ライター : dressing

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パリを彷彿とさせる本格「クレープリー」が出現! 東京・西荻窪で味わう本場のクレープ

2018年1月15日、東京・西荻窪のJR高架下に突如として現れたフレンチスタイルのクレープスタンド『LA CREPERIE(ラ・クレープリー)』。
西荻窪は小さい街ながらグルメな名店が揃うことで知られるが、こちらのお店も瞬く間に評判が広まり、晴れの週末には行列ができるようになっている。 電話もFAXもショップカードもない、そしてただ「クレープ店」という意味を持つ店名『ラ・クレープリー』。そこにはどんな思いが込められているのだろうか。
こちらでクレープを焼く矢作三郎さん(写真上・右)は、実は恵比寿のフレンチビストロ『Abbesses(アベス)』のシェフだ。
矢作さんは西荻窪からほど近い、三鷹出身。以前は荻窪の青梅街道沿いで、同名のビストロを経営していた。しかし、通行人から見つかりづらい地下物件ということが災いし、集客に苦戦。 「自分の店の真価を再度問うなら、思い切って東京で一番の場所でやってみよう」と一念発起し、2012年に恵比寿へ移転した。 この移転が功を奏し、『アベス』は舌の肥えたグルメ層に愛されるビストロに。グルメ口コミサイトの全国TOP5,000に入る人気店となった。
そんな矢作さんにはさらなる夢があった。 フランスでの修業時代、パリの学生街カルチェ・ラタンにて幾度となく訪れたクレープスタンド。派手さのない掘っ建て小屋のようなスタンドに、子供からお年寄りまで文字通り“老若男女”が立ち寄り、一枚のクレープを買っていく。しかも「バター&シュガー」や「キャラメル」といったシンプルな素材で勝負する素朴なクレープだ。 LA CREPERIE クレープスタンドというパリの日常を東京で再現したいという想い。それを形にするため、自分の理想とする物件をずっと探していたのだという。

フランスのエスプリと職人の技術で勝負する、“インスタ映えしない”素朴なクレープ

数年ののち、ついに見つけたのが、この西荻窪のJR中央線ガード下にある小さな小さな物件だった。間口はたった一間ほど。小さなドアと、クレープを受け渡すガラス窓しかない。 駅からのアクセスは良く、並びにはオシャレな雑貨店やカフェがある、雰囲気も抜群な高架下エリアだ。 育て上げた『アベス』の厨房スタッフにランチタイムを任せることができるようになったこともあり、矢作さんはこの地での出店を決めた。
“インスタ映え”の真逆をいく職人肌路線のクレープは、しっかりと香ばしく焼き上げられた茶色い外見(写真上)で、写真栄えするデコレーションなどはない。 ただ、ひと口頬張れば、まずその生地のおいしさにノックアウトされる。そして、その生地のおいしさを際立てる、フィリング(中に入れる具材)とのハーモニー。これぞまさに”本場のクレープ”だ。

シンプルかつバランス重視の「スイーツ系」、大満足ボリュームの「食事系」

同店のクレープは、大きく「スイーツ系」と「食事系」に分けられる。矢作さんいわく”職人集団の作るクレープ”は、生地やクリーム、マヨネーズまで自家製にこだわる。
「スイーツ系」にはさらに「シュガー系」と「クリーム系」がある。「シュガー系」のイチ押しは、「バター・シナモンシュガー」(写真上)。生地のおいしさ、香ばしさを最も感じられるシンプルで味わい豊かな一品だ。
「クリーム系」のおすすめは「レモン」(写真上)。酸味のまろやかな広島産レモンを皮まで丸ごと使用し、カスタードと合わせた“自家製レモンクリーム”が爽やかでコクもあり絶品だ。 ちなみに「クリーム系」クレープにはホイップクリームが乗るが、軽めにしたい場合はホイップなしや少なめにもできる。生地がしっかりしているのもあり、クリームありの場合はボリューム感のあるリッチなテイストとなる。
「食事系」のクレープは日本ではあまり馴染みがないが、例えば「ハム&チーズ」のクレープなどはフランスでは定番だ。
その中でも数量限定の「限定!! 和牛ローストビーフ・ハム・チーズ・卵」(写真上)は、恵比寿のお店で仕込んだ黒毛和牛の希少部位「クリ(肩肉のミスジから繋がる赤身の部位)」のローストを使用している。
このクレープ、手にするとずっしり重く、非常にボリュームがある。ひと口噛みしめると、ほんのり甘く香ばしい生地を自家製マヨネーズがキュッと引き締める。そして選び抜かれた上質なチーズの存在感、卵の優しさが完璧な調和を奏でる。その上に重なるハムとローストビーフのジューシーな肉感がたまらない。
「食事系」クレープはいずれもしっかりとしたハンバーガーやピザ程度の満足感があり、クレープという言葉から想像される”軽食”とはまったく違う。 ちなみに、現在の売れ行きは「スイーツ系」が約8割、「食事系」が約2割とのことだが、手軽に食べられるおいしいランチとして、「食事系」クレープも多くの方に認知されていくだろう。

買う人も作る人もハッピーに。おいしいクレープがもたらす極上の時間

「正直、こんなにたくさんの方に喜んでもらえると思っていなかったんです」と矢作さんは話してくれる。「西荻窪って特に学生街でもないし、浮ついたところがない街。 でも、だからこそよかったのかもしれないですね。気がつくと男性が3人連続で並んでいたり、お子さんが小銭を握りしめて並んでいたり。近くに住むお年寄りもよくいらしてくださいます」
当初、クレープリーを大きくしようとは微塵も思っていなかった矢作さんだが、このクレープリーを通じて気づかされるものが多かったそうだ。そして、その結果として感じたクレープリーの更なる可能性を、機会があれば別の場所でも試してみたいと考えている。
なお、近くには住民の憩いの場である小さな公園があり、ゆったり食べたい方にはこちらをおすすめしているとのこと。都会の喧騒を忘れ、のんびりと青い空を眺めながらクレープを食べるのは、極上の時間になるだろう。 <メニュー> シュガー系 バター・シュガー 350円 バター・シナモンシュガー 350円 クリーム系 チョコレート 420円 キャラメル 420円 カスタード 420円 レモン(広島県産レモン使用) 420円 トッピング(クリーム系に追加可能) バナナ 50円、ナッツ 50円、フランボワーズ 100円、りんごコンポート80 円 など お食事系 ハム・チーズ・卵 600円 和牛ローストビーフ・ハム・チーズ・卵 900円

LA CREPERIE

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