ライター : souffle

食文化ライター / ワインエキスパート

「イタリアにはイタリア料理がない」ってどういうこと?

イタリアの人々は地元へのこだわりが強く、郷土料理が大好きです。これは南北に細長い地形と都市国家が集まった国というイタリアの風土に関係し、地域独自の文化が発達したため。ピザひとつをとってもナポリ風・ローマ風・ミラノ風とあるように、同じ料理でも地域により食材や調理法が異なります。

そのため、ひとくくりにイタリア料理とは言えず、イタリア料理は郷土料理の集まりとされています。そこでこの記事では、20州から成り立つイタリアを南イタリア・中部イタリア・北イタリアの3つに分け、各エリアの特徴と食文化を紹介していきます。

イタリア南部の食文化

ナポリやパレルモなど南イタリアの料理は、素材を活かしたさっぱりしたものが豊富暖かく太陽にも恵まれている風土は、野菜・果物の栽培や漁業がさかんで、料理にオリーブオイルとトマトをたくさん使います。そのほか、魚介類、乾燥パスタ、にんにく、唐辛子、羊などがよく用いられる食材でしょう。

アクアパッツァ、ペペロンチーノやボンゴレのパスタは、この地方の料理です。デザートにあたるドルチェは、ナポリ風ババ、カンノーリが特におすすめ。

イタリア南部の代表的な料理

カポナータ

ナス、トマト、ズッキーニなどの夏野菜を中心にケイパーやオリーブなども入れ、ワインビネガーや塩・砂糖で煮た甘酸っぱい野菜煮込みです。このシチリア風の作り方以外にも、食材や調理法がちがうナポリ風があります。

カプレーゼ

トマト、モッツァレラチーズ、バジリコ(バジル)をオリーブオイルと塩、黒胡椒で味付けしたサラダです。トマトの赤、チーズの白、バジリコの緑とイタリア国旗と同じ色あざやかな料理は、見た目から食欲をそそられますね。

マルゲリータ(ナポリピザ)

トマトソース、モッツァレラチーズ、バジリコと、シンプルな具材を使ったもちもちのピザ。ふちの厚い生地を使い、生地本来の風味を楽しむ料理です。よりはっきりした味にするため、乳牛ではなく水牛のモッツァレラチーズを使います。

イタリア中部の食文化

ローマ、フィレンツェがあるイタリア中部の料理は、南部と北部の料理がミックスされた特徴を持ちます温和な気候に加え地域によって海や山があるので、山海の幸に恵まれている州や、オリーブ栽培、牧畜や漁業がさかんなところもあります。

カルボナーラ、アマトリチャーナといったパスタは、この地方の料理です。ローマ風のピザは生地が薄くてクリスピーな食感。ドルチェは、ズッパイングレーゼ、アーモンドの入ったビスコッティが特におすすめです。
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