ライター : macaroni 編集部

今が旬!農家に聞いた、りんごの豆知識

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スーパーでは一年中出回っていて、季節問わず食べられるりんご。品種によって異なりますが、多くは秋から冬にかけて旬を迎えるといわれます。

この記事では、りんご農家に聞いたさまざまな豆知識をご紹介。品種ごとの特徴、おいしいりんごの見分け方、保存方法、簡単レシピなどを教えてもらいました。

訪れたのは、東京都世田谷区にある「内海果樹園(うつみかじゅえん)」。

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内海果樹園 世田谷区の住宅街のど真ん中にある、区内唯一のりんご&梨園。季節ごとに梨狩りやりんご狩り、野菜の収穫体験ができる(2021年度は終了)。代々この地で農業を営んでおり、30年ほど前からスタートした収穫体験は、家族連れを中心に大人気。世田谷区の「ふれあい農園」として紹介されるなど、自然教育の場としても地域の方々に愛されている

色も味わいもさまざま。りんごの品種ごとの特徴

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教えてくれたのはファッションセンスと素敵な笑顔が光る、内海果樹園のオーナー 内海さん
ーー都心である世田谷区でりんごを栽培していること、さらに収穫体験までできることに驚きました!

内海さん(以下、内海) そうなんです。東京でもりんごは作れるんですよ!ただ、とてもむずかしいというのも事実。

やはり向いているのは寒い地域で、東京だと気象条件や管理方法が異なります。特に、ここ数年は気候が大きく変わっているので、より一層むずかしさを感じています。

今年は生育が早かったこともあり、収穫体験は例年よりも早く終わってしまいました(2021年10月現在)。うちのりんご狩りでは、気に入ったりんごを木からもいで、1kgあたり1,000円で持ち帰っていただいています。

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左から秋光、シナノスイート、千秋、陽光、ふじ
ーー内海果樹園で育てているりんごの品種を教えてください。

内海 少ないものも含めると全12種類。そのうち収穫体験できるのは5種類(つがる、さんさ、千秋、陽光、ふじ)です。 ※タイミングによって変わります

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ひとつずつ丁寧に手作業で袋がけされたりんご。その数なんと約1万5000個にもおよぶ
ーー品種ごとにどんな特徴、違いがあるのですか?

内海 「つがる」は、酸と糖のバランスがとてもいい品種です。りんごのなかでは比較的やわらかい食感で重量的にも軽いタイプです。サイズは中ぶりで、大玉化することもあります。

「さんさ」は、質量がぎゅっと詰まっていて小ぶり。ほどよく酸味がありシャキシャキとした食感が特徴です。皮ごと食べてもおいしいですよ。酸味のある品種は、生食に加えてジャムといった加工品にも向いています。

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どこまで木を大きくするかにもよるが、苗木から安定的に収穫できるまで3〜5年ほどかかる
「千秋」も、割と酸味があり、実が詰まっている品種です。「つがる」に比べると糖度が低く、「さんさ」ほど酸味はありません。しゃっきりした食感が、とてもりんごらしいですね。

「陽光」は、すべてが平均的。酸も糖も強すぎず、重くも軽くもありません。大玉化しやすく、5品種のなかでは赤く発色しやすいですね。

「ふじ」は、とてもメジャーな品種。食感がしゃっきりしていて糖度も風味も強めです。日本人がイメージする“りんご像”に一番近いのではないでしょうか。

ただ暑さに弱いので、ここ数年は当園での収穫がとても不安定になっていて、長野の平野部でも栽培がむずかしくなってきたと聞いていますね。
りんごの品種解説はこちら▼

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ーーりんご狩りの際に知っておくべき豆知識を教えてください。

内海 りんご狩りのときは、できるだけ日当たりの良いところにあるりんごから採るのをおすすめしています。日陰にあるものよりも、熟度が早いんです。

また、果物狩りや野菜の収穫体験をするのは、晴天が何日か続いたあとの日がおすすめです。雨が降った直後だと、農作物はたくさんの水を吸収し、実の味が薄まってしまいます。晴天後のほうが、糖分がぎゅっと凝縮して、おいしくなるんですよ。

世田谷で育つりんごは、著名な産地とは違ったタイミングで収穫できたり、品種の特性の出方が少し異なったりするので、ぜひそこにも注目していただきたいです。

知っておきたい!おいしいりんごの見分け方

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未熟のりんご(左)、完熟したりんご(右)
「大玉サイズのほうが養分を蓄えていておいしいので、なるべく大きなものを選ぶのがおすすめです!

また、品種にもよるのですが、りんごの“おしりの穴”(底側の真ん中の穴)が開いているものが、完熟しているといわれています。見比べてみると、写真右のほうが開いていますよね?

ただスーパーやコンビニなどに並んでいるものは、出荷基準の糖度センサーをクリアしていますし、産地で未熟なまま採っても糖度が出るように工夫されているので、そこまで神経質にならなくても良いと思います」

ポイントは湿度と温度。りんごの正しい保存方法

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少し表面をこすると、こんなにピカピカに(画像右・右のりんご )!
「りんごは、水分が蒸発して乾燥すると味が劣化するので、湿度をキープするのがポイント。

表面のベタベタしたものは、人工的な薬ではなく、りんご自らが出している天然のワックスなんです。これが湿度を保つ役割も果たしています」

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「保存する際は、傷がないかチェックし、洗わずに保存袋へ入れて封をしましょう。採って1週間以内なら常温で冷暗所に、それ以上保存するなら、冷蔵庫の野菜室がおすすめです。お店で買ったものは収穫日がわからないので、冷蔵庫保存がいいですね。

もし傷があった場合は、できるだけ早めに食べるのがおすすめです。傷の部分から腐敗が進むので、長期保存には向かないんです。

風味や糖度は採りたてが一番なので、できるだけ早く食べるのがおすすめです。とはいえ、りんごは長期保存できるのも魅力なので、貯蔵する場合は湿度と温度は一定にキープしておきましょう」

簡単に作れる!りんごを使ったおいしいレシピ3品

そのままでもおいしいりんご。バリエーション豊かに、もっとおいしく楽しむためのレシピを教えてもらいました。

1. 食感がイイ!「りんご入りポテトサラダ」

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ポテトサラダにひと口サイズにカットしたりんごを加えれば完成!しっとりしたポテトと、シャキシャキしたりんごの食感のコントラストがクセになるひと品です。
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