ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

「とどのつまり」とはどういう意味?

言葉はよく耳にする「とどのつまり」の意味、正しく説明できますか?「とどのつまり」はあまり思わしくない結果・状態のときに使用することの多い言葉です。具体的には、どのような場面で使用されるのでしょうか。 使用例としては「議論を重ねたけれど、とどのつまりこの計画は年内で中止。」「嘘ばかりいっているから、とどのつまり誰にも信用されなくなった」など。意味や語源を詳しく見ていきましょう。

語源は出世魚の「ボラ」

「とどのつまり」の語源は、出世魚で知られているボラなのです。哺乳類として知られるトドではありません。ボラは成長していく過程で、以下のように成長していきます。 関東の場合:オボコ→イナッコ→スバシリ→イナボラ→トド 関西の場合:ハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド 高知や東北でも、それぞれ呼び方が違います。高知や東北では「トド」とは呼びませんが、関東や関西ではもっとも大きく成長したボラのことを「トド」と呼んでいるのです。

それ以上成長しないことが由来

ボラは最終的に「トド」になり、それ以上は成長しません。そのことを由来とし、「とどのつまり」はこれ以上は大きくならない、これ以上は進まないなどの意味で使われるようになりました。つまり、「結局」「行きつくところ」のような意味合いになります。

ボラが語源の言葉はほかにもある!

いなせ

「いなせ」とは、いろいろな歌の歌詞にもあるように、男気があり粋な様子を表現しています。「いなせ」とはボラの背中。江戸時代には鯔背銀杏(いなせいちょう)と呼ぶ髪型がありました。この髪型がボラの背中に似ていたのです。 鯔背銀杏の髪型は多くの方が憧れたのだとか。そこから、まわりが憧れるような人物であり、粋、勇ましい姿を「いなせ」と呼ぶようになったのです。

おぼこ(おぼこい)

「おぼこ」は、「おぼこい」と呼ばれることもあります。この言葉には子供っぽい意味や、世間を知らない、未熟という意味が込められています。もともとは西日本の方言で、「おぼこ」が語源。これを形容詞化したものが「おぼこい」。 出世魚であるボラは、小さな幼魚が「おぼこ」と呼ばれます。そのことにちなんで、世間に慣れていない若者や生娘を「おぼこ」と呼ぶようになりました。
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