ライター : METLOZAPP

Webライター / ボーカリスト

時候の挨拶の基本的なマナー

時候の挨拶では季節に応じた単語の選び方に注目されますが、まずは基本的な構成を守ることが大切です。とくにビジネス上で時候の挨拶を送る場合は、ルールに則ったテキスト作りが求められます。時候の挨拶における前提のマナーを学び、美しい文章を作成しましょう。

4つの項目を使った基本構成を守ろう

時候の挨拶は、前文・主文・末文・後付の4つの項目によって構成されています。執筆する際は、この基本構成を守ることを心がけましょう。この構成は時候の挨拶に限らず、正式な手紙を書く際にも遵守されます。

前文は、主文に入る前の書き出しの項目です。時候の挨拶はおもに前文に登場し、相手の健康や近況を伺ったり、こちらの安否を伝えたりします。

主文は、手紙やメールの本題となる部分です。「さて」「この度は」などの切り出しから始まり、要件を明確に伝えます。

末文は、主文に記載した本題を終えた後、内容をまとめる結びとなる部分です。相手の今後の健康や繁栄を祈ったり、今後のお付き合いを願ったりする言葉を添えます。「敬具」が用いられるのも末文の項目です。

後付は、手紙の情報を記載します。具体的には、日付・署名・宛名・添え文などが該当します。添え文では「追伸」「P.S.」などが用いられますが、あらたまった手紙では避けるべきでしょう。

漢語調と口語調を使い分けよう

時候の挨拶を執筆する際は、漢語調と口語調を使い分ける必要があります。漢語調と口語調とは、日本語における「言葉遣いのニュアンスの違い」です。漢語調は短く簡潔であることが望まれ、口語調はやや冗長ながらもやわらかくやさしいニュアンスになります。

漢語調は格式高い印象を与えるため、儀礼的な手紙やビジネスメールなどに用いられる傾向にあります。口語調はフレンドリーかつ穏やかな印象を与えるため、近しい関係性や友人などへのテキストに適しているでしょう。相手の立場や関係性に応じて、適切な言葉遣いを選ぶことが大切です。

8月の時候の挨拶のポイント

8月は、1年のなかでももっとも気温が上がる時期です。またお祭りや海水浴など、楽しいイベントが多い時期でもありますよね。8月の時候の挨拶では、季節感に沿った単語を採用しつつ、相手の体調を気遣うニュアンスを取り入れるのがポイントです。8月ならではの時候の挨拶の要点を学んでいきましょう。

夏バテや体調不良を気遣う内容を入れよう

8月の時候の挨拶では、暑さに関連する体調不良を心配する言葉や、相手の健康を気遣う言葉を入れることで、思いやりや誠実さが伝わります。とくに昨今は、最高気温40℃近くなる真夏日もありますよね。

熱中症や夏バテの被害も多く、普段は健康な人でもつい体調を崩してしまうシーズンです。「連日暑い日が続いておりますが」や「酷暑が続きますが」など、暑さを強調する言い回しを取り入れたうえで、健康面の安否を尋ねる言葉を続けていきましょう。

上旬・中旬・下旬でニュアンスを使い分けよう

同じ8月のなかでも、タイミングによって適した時候の挨拶は異なります。相手に送信する(または相手の手元に届く)タイミングを考えたうえで、時期に合った言葉選びをおこないましょう。時候の挨拶におけるタイミングは、上旬・中旬・下旬に大別されます。

8月上旬は暦のうえでは立秋。夏の激しい暑さを表すタイミングに適しています。8月中旬は「夏のピークは過ぎたが暑さは残っている時期」であるため、実際の暑さにかかわらず、残暑であることを強調しましょう。8月下旬は秋の近づきを強調します。引き続き残暑ならではのニュアンスを取り入れつつ、秋の季語を取り入れてもよい時期です。
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