三の重に詰めるもの

三の重は筑前煮のようないろんな野菜で作る煮物から、ひとつの野菜のみで作る単体の煮物など、山の幸をたっぷり詰め込みます。家族みんなが仲良くいられますように、という願いが込められているようです。

筑前煮

さまざまな根菜と鶏肉が入った筑前煮は、将来の見通しができるようにとのれんこん、子孫繁栄の意味がある里芋、しっかり根を張れるようにごぼうやにんじんを使って作られています。どれも縁起のいいものとされる食材から構成されているので、総合的な幸せが願われているのだそうです。

里芋の煮物

里芋掘りをしたことのある方はわかると思いますが、里芋はひと株掘り起こすと、ゴロゴロっと何個もまとめてでてきます。その様子から子宝に恵まれるとして、子孫繁栄の願いが込められるようになりました。また、コロンとした丸い形が家庭円満を意味しているともされています。

くわいの煮物

お正月以外には食べる機会がなかなかありませんが、おせち料理にはくわいの煮物が入っています。これはニョキっとでた芽が「芽出たい」として、縁起ものとされていることに由来しています。芽がまっすぐ伸びることから出世する姿にも見えると、立身出世の願いも込められているのだとか。

たけのこの煮物

たけのこって成長するのが早いって知っていましたか? あっという間に大きくなってしまうのですが、そこから子どもがすくすく成長しますように、という願いが込められている食べ物です。「竹の子」という文字からも、子どもを連想させるのでしょうね。

手綱こんにゃく

くるんと結び目のようなものがついているのが手綱こんにゃくです。乗馬のときに使う手綱を模したものなので、込められた意味も乗馬を連想させるもの。心を引き締めて良縁や円満につくしなさい、という乗馬のむずかしさや厳しさを込めた願いになっています。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ