食べ方

作り方がすでに強烈だったキビヤッック。その食べ方はもっと強烈です。内臓を取り出して食べるのではありません。アパリアスの羽をむしり、総排出口(肛門)から発酵して液状になった内臓をすすって食べるのが正しい食べ方です。保存に使ったアザラシ自体は食べないといいますから、贅沢な作り方とも言えますよね。 アパリアスの肉も、皮を裂きながら食べ、頭蓋骨は歯で割り中身も食べられます。ちなみにアパリアスは、日本の鳩よりも一回り小さいくらいの大きさです。女性も、羽をむしりながら、まるでフライドチキンを食べるようにかぶりつく姿を想像できますか? 日本人からするとかなりグロテスクな食べ物ですが、発酵食のキビヤックにはビタミンが豊富。極北地域においては貴重な栄養補給源でもあるそうですよ。

日本人も愛した味

想像を絶する作り方と食べ方をするキビヤック、その味はどんな味なのでしょうか?日本人は納豆や味噌、いかの塩辛など、発酵食品好きな食文化を持ちますが、キビヤックもおいしいと感じられるんでしょうか? 日本を代表する冒険家の植村直己はグリーンランドで実際にキビヤックを食べ、好物のひとつとして挙げるほど気に入っていたそうです。臭気に慣れれば味は濃厚な鶏肉のようだ、と感想を漏らしていたといいます。

祝宴のごちそう

キビヤックの液状になった内臓は、そのまま食べるだけでなく調味料として肉につけて食べる方法もあります。誕生日、クリスマス、婚礼などのおめでたい席に出されることも多い、ごちそうでもあるそうです。

どれくらい臭いの?

世界第4位の臭気

作り方からも想像できるように、キビヤックのにおいは強烈で、なんとその臭気は世界第4位と言われています。(※)臭いの質はそれぞれの食べ物で違いますから、簡単に比べられるものではなさそうですが、無数にある食べ物の中でトップテンに入ります。 キビヤックの臭さは納豆の約3倍と言われています。ちなみに日本でもっとも臭いと言われている「くさや」の臭いは世界第5位。くさやの臭いを知っている方なら、あの臭いよりもさらに上を行くと想像すれば、どれだけ臭いかが想像つきますよね。

ちなみに……世界で一番くっさい食べ物

ちなみに、世界でもっとも臭いと言われている食べ物はスウェーデンの「シュールストレミング」というものだそうです。ものの臭気を計測する機械で測った結果によると、シュールストレミングはキビヤックの約6倍、納豆の約3倍の臭さだそう。 ニシンを薄い塩水に漬け、15℃くらいの温度で約12週間発酵させて作ります。この話だけではおいしいかもと思えなくもありませんが、缶を開けた瞬間にあまりの臭さに失神してしまう人もいるそうですよ!

アラスカに行ったら食べてみて

キビヤックについていかがでしたか?まったく初めて存在を知った方にはかなり刺激が強かったかもしれませんね。デパートはもちろん、通販でも手軽に買えるものではありませんから、もし、何かの機会にアラスカや、そのほか、キビヤックが食べられる地域へ行った際には、一度食べてみるとよいかもしれませんよ。 多くの国にいろいろな珍しい食べ物がありますね。その地域の生活や文化によって生まれた食べものですから、どんな食べ物も貴重。とはいえ、やはり臭いものを食べるのは勇気がいりますよね。
【参考文献】
▼臭くてもなぜかおいしい食べもののまとめ
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