4. 軸が細い

Photo by macaroni

児玉  軸の小ささ、細さも見るべきポイント。これは垂れ下がった実の話と繋がりますが、実だけを見て判別する場合は、軸が小さいほうがおいしいといえます。

大きさも同じ、色や形、重さも同じの場合、軸の太さで判別してください。軸が太い実は、枝の中央部分の「道管(どうかん)」と呼ばれる通路から、多くの水分が実に入っています。

しかし、軸が小さい方は、水分は少しで、「師管(しかん)」と呼ばれる通路から、多くの栄養が送られてくるため、栄養がたくさん送られてきておいしい実になります。

ちなみに軸の色は、黄緑のほうが完熟ですが、鮮度が落ちたものも黄緑になるので注意してください。収穫したばかりで黄緑ならおいしいと判別できますが、ただ単に黄緑だからおいしいとは一概には言えません。判断基準としてはむずかしいですね。

5. 実の房の数が多い

Photo by macaroni

ーーそのほか、見るべきポイントはありますか。

児玉 みかんの実の房の数が多いかどうかでしょうか。房の数が多いほど種が入りやく、子孫繁栄できるので優秀な実なんですよ。これは切ってみないとわかりませんが、見た目でも判断する方法があります。

切る前に見分ける!ヘタの下の白い点の数は房の数と一致

Photo by macaroni

児玉 じつは房の数は、ヘタの下を見ればわかるんです。買ったあとになってしまいますが、ヘタをとってみてください。ここに小さい白い点があるのですが、この点の数が房の数と一致していると言われています。

しかし、ヘタををとってしまうと鮮度が落ちるので、試す場合は注意してくださいね。2つ食べようというときに、実験的に試すといいかもしれません。

6. 形は関係なし!サイズは小さめ

Photo by macaroni

ーーみかんは丸いよりも、扁平型のほうがおいしいなんてことをよく耳にしますが、実際どうなのでしょうか?

児玉 もう形はあまり関係ないですね。昔のみかんは品種が固定されていたので、形の見極めもありました。今は品種改良がすすんでいるので、丸い形でもおいしいものが出回っています。

形よりも重要なのは、大きさです。みかんは、小さければ小さいほど味のハズレが少ないわれています。スーパーで買うときは、2Sサイズがおすすめですよ。

冷蔵庫には入れないで!おすすめの保存方法

Photo by macaroni

ーーみかんは気づいたらダメになってしまいがち……。おいしさを保てるような保存方法を教えてください。

児玉 
最初にお伝えしたように、みかんはどうしても配達のときに衝撃を受けてしまいます。ダンボールごと購入した場合は、箱を裏返して底から開けて、冷暗所に置いてください。必要以上に水分を蒸発させないために、乾いたタオルをかけると良いですよ。袋やネットで購入した場合はかごに入れて、乾いたタオルをかけて同じように保存、下のほうに入っていたみかんから食べましょう。

冷蔵庫で保存する人も多いようですが、できれば避けてください。冬であれば暖房がかかっていない部屋なら大丈夫です。

旬のみかんでおいしく冬越し

選び方のおさらいポイント

  1. 皮の色が濃い
  2. 皮のきめが細かい
  3. 重量感がある
  4. 軸が細い
  5. 実の房の数が多い
  6. 身が小さい
「身にショックを受けていないというのが一番大事ですが、それを前提とした見た目で選ぶ条件の重要度をあらわすと、色が濃い>キメが細かい>重量感がある>軸が細いの順になります」と児玉さん。

それから「本当に新鮮で甘いみかんを楽しみたいのであれば、ぜひみかん狩りに足を運んでみてほしいですね。おいしさの違いを実感できるはずです。もしくは、農家直送で買える “手選別” のみかんでも十分。スーパーで購入するものとは、また違うおいしさに出会えるはずですよ」と熱い思いを語ってくれました。

また、この記事で教えてもらった見極めポイントは、ほとんどの柑橘類に共通するそう。オレンジやグレープフルーツを購入するときにも参考にしてみてくださいね。
取材協力
取材・文/井上はるな(macaroni 編集部)
12月の特集はこちら▼
おすすめの記事はこちら▼
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ