「いま求められているのは、普通でおいしい家庭料理ではないか」

Photo by emikokuwahara

多くの人が感染をおそれ、外食を控える状況を見た小薇さんは、「誰もが家にこもり、見えない敵と戦っている。今求められているのは、普通でおいしい料理、本当に体にいい料理、家庭でいつも食べられる本当の中国料理ではないか」と考えました。

そこで、もともと得意な点心をさらに磨きをかけるべく、ステイホーム期間中、連日研究を重ねて「爆汁ポークまん」を完成させたのです。

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手作り点心の店を作りたいと思った理由は、もうひとつ。

中国の料理界では今、手がかかる割に価格の安い点心を手作りする店が激減。国が助成金を出しても、その料理文化は風前の灯なのだとか。そんななか、日本人に本物の手作り点心のおいしさを伝えることも、自分の使命ではないかと考えたのです。

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小薇さんの華麗なキャリアを考えると、1個350円という肉まんの価格は安すぎるようにも思います。しかし小薇さんは「とにかくいいものを作りたいんです。今は採算など考えず、世の中に商品を送り出し、多くの方に届けることが大事です」と語ります。

小薇さんの夢は、自身の思いを理解し、資金面・精神面で応援してくれる両親に、自分の点心を食べてもらうこと。

コロナが終息し、中国に住むご両親が店を訪れることのできる日が一日も早く来ることを、願わずにはいられません。

企画協力:桑原 恵美子
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