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Today's Foodie
身体を悪くした経験をきっかけに、東京療術学院で東洋医学を学び、卒業後は長野の穂高養生園でマクロビオティックを学ぶ。心や身体がほっとする場所をつくるため、西荻窪「食とセラピーていねいに、」を鍼灸師の福田氏とオープン。2017年の夏に独立し、ケータリング、お料理教室、food letters旅のカフェをオープンする。表参道のヨガスタジオnidaでリフレクソロジータイ式マッサージも行う。保存食をバトンに旅をする、旅のレシピ本「food letters」を冬に出版予定。
丸い道具はホッとする。
「まあるいものが好きなんですよ」
ニコニコと毒気のない顔でそう言ったのは、旅を通じて土地・人・食材をつなぐプロジェクト「フードレターズ(food letters)」で注目を集めるフリーの料理家、cayocoさん。東京・西荻窪にあるご自宅にお邪魔して、お気に入りだという調理器具を見せてもらいました。
選び出されたアイテムを並べてみると、どれもこれもがたしかに丸い。包丁はさすがに……と思いきや、よく見ると柄の尻が丸くなっています。どうして?と疑問をそのまま口にすると、「ホッとするんですよねぇ」となぜかうれしそうなcayocoさん。
言われて見れば、丸い道具というのはたしかに落ち着きます。無意識に「角がない=危なくない」と考えてしまうのでしょうか。緊張感を生みませんし、警戒心を呼びません。見ていて心がざわつくことがありませんし、自然体でいられます。
そう思ったら、角のない調理器具たちにがぜん興味が湧いてきました。cayocoさんは、それらとどのように出会って、どう使っているのでしょう。愛用品一つひとつの特徴と使い方を、cayocoさんに教えてもらいました。
1.【包丁】沖縄の職人がつくったもの
「食材の扱い方を教えてくれる不思議な包丁。悪い姿勢や、心を食材に向けていない状態でこの包丁を持ってしまうと、びっくりするくらい切れなくなってしまうんです。決して使い心地がよいわけではありませんが、逆にわたしにはそれくらいがちょうどよい。手にするたびに心が正される包丁なんてなかなか巡り会えませんから、運命の一本だと思っています。
この包丁をつくったのは、沖縄の鍛冶職人さん。ぜひこの感動をご本人にお伝えしたいと思い、購入店に連絡先を伺いに行ったのですが、その職人さんのご意向とのことでお名前を明かしてはいただけませんでした。こんなパワーのある包丁をどんな方が作っているのか……、いつかお会いできればと思っています」
2.【まな板】ヒノキのまな板
「先ほども言いましたが、丸い形って見ているだけで心がおだやかになりますよね。このまな板は、丸いところが気に入って試してみたら思いの外使いやすくて、愛用するようになりました。切った野菜が転がっても奥行きがあるので受け止めてくれますし、みじん切りをしても収まりやすいんですよ。
素材はヒノキ。お野菜やお魚、自然のものを切るのであれば、まな板も自然の素材のほうが食材も喜ぶ気がするんです」
3.【鍋】柳宗理「ミルクパン」
「毎日使っている調理器具のひとつ。柳さんのミルクパンは昔から愛用していて、これは二代目です。お水が早く沸いてくれるので、さっとお味噌汁をつくるときは本当に便利。そうめんやパスタ、お野菜を茹でるのもこのお鍋と決めています。蓋をスライドさせるだけで湯切りができるので、ザルをつかうことが減りました」
ITEM
柳宗理「ミルクパン」
¥6,040〜
サイズ:290(W)×180(D)×107(H)mm
※2018年4月25日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpおよびshopping.yahoo.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。
4.【鍋】無水鍋
「ふつうのお鍋として煮炊きに使うのはもちろん、揚げ鍋、蒸し器、無水調理と、利用法はさまざま。とにかく万能なお鍋で、使わない日はないですね。特に、このお鍋で野菜を重ね煮すると、旨みがぎゅっと濃縮されて、素材本来の味をしっかりと感じられるんです。他にもケーキやパンなどもこのお鍋ひとつで、十分おいしくつくれます。
フラットな形状の蓋もお気に入り。我が家では、このお鍋の上に先ほどご紹介したミルクパンを置き、無水鍋から伝わる熱で加熱するという裏技を編み出して、キッチンスペースを上手に活用しています」
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