ライター : 嶋田コータロー

お土産マイスター

北海道の人気土産「三方六(さんぽうろく)」

Photo by 柳月

「元祖しっとり系バウムクーヘン」と呼ばれる三方六。北海道の人気土産として全国にファンを持ち、長年愛されているバウムクーヘンです。

この記事では、そんな「三方六」のおいしさの秘訣や人気のフレーバーについて、製造元「柳月(りゅうげつ)」に取材した話を交えてご紹介します。いろいろな味のバウムクーヘンを食べたい方は、要チェックですよ。

Photo by 嶋田コータロー

北海道十勝の菓子メーカー「柳月」が作る、「三方六」の誕生は1965年。バウムクーヘン発祥の地・ドイツから職人を招き、3年間の試行錯誤を経て発売されました。

やや硬めの“ハード系”が主流だったバウムクーヘンを、日本人の口に合うように、“しっとり系”に変化させて生まれたのが「三方六」なのです。

発売後は、独特な形としっとりした味わいが注目され、数々の賞を受賞。地元十勝のみならず、全国にもそのおいしさが広がっていきました。三方六シリーズのさまざまな種類も話題を呼び、いまでは子供から年配の方にいたるまで、幅広い世代に人気です。

そんな北海道銘菓「三方六」の魅力をご紹介しましょう。

「三方六」の3つの魅力

1.「白樺(しらかば)の薪」に見立てた形

Photo by 嶋田コータロー

三方六プレーン 1本680円(税込)
一般的なバウムクーヘンといえば筒状の円形ですが、三方六は一風変わった形をしています。じつはこれ「白樺の薪」がモチーフ。熟練の職人さんの手作業によるチョコがけで、白樺の木肌が表現されているんですよ。

※三方六:薪の割り方の基準。断面の三方が六寸(18cm)であることから「三方六」と呼ばれている

Photo by 柳月

「三方六は、『白樺の木肌を表現した薪の形』に見立てて作っています。白樺は北海道に馴染み深い木ですし、北海道の開拓時代には、薪の明かりを囲んで人々が暖をとっていました。時代を超えて、大切な方と「三方六」を囲んで、楽しく暖かな団らんのお手伝いができたらという想いを込めています」(柳月企画室・阿部さん)

北海道らしさを感じる見た目で、お土産感も十分。三方六に込められた想いのとおり、家族皆でワイワイお喋りしながら食べたいですね。

2. 絶妙のしっとり感

Photo by 嶋田コータロー

三方六の魅力は、なんといってもそのしっとり感。まったくパサパサしておらず、口当たりがよく、どんどん食べ進めてしまうおいしさです。適度な生地のやわらかさと、しっとり感が、絶妙なバランスを保っている印象を受けます。また、チョコとバウム生地の相性も抜群です。

「一般的なバウムクーヘンより卵やバターをたっぷり使って、絶妙なしっとり感を生み出しています。また、生地を休ませながら、通常の製法よりも時間をかけてお作りしているのも秘訣です。職人によると“生地を休ませる”ことで、生地が熟成されて、より味わい深くなるそうです」(柳月企画室・阿部さん)

常温で食べてもおいしいですが、筆者のオススメは、よく冷やしたあとに10秒ほど温めて食べる方法です。少し温かくなった生地と、ひんやりパリッとしたチョコの味わいがなんともいえません。

3. 三方六専用の材料

Photo by 柳月

三方六のおいしさの秘訣は、質の高い材料にあります。主原料となる卵、バター、砂糖は北海道産。小麦粉は100%十勝産のものが使われているんですよ。しかも、三方六専用の小麦粉なんだとか。

「『新鮮で質の高い、地元産の食材を使った菓子作りをしたい』というのが、創業時から職人達のこだわりです。お菓子作りに不向きとされていた、粘り気の強い十勝の小麦を、なんとか看板商品である三方六に使えないかと、試行錯誤を続けてきました。そんな想いのもと、製粉会社の方々と約3年の年月をかけて、作り上げられたのが『三方六専用の小麦粉』です」(柳月企画室・阿部さん)

Photo by 柳月

とことん北海道らしさにこだわって作られた、三方六。バウム生地の細部にいたるまで、職人さんたちの想いが込められていて、じっくり味わいたくなります。ご紹介した三方六(プレーン)にはミニサイズもあり、ちょっとしたギフトやお土産にもぴったり。

またプレーン以外に季節限定の味もあるので、気になる方は公式サイトでチェックしてみてくださいね。

人気の味から季節限定品まで。三方六のバラエティ豊かな種類

三方六の魅力は、その味わいに加えて種類の豊富さ。これまでレギュラーサイズや小割(ミニサイズ)など、すべてを合わせて19種類が発売されています。(2021年8月時点) この記事では、8つをご紹介します。

ファン続出!「三方六の小割 冬の濃厚ショコラ~キャラメリッチ~」

Photo by 柳月

5本入800円(税込)
「まるでガトーショコラ!」と感じるほど、濃厚な味わいが特徴の「冬の濃厚ショコラ」。もともと重みのあるバウム生地に、カカオを限界まで練りこんであるため、手にするとずっしりした重厚感があります。隠し味としてオレンジ風味が加わっており、深みのある味わいです。濃い目のコーヒーと合わせて食べるのがオススメ♪
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