『時をかける少女』にも出てきます

1983年大林宣彦監督作品、原田知世主演の映画「時をかける少女」にもこの「桃栗三年柿八年」が挿入歌の歌詞として登場します。 「愛のため息」という短い歌で、歌詞は「桃栗三年、柿八年、ゆずは九年でなりさがる、梨のバカめが十八年」、さらにこの歌には2番があり「 愛の実りは、海の底 空のため息星屑がヒトデと出会って億万年」とつづきます。 この短い歌のなかに映画の世界観がぎゅっと詰まっていて、頭について離れなくなる方も多いそうです。

武者小路実篤『達磨は九年で俺は一生』とは

武者小路 実篤(むしゃのこうじ さねあつ)とは明治18年に生まれ、小説家・詩人・劇作家・画家として活躍された方です。 著書『武者小路実篤詩集』の中にある詩のなかで「桃栗三年柿八年、達磨は九年で俺は一生」と表現しました。後半の「達磨は九年で俺は一生」は彼の創作になります。なぜこのように表現したのでしょうか。 達磨(だるま)大師が、中国の嵩山の少林寺で壁に向かって座禅を9年組むことで悟りを開いたという故事が由来となり、「面壁(めんぺき)九年」という言葉ができました。 劇作家の武者小路実篤はそれに続けて「俺は一生」と表現し、自分自身が実るには一生かかり、生涯修行だということを表現したのです。

人生の教訓になりそうなことわざ

いかがでしたか?「桃栗三年柿八年」というだけで長く時間がかかる印象ですが、つづきは気が遠くなるような長い年月の話でしたね。 資格を取りたくても、始めた翌日からよい点数は出ませんし、子育ても3年たって3歳になってもまだまだその先には長い人生が待っています。何事もすぐには成果が出ないのだから辛抱強くならなければならないということですね。このことわざはいろんなことに当てはめることができそうです。 先はとても長い道のりになるかもしれませんが、まずは種をまくところから始めませんか?コツコツとつづければきっと素敵な実がなりますよ。
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