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教えてくれた人
アドバンスド・コーヒーマイスター/ビバ中川さん
日本スペシャルティコーヒー協会認定アドバンスド・コーヒーマイスター。株式会社アマナのコーヒークリエイターとしても活躍中。コーヒーは“五感を刺激するメディア”と称し、バリスタにとどまらずカフェの監修や新しいコーヒーの楽しみ方を提案するなど活動の幅を広げている。自身のコーヒーネーム「VIVA(ビバ)」を冠したお店「VIVA COFFEE」が2021年4月中旬にオープン予定。
日本スペシャルティコーヒー協会認定アドバンスド・コーヒーマイスター。株式会社アマナのコーヒークリエイターとしても活躍中。コーヒーは“五感を刺激するメディア”と称し、バリスタにとどまらずカフェの監修や新しいコーヒーの楽しみ方を提案するなど活動の幅を広げている。自身のコーヒーネーム「VIVA(ビバ)」を冠したお店「VIVA COFFEE」が2021年4月中旬にオープン予定。
1. 製造方法で選ぶ
まず気になるのは、「そもそもコーヒー豆って何?」という基本的なこと。コーヒーの産地に足しげく通う中川さんに、コーヒー豆がどのようにして作られるているのか聞きました。
「コーヒー豆は、豆ではなくて、じつは果実の種。熱帯性の植物であるコーヒーの木になった果実から、ふたつの種が採れます。
この果実はコーヒーチェリーと呼ばれ、糖度がとても高いのが特徴です。完熟したものは糖度20度近くになり、市販のフルーツよりも格段に甘い。ただ果肉が薄いため、残念ながら食用としては流通しません」
「コーヒー豆は、豆ではなくて、じつは果実の種。熱帯性の植物であるコーヒーの木になった果実から、ふたつの種が採れます。
この果実はコーヒーチェリーと呼ばれ、糖度がとても高いのが特徴です。完熟したものは糖度20度近くになり、市販のフルーツよりも格段に甘い。ただ果肉が薄いため、残念ながら食用としては流通しません」
「コーヒー豆は精選方法によって味が異なりますが、一般的な方法はウォッシュト(水洗式)とナチュラル(非水洗式)です。
ウォッシュトでは果実の状態であらかじめ水に浮かせる比重選別をおこないます。虫食いや未熟な種が浮かぶので選定の手間が省けるというメリットも。
果実から取り出した種のまわりには『ミューシレジ(ペクチン)』というヌルヌルがついていますが、水槽にひと晩漬けて微生物発酵をするとミューシレジが分解されます。ヌルヌルが取れてサラサラな状態になるので、そこから種を乾燥させます。
グアテマラでの乾燥方法は地面に敷き詰めて干すため、まるで京都の庭園みたいにキレイなんです」
ウォッシュトでは果実の状態であらかじめ水に浮かせる比重選別をおこないます。虫食いや未熟な種が浮かぶので選定の手間が省けるというメリットも。
果実から取り出した種のまわりには『ミューシレジ(ペクチン)』というヌルヌルがついていますが、水槽にひと晩漬けて微生物発酵をするとミューシレジが分解されます。ヌルヌルが取れてサラサラな状態になるので、そこから種を乾燥させます。
グアテマラでの乾燥方法は地面に敷き詰めて干すため、まるで京都の庭園みたいにキレイなんです」
「一方、エチオピアやブラジルでは原始的なナチュラルが主流です。果実をそのまま乾燥させ、ドライフルーツにしてから種を取り出します。
味の違いは、ナチュラルで作られたコーヒー豆はフルーティで独特な味わい、ウォッシュトの豆はすっきりとした味わいになる傾向が強いです。
また、その間を取りもつセミウォッシュトの豆が注目されています。コスタリカには果実から種を取り出したときにミューシレジを取り除かず、そのまま乾燥させる『ハニーコーヒー』という独特な甘さや香りのコーヒーもあるんです」
味の違いは、ナチュラルで作られたコーヒー豆はフルーティで独特な味わい、ウォッシュトの豆はすっきりとした味わいになる傾向が強いです。
また、その間を取りもつセミウォッシュトの豆が注目されています。コスタリカには果実から種を取り出したときにミューシレジを取り除かず、そのまま乾燥させる『ハニーコーヒー』という独特な甘さや香りのコーヒーもあるんです」
2. 生産国で選ぶ
ふたつめのポイントは、生産国を知ること。コーヒーがどんな国で作られているかを知ると、コーヒー選びがよりおもしろくなるそうです。
「コーヒーの原産地はアフリカにあるエチオピア。つまり、現在コーヒーの木が栽培されている地域は、エチオピアと環境が似ています。
具体的には、赤道から南北25度以内のエリアがコーヒーの木の生育に適しています。地球を一周させたこのエリアは“コーヒーベルト”とも呼ばれ、大まかにアフリカ、アジア、北米、中米、南米に分けられます」
「コーヒーの原産地はアフリカにあるエチオピア。つまり、現在コーヒーの木が栽培されている地域は、エチオピアと環境が似ています。
具体的には、赤道から南北25度以内のエリアがコーヒーの木の生育に適しています。地球を一周させたこのエリアは“コーヒーベルト”とも呼ばれ、大まかにアフリカ、アジア、北米、中米、南米に分けられます」
「コーヒーがおいしく育つには気温も重要です。コーヒーの木には、日中の平均気温が20度ほどで、最低気温が10度以下にならない場所が適しています。でも、温かいだけではおいしいコーヒーにはならないのです。
コーヒーに適した寒暖差が生まれるのは、ちょうど熱帯エリアの標高1,000m以上の場所。近年、台湾がお茶農園の一部でコーヒー栽培を始め、注目を浴びています」
コーヒーに適した寒暖差が生まれるのは、ちょうど熱帯エリアの標高1,000m以上の場所。近年、台湾がお茶農園の一部でコーヒー栽培を始め、注目を浴びています」
ビバ中川さん:
「また、標高が1,000mなくてもコーヒーの木を栽培できる奇跡の地がハワイのコナ。ハワイはまわりに島がなく、強い風の影響を受ける地域です。
貿易風が標高4,000m級の山々に当たると気候の変化が生まれ、ふもとにあるコナは標高1,000mのエリアと同じ環境になるんです。
こんな情報を知るとコナコーヒーが気になってくるのではないでしょうか。まずは行ったことのある国から、コーヒーを選んでみるのも楽しいですよ」
「また、標高が1,000mなくてもコーヒーの木を栽培できる奇跡の地がハワイのコナ。ハワイはまわりに島がなく、強い風の影響を受ける地域です。
貿易風が標高4,000m級の山々に当たると気候の変化が生まれ、ふもとにあるコナは標高1,000mのエリアと同じ環境になるんです。
こんな情報を知るとコナコーヒーが気になってくるのではないでしょうか。まずは行ったことのある国から、コーヒーを選んでみるのも楽しいですよ」
3. 焙煎度合いで選ぶ
最後に、コーヒー豆を選ぶ基準の3つめは……。
「焙煎度合いにも注目しましょう。果実から取った種を乾燥させるだけではおいしいコーヒーにはなりません。焙煎という工程を経て、コーヒー豆は完成します」
「焙煎度合いにも注目しましょう。果実から取った種を乾燥させるだけではおいしいコーヒーにはなりません。焙煎という工程を経て、コーヒー豆は完成します」
「焙煎度合いは大まかに『浅煎り』『中煎り』『深煎り』の3種類。コーヒー豆にもたくさんの種類があるので一概にはいえませんが、浅煎りはすっきりとして飲みやすく、軽やかな甘みが特徴です。
苦味が苦手な人や、紅茶が好きな人は浅煎りがおすすめ。さらに香りが表現しやすいので、アロマをより感じられます。
一方、深煎りは苦味が強く、キャラメルのような甘みがあります。どっしりとした飲みごたえがほしい人にはぴったり。ミルクと合わせると苦味がやわらぐので、カフェオレで飲む場合は深煎りが相性抜群ですよ!
中煎りは、浅煎りと深煎りのいいところ取りという感じ。バランスがよいので初心者の方はチャレンジしやすいでしょう」
苦味が苦手な人や、紅茶が好きな人は浅煎りがおすすめ。さらに香りが表現しやすいので、アロマをより感じられます。
一方、深煎りは苦味が強く、キャラメルのような甘みがあります。どっしりとした飲みごたえがほしい人にはぴったり。ミルクと合わせると苦味がやわらぐので、カフェオレで飲む場合は深煎りが相性抜群ですよ!
中煎りは、浅煎りと深煎りのいいところ取りという感じ。バランスがよいので初心者の方はチャレンジしやすいでしょう」
コーヒーのいろはを知って豆選びに生かそう!
コーヒーの製造方法や焙煎について知っておくだけで、よりコーヒー豆選びが楽しくなりそうですね!教えていただいたコーヒーのいろはを活用して、自分好みの味を見つけたり、新しい味を開拓したりするきっかけにしてみてください。
第2弾は、コーヒー豆の買い方やポイントについてご紹介します。お楽しみに♪
取材・文/大瀧亜友美(macaroniライター)
写真/實重かおり(macaroni編集部)
おうちでコーヒーを飲む人に役立つその他の記事はこちら▼
第2弾は、コーヒー豆の買い方やポイントについてご紹介します。お楽しみに♪
取材・文/大瀧亜友美(macaroniライター)
写真/實重かおり(macaroni編集部)
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※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
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