目次

ラーメン

Photo by 山本剛志

並 850円(税込)
「スープはとんこつの香りがしっかり出ている、非常に濃厚な風味。仕上げに入れる鶏油(ちーゆ)は、多すぎるとその味に引っ張られてしまうのですが、ふんわり香る絶妙なバランスです」
店舗情報

10. すっきり風味の“家系サードウェイブ”「吉祥寺武蔵家」(東京・吉祥寺)

Photo by macaroni

「“新中野系”ではないほうの『武蔵家』の本店が、吉祥寺にあります。豚骨醤油味の伝統を守りつつ、こってりした濃厚な味わいから少し個性を出した、すっきりしたゴクゴク飲めるスープが特色。そのために“家系サードウェイブ”とも呼ばれています」

豚骨醤油ラーメン

Photo by 山本剛志

750円(税込)
「すっきりしていながらそのなかに豚骨の香り、脂の存在もしっかり感じられる奥深いスープで、麺はモチモチした中太平打ち麺。今も進化し続けているラーメンです」
店舗情報

発祥は吉村家!横浜家系ラーメンの歴史や由来とは?

Photo by 山本剛志

「そもそも“家系”とは、1974年に神奈川県で創業した『吉村家(よしむらや)』を源流としたラーメン店のことで、『~家』という店名をつけることが多かったことから“家系”と総称されるようになりました。

もともとは、横浜エリアだけで食べられている”知る人ぞ知る”ラーメンだったのですが、1980年代のラーメンブームによってじわじわ知名度が上がっていきました」

六角家の「ラーメン」

「全国的に知られるようになったのは1994年、『新横浜ラーメン博物館』がオープンした際、『吉村家』の流れを汲む『六角家(ろっかくや)』が横浜代表のラーメンとして出店したこと。

さらに人気が爆発的に広がったのは1999年に、『吉村家』が横浜駅近くに移転することになったとき、テレビ番組で特番が組まれたことがきっかけでした」

横浜家系ラーメンにはどんな特徴がある?

Photo by 山本剛志

吉村家の「ラーメン」
「家系ラーメンというと、『豚骨醤油味』とざっくり紹介されることが多いのですが、『吉村家』のラーメンは、創業者の吉村実さんが、当時ラーメンのスタンダードとされていた東京風の醤油ラーメンと、まだ全国的になじみが薄かった九州のとんこつラーメンのいいとこ取りを目指して生み出したものです。

ですから実は、東京風の醤油ラーメン同様、鶏ガラをたくさん使っていて、特に『吉村家』では豚骨より鶏ガラのほうが多いと言われています。

また、寸胴をいくつも使い何日もかけて作ったスープを炊き続け、さらにブレンドしながら濃度を一定に保っているのも家系ラーメンの特徴です。

家系のラーメン店は通し営業が多いのですが、これはずっと寸胴につきっきりでスープを炊き続けなければならないから。ラーメンスープの作り方としては非常に複雑で、手がかかっているのです」

Photo by macaroni

「また、『吉村家』が『酒井製麺』(大田区)特注の麺を使用していることから、『家系=酒井製麺』というイメージも強くあります。中太でモチモチした独特の食感の麺が、力強いうまみのスープとよく合うからでしょう。具は、チャーシュー、ほうれん草、海苔が一般的です。

ただ実は“家系“とひとくちに言っても、人によってさまざまなとらえ方があります。元祖の『吉村家』に影響を受けていることが前提ですが、現在はさまざまなスタイルがありますし、定義があいまいになってきています」

一般的なとんこつラーメン、二郎系ラーメンとはどう違う?

Photo by macaroni

左からとんこつラーメン、二郎系ラーメン
「一般的なとんこつラーメンと違うのは、前述したとおり東京ラーメンの要素も濃く入っていること。また家系は麺の固さ、味の濃さ、油の量をカスタマイズできることも特徴です。

『二郎系』もアレンジはできますが、『マシ』『マシマシ』と呼ばれるアレンジが一般的。それに対して、油や醤油の量を減らすこともできるのが、家系の大きな特色のひとつと言えます。特に油の量で、味の感じ方はかなり変わりますから!」
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ