ライター : 安田あかり

Webライター/管理栄養士

便秘解消につながる食べ物の特徴

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特徴

  1. 食物繊維を含む食べ物
  2. 善玉菌を含む食べ物
  3. オリゴ糖を含む食べ物
  4. 良質な脂質を含む食べ物

食物繊維を含む食べ物

食物繊維は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があります。

不溶性食物繊維は、腸内において便のかさを増やして腸管を刺激。腸のぜん動運動を活発にし、便を体外に排出させるのに役立ちます。繊維質が多い根菜類やきのこ類、豆類に多く含まれます。

水溶性食物繊維は、水に溶けやすい性質を持つ食物繊維。かたい便をやわらかくしたり、腸内の善玉菌を増やしたりする物質です。果物や野菜類、海藻類に多く含まれます。(※1,2)

善玉菌を含む食べ物

善玉菌を含む食品を摂取することも便秘対策のひとつです。人間の腸内には1,000種類、100兆個もの腸内細菌が存在しており、それぞれ善玉菌・悪玉菌・どちらにも属さない菌に分類され、バランスをとって生活をしています。

そこで、善玉菌を含む食品を摂取することで、腸内の善玉菌が優勢な状況を作ることが可能です。善玉菌を含む食品を毎日の食事に積極的に取り入れていきましょう。(※3,4)

オリゴ糖を含む食べ物

オリゴ糖は、整腸作用に役立つ糖質の一種。フラクトオリゴ糖や大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などの種類があります。

オリゴ糖は消化されにくく、腸内において善玉菌のえさとなり、善玉菌の増殖に役立つ物質です。このオリゴ糖の作用は、特定保健用食品としても認められています。

オリゴ糖は甘味料として活用されるほか、大豆やアスパラガス、玉ねぎやバナナなどにも含まれています。(※5,6)

良質な脂質を含む食べ物

良質な脂質を含む食べ物を摂ることも便秘対策には必須です。魚や植物に含まれている不飽和脂肪酸は腸内において吸収されにくい性質があり、腸内において便が移動する際の潤滑油のような役割をします。

ダイエットや偏った食事などで脂質が不足すると便秘につながるおそれが。便秘に悩んでいる方で、ダイエットや脂質制限をしている場合は、脂質の摂取が足りないことも原因として考えられます。バランスの良い食事と合わせて、脂質摂取も意識しましょう。(※7)

便秘解消のための食べ物をまとめて解説

1. 発酵食品

  1. 納豆
  2. みそ
  3. ヨーグルト
  4. ぬか漬け
  5. キムチ
納豆やみそ、ヨーグルトなどの発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌が含まれています。善玉菌を直接摂取することも便秘対策のひとつです。

ただ、善玉菌を含む食品を摂取したとしても、腸内に長期間とどまることなく排出されるため、毎日継続して摂取する必要があります。また、発酵食品は保存性を保つために塩分が強い傾向があるため、塩分過剰をさけるためにも食べ過ぎに注意してくださいね。(※3,8)

2. 穀類

  1. 玄米
  2. 押麦
  3. ライ麦パン
  4. とうろもこし
  5. そば
穀類には食物繊維が含まれています。食物繊維を手軽に摂るためには、主食である米をはじめとした穀類を食べることが実は重要。米はエネルギー源となる炭水化物のほか、スムーズな便通に必要な食物繊維や水分、さらにレジスタントスターチ(消化されにくいでんぷん)も含まれています。

炭水化物を含んでいるため、ダイエットや食事制限などをしている方からは敬遠されがちな穀類ですが、便秘対策には重要な食品です。(※9,10,11)

3. 野菜類

  1. キャベツ
  2. ごぼう
  3. オクラ
  4. 切り干し大根
  5. ブロッコリー
野菜類には便秘対策に必要な食物繊維が豊富。繊維がやわらかい野菜には水溶性食物繊維が、繊維がかたい野菜には不溶性食物繊維が含まれています。

さらに、腸内細菌を増やす作用があるオリゴ糖も含むため、さまざまな野菜を摂取することで、便通対策にさまざまな角度からアプローチが可能です。

厚生労働省は、野菜を食べる量の目安として「一日350g以上」、食事においては「野菜を主材料にした小鉢を1回の食事あたり1皿以上」をすすめています。(※1,2,5,6,12)

きのこ類

  1. しいたけ
  2. ぶなしめじ
  3. エリンギ
  4. まいたけ
  5. きくらげ
きのこ類には便秘対策に必要な不溶性食物繊維・水溶性食物繊維どちらも含まれており、便秘がちな女性15名が一日100gのきのこを1カ月間摂取したところ、排便回数が増加したという研究結果もあります。

きのこ類は炒め物、焼き物、汁物といったおかずで取り入れやすい食材ですので、毎日の食事にプラスしていきましょう。(※13)

5. いも類

  1. じゃがいも
  2. さつまいも
  3. 長芋
  4. こんにゃく
  5. はるさめ
いも類は食材によって不溶性食物繊維を主に含むもの、不溶性・水溶性どちらもバランスよく含むものがあります。また、こんにゃくにはマンナンと呼ばれる水溶性食物繊維が含まれています。

いも類も便秘がちな方には積極的に摂りたい食材ですので、副菜や汁物などで取り入れるようにしましょう。(※2,14,15)

6.豆類

  1. いんげんまめ
  2. あずき
  3. 大豆
  4. グリーンピース
豆類には主に不溶性食物繊維が含まれています。また、あずきやいんげんまめ、ひよこ豆といった豆類は乾燥状態からゆでると、でんぷんの一部がレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)に変化。レジスタントスターチは腸内の善玉菌のえさとなり、善玉菌を増やすのに役立ちます。

豆類も便秘対策に役立つ食材ですので、煮豆や豆ごはん、スープなどさまざまな料理に積極的に取り入れていきましょう。(※1,9,16,17)

7. 海藻類

  1. わかめ
  2. ひじき
  3. もずく
海藻類にはフコイダンやアルギン酸といった水溶性食物繊維のほか、セルロースやヘミセルロースといった不溶性食物繊維が含まれています。

わかめやひじきは保存がきく乾物として市販されていますし、汁物や煮物といった副菜にも活用しやすいため、積極的に食事に取り入れていきましょう。(※18)

8. 果物類

  1. キウイフルーツ
  2. バナナ
  3. りんご
果物類には「ペクチン」という水溶性食物繊維が含まれています。ただ、果物類には果糖と呼ばれる糖質が含まれており、食べ過ぎると果糖の過剰摂取になるおそれが。

また、シロップ漬けの缶詰の果物もありますが、こちらも糖分の摂り過ぎにつながるため、摂取量には注意しましょう。(※19)

9. 調味料・油脂類

  1. オリゴ糖
  2. オリーブオイル
「オリゴ糖」「オリーブオイル」といった調味料や油脂類などにも便秘対策に役立ちます。

オリゴ糖は消化されにくい糖質で、腸内においてビフィズス菌といった善玉菌の栄養となり、腸内細菌を増やし、腸内環境を整える作用があります。

オリーブオイルは不飽和脂肪酸であるオレイン酸を含み、腸内で潤滑油のようなはたらきをするため、溜まった便をスルッと運び出すのに役立ちます。一日大さじ1~2杯程度の摂取がおすすめです。(※5,20,21)
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