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ついやりがちな直箸、マナー違反?
日本人の食事には欠かせない箸。箸にはいろいろマナーがあり、総称して嫌い箸、忌み箸、禁じ箸などと呼ばれています。
日常だけでなく、外食するときも箸をつかう場面が多くありますが、大勢で食事をしているときや大皿が出てきたとき、取り分けはどうしていますか?
めんどうくさいからと自分の箸で取り分ける、または自分の箸を逆さにして取り分ける人がいますが、これらは直箸、逆さ箸といってマナー違反。内心不快に思っている人がいるかもしれません。
マナーは周りの人に不快感を起こさせない振る舞いのこと。マナーがしっかりできている人は、それだけでよい印象を与えます。ちょっとしたマナーで、同席している人と楽しく食事ができる、箸のマナーを紹介します。
直箸とは
直箸とは、料理が大皿などに盛られた盛り合わせなど、何人かで分けて食べる料理を取り分ける際、取り箸をつかわずに、自分の箸で直接食べ物を取ることです。
大勢で食事をする機会に、よく大皿で料理が出てきます。取り箸があるのに、話に夢中になってつい自分の箸をつかってしまった、ということもありがちですが、直箸はマナー違反。マナー違反となるからにはちゃんとした理由があるのです。取り箸をつかうよう、習慣づけておきましょう。
ちなみに、箸をつかう文化を持つ国に中国と韓国がありますが、どちらの国も取り箸の習慣はありません。中国では、家族や来客に自分の箸で料理を取り分けることが親愛のしるし、韓国も大勢で食卓を囲むことを大切にしており、やはり直箸です。
どちらもいっしょに食事をする人のことを思ってのマナーなので、直箸をマナー違反とするのは日本だけ、ということも覚えておくとよいかもしれません。
直箸で虫歯になる?!
直箸は虫歯にも影響します。子どもを虫歯にさせないためには、大人がつかった箸で食べ物を食べさせないことが鉄則ですが、大人も、虫歯菌や歯周病菌が唾液を介してうつってしまう可能性があるのです。
感染の危険は、虫歯や歯周病菌だけではありません。料理によっては生の肉を触った箸を口に入れてしまう可能性があるため、O157やカンピロバクターなど、食中毒の原因菌を取り込んでしまう可能性があるのです。
自分の健康、いっしょに食事をする人の健康のためにも直箸は避けたほうがよいのです。
箸を逆さにする逆さ箸もNGです!
大皿料理がきたけれど取り箸がない、というときどうしていますか?よく自分の箸を逆さに持って取り箸としてつかう人がいますが、じつはこれもマナー違反です。
自分の手が触れた箇所で料理を取り分けることになるので不衛生。感染性胃腸炎の原因となるノロウイルスなどの菌が手についていた場合、手から箸へ、箸から料理へ移り感染してしまう可能性もあります。
さらに、箸の両側が汚れてしまうため見た目もよくありません。テーブルに置く際にも気をつかいます。スマートな行為に思われがちな逆さ箸ですが、実際は一利なしです。
取り箸がなかったらどうしたらいい?
取り箸が用意されていない場合は、店員さんにお願いして持ってきてもらいましょう。どのお店でも、お願いすればすぐに対応してくれるはずです。
その場の状況で、取り箸を用意することが難しいという場合、同席者に断った上で、直箸で料理を取り分けましょう。逆さ箸をするよりは、直箸で料理を取り分ける方がマナー違反ではないといわれています。口内より手の方がよほど衛生的でない場合もあるためです。
箸だけじゃない、皿を重ねるのもNG!
毎日つかっている箸ですが、嫌い箸といわれる箸のマナーは30以上あります。すべて覚えておくのが望ましいですが、和食の席で、これだけは!というものをご紹介します。
・移し箸:箸から箸へ食べ物を渡すこと
・寄せ箸:器を箸で引き寄せること
・探り箸:箸で器の中の食べ物を探ること
・迷い箸:料理を選ぶ際、器の上で箸をあちらこちらに動かすこと
・刺し箸:料理に箸を刺すこと
・もぎ箸:箸についた食べ物をもぎ取ること
・涙 箸:食べ物から汁を垂らしながら食べること
・ねぶり箸:箸を舐めること
・持ち箸:箸を持った手で器を持つこと
・渡し箸:箸を器にのせること
・振り上げ箸:箸を振り上げること
また、皿を重ねることもマナー違反です。テーブルの上を早く片付けたい、店員さんの手間が省けるのでは?と思いやってしまいがちですが、重ねるのはやめましょう。
お店によっては高価な皿をつかっている店があり、傷をつける恐れがあるためです。店員さんにお願いして下げてもらうのがマナーです。これはお店に限ったことだけでなく、親戚や知人の家に行った際も同様です。
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