ライター : とも

暮らしと食を綴るWEBライター

カイロを振る理由は?記事のまとめ

  1. カイロを振るのは酸素の供給を均一にし、発熱に必要な化学反応(酸化反応)を促進させるため
  2. 正しい温め方は「貼らないカイロはよく振る」「貼るカイロは軽く揉む」

カイロを振る理由|温かさが増す仕組みとは

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寒い季節に欠かせない使い捨てカイロ。「温めるためにとりあえず振る」という方も多いと思いますが、なぜ振ると温かさが増すのでしょうか。

その理由は、カイロの内部で起きている化学反応(酸化反応)にあります。

なぜ熱が出る?温かさの源は「鉄粉の酸化反応」

使い捨てカイロの温かさは、鉄粉が空気中の酸素(O2)と結びつく酸化反応が起こるときに発生する熱(酸化熱)を利用しています。

袋を開けると酸素がカイロ内部に入り込み、鉄粉が酸化鉄に変化する反応が始まり、このとき発生する熱が温かさの源となるのです。

発熱を長持ちさせる秘密!活性炭、水、塩の重要な役割

カイロは単なる鉄粉ではなく、酸化反応を効率よく長時間持続させる工夫が施されています。

主原料の鉄粉が発熱源となり、活性炭は鉄粉の表面に酸素を集める触媒としてはたらきます。さらに、水は反応に必要な電解質溶液、塩は酸化反応を早める触媒として機能することで、安定した温かさを保っています。(※1,2)

なぜ「振る」と温まりやすいの?

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カイロの袋を開けてから、温かさが安定するまでに少し時間がかかりますよね。この間に振ると、温まりやすさが格段に向上します。

【発熱を促進】酸素をカイロ全体に均一に混ぜる効果

カイロの発熱には酸素が不可欠ですが、袋から出した直後は内部の酸素が不均一です。カイロを振ることで、外から新鮮な酸素が全体に素早く行き渡り、鉄粉の酸化反応が均一に促進されます。

その結果、カイロ全体がムラなく早く温まり始めるのです。

【反応効率アップ】発熱源の接触機会を増やす構造

カイロの粉末には活性炭や水が含まれています。振ることで、発熱の起点となる活性炭と鉄粉が効率よく混ざり合います

これは酸素の供給と原料の混合という、発熱に必要なふたつの要素を同時に促進する重要なアクションとなります。
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