことになります。

しかし、ほかの食品にもプリン体が含まれていることや、亜鉛の一日の推奨量(成人男性11mg、成人女性8mg)も考慮し、牡蠣を食べるなら男性は4個、女性は3個程度にとどめることをおすすめします。(※5,6,7,8,9)

牡蠣の食中毒予防のポイント

ポイント

  1. 生食しない
  2. 十分に加熱する
  3. 手指や調理器具の洗浄・消毒
牡蠣による食中毒の代表的なものとして、ノロウイルスが挙げられます。ノロウイルスの場合は、十分な加熱(中心部85~90℃で90秒以上)をすれば、感染性が失われるとされているため、しっかりと加熱して食べることが重要です。

また、生の牡蠣をさわった手や調理器具のまま、ほかの食品を扱うのは避けましょう。生の牡蠣を扱ったら、手や調理器具の洗浄・消毒を十分におこなってくださいね。(※10)

適量なら体にいい!牡蠣の栄養と効果

効果

  1. 貧血対策に役立つ「鉄」
  2. さまざまな酵素の材料になる「亜鉛」
  3. 肝臓のはたらきを助ける「タウリン」
  4. エネルギーのもととなる「グリコーゲン」
牡蠣には貧血対策に欠かせない「鉄」やさまざまな酵素の成分となる「亜鉛」といったミネラルが豊富。これらのミネラルはバランスよく摂ることが大切です。

また、牡蠣には肝臓や心臓の機能を高める「タウリン」や、エネルギー源となる「グリコーゲン」が含まれています。食べ過ぎに注意し、適量を取り入れる分には牡蠣は健康維持に役立つ食品ですよ。(※9,11,12,13)

牡蠣は食べ過ぎないよう注意しよう

ついつい食べ過ぎてしまいがちな牡蠣ですが、過剰摂取はめまいや頭痛、下痢などにつながるおそれがあるため注意が必要。また、プリン体も比較的多く含まれるため、尿酸値が高い方は、食べる量や頻度に気をつけましょう。

牡蠣は、ミネラルやタウリン、グリコーゲンなど健康維持に役立つ栄養素が豊富です。食べ過ぎに注意し、適量をおいしく食べましょう。
【参考文献】
※7 八訂食品成分表2021|女子栄養大学出版部
(2022/12/05参照)
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