ライター : muccinpurin

製菓衛生師 / 料理家

ミシュランシェフが考えるマヨは、あえての“ふつう” !?

Photo by muccinpurin

2021年7月1日(水)、代々木上原のフレンチレストラン「sio」の鳥羽周作氏が展開する食のクリエイティブカンパニー 株式会社シズるから、鳥羽シェフがレシピを監修した「ふつうのマヨネーズ」が発売されました。

かけるだけ、つけるだけで大体のものをおいしくする魔法の調味料、マヨネーズがミシュランシェフの手にかかると “ヤバいほど旨いマヨネーズ” になるのかと思いきや、“ふつうのマヨネーズ” なのだとか。そういわれると余計に味が気になるじゃないですか!

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ふつうのマヨネーズ

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「ふつうのマヨネーズ」 120ml×3ピース 3,800円(税込)+送料 120ml×9ピース 11,400円(税込)
鳥羽シェフ監修のマヨネーズが発売されると聞き、「キタキタ!」とワクワクしていたところ、実物を見て拍子抜けしたのはおそらく筆者だけではないでしょう。

鳥羽シェフといえば、macaroniでも取り上げた「最強ダブチ」や「禁断の雪見トースト」など、すぐ試したくなる罪なアレンジの数々を披露してきました。

以上のことから、完全に筆者の個人的な考えですが、いわゆる “ガッツリ罪な味わい” を生み出してきたシェフが、あえて “ふつうのマヨネーズ” で攻めてくるなんて思いもしませんでした。完全にジャブを食らった感じで、むしろどんな味なのか気になるではありませんか。もう、食べる前からすでに心奪われまくりです。

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ふつうのマヨネーズというネーミングに合わせて、パッケージもごくごくシンプル。乳白色のラベルに商品名が表記され、横には鳥羽シェフの名前も記されています。「味で勝負したい」という心意気が伝わってくるような潔いパッケージです。

“本来の風味” を追求

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マヨネーズ本来の持ち味を追求し、今後は多くの人のふつうになれたら、という思いから「ふつうのマヨネーズ」と名付けられたのだそう。

ひと塗りすれば、それだけで料理になる

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マヨネーズでありながら透明感に溢れたふつうのマヨネーズは、素材の味をマヨネーズで塗り替えるのではなく、素材そのものの味を引き立ててくれるのだそう。確かに、マヨネーズをかければ何でもおいしくなる魔法は存在しますが、それは素材がおいしいのではなくマヨネーズがおいしいってことですもんね。

ふつうのマヨネーズは野菜、卵、肉などなど、素材にひと塗りするだけで、料理と呼べる形に姿を変えるのだそうです。このあたりの考え方は鳥羽シェフの料理人らしさが感じられ、とても勉強になりますね。

あえての小分けでおいしいうちに消費

酸味と塩味を抑えて作られたふつうのマヨネーズは、賞味期限が一般的なマヨネーズと比べ約1/3の120日しかありません。“120日しか” と考えるか “120日も” と考えるかはひとそれぞれですが、おいしいうちに食べてほしいという作者の想いにはこたえたいですよね。

そのため、120ml入りの小瓶に詰められ、短い賞味期限内でもおいしく食べられるよう工夫されています。冷蔵庫のドアポケットに鎮座する番人というよりは、フレッシュさが命の食品と考えた方がいいかもしれませんね。

野菜につけるだけで立派なサラダに

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まずは主役のマヨネーズを味わおうと、ピーマンにつけて食べてみましたよ。とれたてのピーマンを氷水に付けてパリッパリにした、素材の味ど真ん中が味わえるチョイスでしょう?

ピーマンをかじる前にマヨネーズをぺろりとなめてみると、酸味のない実にマイルドな味わい。マヨネーズづくりには酢が欠かせないので、酸味を強く感じることが多いのですが、ふつうのマヨネーズは酸味の角が一切ありません。酸の有無は好みにもよりますが、このままずっと舐めていられそう……。

さらに、ほかのマヨネーズと比べて甘みが感じられ、マヨネーズを言うよりは料理に添えてあるソースといった印象です。もちろん、複雑な味ではなくあくまでマヨネーズなのでシンプルで、どんな食材もおいしくしてくれそうですよ。

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マヨネーズのコクや酸味はしっかりと主張しつつも、ピーマンの味をしっかりと引き立ててくれます。マヨネーズを付けると大体がマヨネーズの味になりがちですが、やさしい味わいのふつうのマヨネーズは、あくまで食材の引き立て役。料理に使う前にまずは、マヨネーズと一対一で向き合ってみてください。きっとよさがわかります。
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