値引きをしない

もちろん、素材にこだわり手間もかかっているアイスクリームですから、簡単には値引きなんてできません。それに、イメージ戦略の成功で、もはやハーゲンダッツは「高いのが当りまえ」「あまり値引きはしない高級アイス」というイメージが定着しています。そのブランド力を維持するためにも、大幅な値引き等はおこなわれないのです。
ただ、まったく値引きがなかったころとは違い、1997年以降は値引きされたものが店頭に並ぶこともあります。しかし、それを見つけてしまった暁には思わず立ち止まり、「これを逃したら大変だ!」なんて気持ちにさせられて、思わず買ってしまうという事態に……。

アメリカでは安いアイスの代名詞?

日本との価格差に驚き!

日本では、高級アイスクリームの代名詞ともいえるハーゲンダッツですが、誕生の地アメリカではいったいどうなんでしょう。
それがなんと、実はかなりの庶民派アイスクリームなのだそうです。日本では、ミニカップ(110ml)サイズが通常200円強~300円ほどで販売されていますが、アメリカではたった1ドルで買えるのだとか。パイント(473ml)サイズは日本なら700円ほどなのに対し、アメリカでは4ドル、セール時ならなんと2ドル!
おまけに、日本では未発売のハーフガロン(1900ml)サイズは7ドルとのこと。つまり、1000円以内です。日本価格のイメージだと、余裕で3000円超す勢いなのですが……。

さまざまな事情

いろいろとハーゲンダッツを突き詰めていくと、「それほどアメリカで安いなら、こんなに日本で高いのはおかしい!」と思ってしまうかもしれません。しかし、ハーゲンダッツはあくまでもアメリカのアイスクリームブランドです。たとえば、日本のブランドであるスナック菓子も、アメリカの原料等でつくられたものがアメリカで販売されていますが、その場合も日本より多少は割高になっています。
それに、世界第3位の人口をもつアメリカは、ひとりあたりのアイスクリーム消費量も多いため、市場規模も日本の数倍です。よくアメリカの映画などで、日本人からは考えにくいサイズのアイスクリームを抱え、スプーンで頬張るシーンを観たことがありませんか?そーんなにドでかいアイスをひとりで食べているひと、日本ではなかなか見かけません。つまり、販売高が日本よりも大きいことが、価格に反映しているわけです。

素材が生きるアイスクリーム

いかがでしたか?大のハーゲンダッツバニラ好きとしては、今すぐアメリカに飛び立ちハーフガロンサイズをゲットしたい衝動に駆られましたが、日本オリジナルのフレーバーも捨てがたいし、旅費はどうするんだと我に返りましたので、とりあえず心を落ち着かせようと思います。
ちなみに、アイスクリームの基本的なつくり方は、材料を混ぜ、殺菌・冷却し、熟成させてフリージングし、硬化させるといった感じです。その工程において素材の変化が少ないため、アイスクリームはつかわれている素材の持ち味が、そのまま風味にあらわれるといわれています。
だからこそ、なおさら原材料がシンプルであれば、より素材のおいしさを味わえるということなんですよね。さーて、アイスクリームが食べたくなってまいりました。冬の訪れをジワジワと感じる寒い日、暖かいお部屋で食べるアイスクリームも、また格別ですね。
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