ライター : aaaharp

古くから伝わる日本の知恵「石臼」

石臼とは、穀物を粉にするために挽く、また餅をつく道具です。大別して「挽き臼(碾き臼)」と「つき臼」の2種類があります。 日本でよく使用する挽き臼は、円柱状のタイプです。上下ふたつに分かれる仕組みで、上の臼を回転させることで下の臼と摩擦させ、間に穀物を落としながら粉に挽いていくという仕組み。 大豆をきな粉にしたり、そばを粉にしたり、抹茶を挽いたりと、現在でもいろんな用途に使用されています。 つき臼は餅つきの際に使用される臼。すり鉢状になった臼に蒸したもち米を入れ、杵を使ってつきます。

石臼の歴史

石臼の起源は古代ギリシャにまでさかのぼり、製粉のために誕生しました。現代の日本では、一般家庭にある方がめずらしい石臼ですが、古くはどの家庭にもあった道具だといいます。

それもそのはず。現代では精米されたお米、製粉された小麦粉や蕎麦、きな粉などはスーパーに行けば簡単に手に入りますが、昔はすべて手作業で、各家庭でおこなうことが多かったものです。それが時代の流れと技術の進歩とともに必要とされなくなり、需要が減っていきました。

基本の使い方

挽き臼の基本的な使い方を紹介します。碾き臼の上臼は上部がくぼんでおり、1ヶ所に穴が開いています。挽きたい材料をそのくぼみに入れ、上臼を回転させながら少しずつ穴に落として挽いていきます。コツはゆっくり回すこと。これだけで細かい粉末状になります。 挽いた粉は上臼と下臼の隙間から落ちてくるので、それを集めて保存しましょう。

石臼の構造と特徴

粉を挽ける仕組み

「石と石で挟んで回すだけでなぜ製粉されるの?」と思われるかもしれませんが、細かく製粉できる理由は石臼の面にあります。 上下臼が触れる麺には、すり鉢状の細かな溝があります。これを上下合わせてこすり合わせ、やすりをかけるようにして粉末になるという仕組みです。とても単純ですが、石に重みがあること、断面が均一であることから、すり鉢とすりこぎを使うよりも細かく均一な粉を挽くことができるんです。

重さはどれくらい?

石臼の重さはサイズによってもまちまちですが、たとえば御影石を使用した30型のタイプなら総重量が40kg近くあります。小さな茶臼でもkg程度は重さがあるので扱いには注意が必要ですね。

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