ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

ババロアとムースの違いってなんだろう?

ひんやりおいしいデザートの「ババロア」と「ムース」。レストランのデザートメニューでも見かける、みなさんの中でも好きな人多いのではないですか?どちらもやわらかな口当たりで食べやすい印象ですが、この2つの違いを説明できますか? ムースとババロアの違いに加え、パンナコッタとプリンの違いまでご紹介!いろいろなひんやりスイーツの差がわかります。

「ババロア」・「ムース」とは

まずは、ババロアとムースの特徴を抑えていきましょう。どちらも「ぷるぷる」「ふんわり」といったイメージがありますが、実際のところ何が違うのでしょう。

ババロアはゼラチンを使ってぷるんぷるん

「ババロア」はフランス発祥の古典菓子で、卵、牛乳、砂糖、ゼラチンなどを混ぜ、型に流し込んで冷やし固めたお菓子です。ゼラチンを使用して固めているので、ぷるんぷるんの食感が特徴です。シンプルにババロアだけで食べたり、フルーツやピューレがのっているものもありますね。 「ババロア」の由来は、諸説あります。ひとつはフランス語で「バイエルンの」を意味する形容詞で、これはドイツのバイエルンの貴族のためにフランス人シェフが考案した食べ物だったからという説。もうひとつは、バヴァリア地方で流行っていた生クリームを使った温かい飲み物をもとに考案された食べ物だったという説です。

ムースはふわふわが特徴

「ムース」もフランス発祥のお菓子で、泡立てた卵白や生クリームに、フルーツピューレやチョコレートなどを加えたお菓子です。泡立てた卵白や生クリームを自然に固めたお菓子なので、スプーンを入れた瞬間クリーミーでふわふわした食感が特徴です。 「ムース」はフランス語で「泡」という意味です。ババロアは固有の名前なのに対し、ムースは泡そのものや、泡状の整髪料のことを指します。フランス料理では゛じゃがいものムース”などお菓子以外のことを指したりもしていますね。
▼寒天とゼラチンとの違いも、こちらでわかります

パンナコッタとの違い

パンナコッタはイタリア発祥の洋菓子で、イタリア語で生クリーム(パンナ)を加熱した(コッタ)という意味です。生クリーム、牛乳、砂糖を煮詰めて、ゼラチンを入れて固めたもので、生クリームが多めに使われています。 ゼラチンを使って固めているところはババロアと一緒ですが、パンナコッタには生クリームを使います。濃厚でクリーミーな食感が特徴です。

プリンとババロアの違いは?

日本人にとって、プリンは身近なデザートですよね。日本人もよく食べるプリンはイギリス発祥の「カスタードプティング」に由来します。「カスタードプティング」は、卵、牛乳、砂糖を混ぜたものを型に流し込んで加熱し、卵の熱凝固性を利用して全体を固めたものです。 プリンとババロアの違いは、プリンが卵の熱凝固性を使って固めているのに対し、ババロアはゼラチンの力で固めています。ただし、牛乳プリンなどは卵を使わずにゼラチンで固めているものが多いようですが、食感や見た目の特徴からプリンと呼んでいますね。 卵を使用していない牛乳プリンは、どちらかというとパンナコッタに近いといえますね。
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