ライター : macaroni_press

私たちの身近にある食品ロス

クリスマスケーキ、おせち料理、恵方巻……。季節のイベントを盛り上げるのに欠かせない料理ですが、その裏で大量に余った料理が食品ロスに繋がっているのを知っていますか?

厚生労働省では、事前の予約を促進するなどして季節商品のロス削減につなげるよう、コンビニやスーパーなどの食品小売業者に呼びかけています。近いところでは、令和2年の節分に販売される恵方巻において、ロス削減プロジェクトが実施されました。

わたしたちの身近にある環境問題に、少しだけ目を向けてみませんか?

食品ロスは、なぜ問題なの?

まず、食品ロスがなぜ問題なのかを考えてみましょう。

食品ロスが発生すると、多くのごみが廃棄されます。廃棄された食品だけでなく、それを包んでいたトレーや運搬用などの段ボールなどすべてを、ごみとして処理するために多額のコストがかかります。

特に生ごみには大量の水分が含まれるため、焼却中に多くのCO2が排出されます。もちろん、焼却炉などへの運搬でもCO2が排出されてしまいます。
経済の観点から見てみましょう。

日本の食料自給率は平成30年を見てみると37%となっており、2000年代は40%を軸に横ばい状態です。ほかの国を見てみると、カナダの264%を筆頭に、オーストラリアの223%、アメリカの130%と、先進国の食料自給率は軒並み100%を越えており、日本は最低の水準

日々消費する食料の多くを輸入に頼る一方で、たくさんの食料を廃棄しているという事実がありますいまや食べる物には困らない日本ですが、世界に目を向けてみると7人に1人の子どもが貧困で日々の食事を満足に得られない状況に直面していることも知っておかなければなりません。

事前予約や少しの意識で、ロスを減らすことに成功!

Photo by 農林水産省

平成28年度に発生した食品ロスを例にとってみると、年間643万トンの食品ロスのうち、食品小売業から発生したものが1割以上の割合を占めています。

特に、恵方巻をはじめとした季節食品のロスが顕著で、スーパーやコンビニなどの小売業者に対して平成31年1月には「恵方巻のシーズンを控えた食品の廃棄を削減するための対応について」の連絡を通達。

こうして需要に見合った販売を促進したところ、恵方巻シーズン終了後には回答者の約9割から、前年よりも廃棄率が改善したとの報告がありました。事前予約を促進したり、食べきりサイズの商品を開発したりと、企業側の努力が実った形です。

もちろん、わたしたちも食べきれる人数分だけを購入するという意識をするだけで、食品ロスを減らすことにつなげることができます。

ロスをなくす “ろすのん” が目印!

令和2年の節分を前に、小売業者に向けて予約販売を促したり、食べ残しの内容サイズを工夫するようアナウンスし、最大限食品ロスをなくすよう働きかけています。

恵方巻の食品ロスに取り組む小売店には、ロスをなくすことをPRする “ろすのん” が目印として掲げられました。目に見えるロゴを掲示することで、販売側はもちろん、わたしたち消費者食品ロスをなくすことへの意識が高まり、結果的に食品ロスをなくすことに繋がります。

消費に見合った量を購入し、食品ロスをなくそう!

日々、多くの食品に囲まれるなかで、ついつい忘れてしまいがちな食品ロス。食料に恵まれた生活の裏には、廃棄された食品によって環境に影響を及ぼしたり、世界のどこかで食べ物に困っている人がいることを忘れてはいけません。

恵方巻をはじめ、クリスマスケーキやおせち料理など、イベントに欠かせない料理を購入するときは、消費できる量なのかを確認し、無駄のない購入に努めましょう。
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